アスペルガー症候群の適職とは?どんな特性を仕事に活かせばいい?

アスペルガー症候群は、発達障がいと呼ばれる脳機能の特性の1つで、空気が読めない・コミュニケーションが取りにくいなどのマイナス面や、高い集中力・記憶力・IQなどのプラス面があるのが特徴です。

では、アスペルガー症候群の人は、どんな仕事が適しているのでしょうか?その特性を仕事に活かす方法はあるのでしょうか?
この記事では、アスペルガー症候群の仕事選びのコツと、自分の特性を仕事で発揮するコツについて解説していきます。

アスペルガー症候群の人ってどんな人が多いの?

アスペルガー症候群(自閉症スペクトラム障がい)の人は、「空気が読めない」「暗黙のルールがわからない」など、コミュニケーションを取るのが苦手という特徴を持っています。この特徴以外にも人によって性格が異なり、一般的に、以下のような3つのタイプに分けられます。

積極奇異型
積極的に人と関わろうとするが、距離感がわからず近すぎることが多い
受動型
物静かでおとなしく、人の意見に流されやすい
孤立型
一人でいることを好み、マイペースである

また、近年では「尊大型」「大仰型」という2つのタイプが加えられ、5つに分類できるとする説も出てきています。

尊大型は「なんでも人のせいにする、正論を言う、怒りやすい、非常に利己的」で、大仰型は「動きがゆっくりしている、頻繁に敬語を使う、時に過剰に丁寧な言葉になる」といった特徴があり、大仰型は孤立型の人が独学で社会適応してきたタイプが多いのでは、とも考えられています。

「アスペルガー症候群」というと、多くの人が思い浮かべるのは「積極奇異型」のタイプで、空気が読めない発言を繰り返したり、馴れ馴れしいと感じるほど距離感が近かったりします。

自分のことを話し続けたり、むやみにボディタッチをしたりして相手に嫌な思いをさせてしまうことも少なくありません。

本人に全く悪気はないため、こうした言動の結果避けられたり嫌われたりしても、なぜ避けられ嫌われてしまうのかはわかっていないことが多いです。
本人からすると自分の好意を素直に表しているだけなので、次々と嫌われ避けられてしまうことで苦しみ、なかには心を病んでしまう人もいます。

受動型は逆にこうした問題行動が少なく、他者から働きかけられればそれに応えるという形で人間関係を作っていく傾向があるタイプです。

しかし、「わからないことがわからない」という少しやっかいな特徴は持ったままの状態であり、自分の感情もわからないため、自分のことを話すのが苦手で自立性がなく、自己主張をあまりせず、言葉が出にくい傾向にあります。

…こうした特徴は、一般的に想像されるアスペルガー症候群の特性とは真逆なのではないでしょうか。

他にも、アスペルガー症候群の人は「暗黙の了解や言外の意図を察するのが苦手」「想像力・創造性などに欠ける」といった特徴を持っています

仕事でアスペルガー症候群の特性の活かす方法はある?

上記で説明したようなマイナス面の特徴がある反面、アスペルガー症候群の人には以下のようなプラス面の特性も持っています。

  • ルールをきちんと守る
  • 正直で公正である
  • 細かいところに気がつきやすい
  • 公平や平等に対する思いが強い
  • 細かい作業が得意で、集中力が高い
  • 記憶力や論理的思考力が高い

これらのことから、アスペルガー症候群の人はパターンや規則にのっとった作業や業務が得意で、こつこつと粘り強く取り組むことができるとわかります。

アスペルガー症候群の人は「高機能自閉症」とも呼ばれる通り、言語の遅れなどがなくIQも高いことが多いため、症状が強くない人や受動型・大仰型などの人は目立ちにくく、社会人になるまで自らの特性に全く気づかずに過ごす人も少なくありません。

アスペルガー症候群の人は自分の特性のマイナス面をカバーし、プラス面を積極的に活用していくことで、健全な自尊心や自己肯定感を育てることができます。
そのため、自分の特性を早いうちから知っておくことは、抑うつ状態などの二次障害を防ぐためにも重要なことですし、自分のプラス面の特性を仕事に活かすことにもつながります。

アスペルガー症候群におすすめの仕事は?

前述のことから、アスペルガー症候群の人には以下のようなプラス面とマイナス面があることがわかります。

プラス面
  • 細かくこつこつと続ける作業が得意
  • 細かいことによく気づく
  • 記憶や論理的な思考に強い
マイナス面
  • 他人と社会的な人間関係を築く
  • 暗黙の了解や察するなどのコミュニケーションを取る
  • 想像力や創造性に欠ける

そのため、以下のようなタイプの仕事を選ぶと良いでしょう。

  • 1人ででき、さまざまな人とコミュニケーションを取る必要がない
  • タスクが明確で、曖昧な指示になりにくい
  • 高い集中力が求められる
  • 高い記憶力が求められる(マニュアル・物の配置など)
  • 論理的思考力が求められる(理屈っぽさやこだわりがプラスに働く)
  • 個人の裁量に任せてもらえる(チームワークが重視されない)
  • ノルマがない(自分で設定した目標に向かって頑張れる)

具体的には、以下のような仕事です。

集中力に優れた人に向いている仕事
  • 検品作業員 
    わずかな不具合を見分けるこだわりと集中力が活かせる
  • 高所作業員 
    集中力を切らさず長時間の作業を続けられる人に向いている
  • 精密材料加工 
    黙々と作業を進める職人気質の人におすすめ
  • 工芸品作家 
    精密な作業を安定して行える集中力とこだわりが必要
  • プロゲーマー 
    高い集中力を長時間持続できることが重要
記憶力や視覚優位の人が強い仕事
  • 設計技術者 
    完成状態をイメージし、模型や既存の建築物を細部まで記憶する
  • Webデザイナー 
    他サイトを記憶して差別化を図ることや、構成をイメージする
  • ゲームクリエイター 
    デザイン・ストーリーが複雑化していくゲーム全体の整合性を保つ
  • ファッションデザイナー 
    さまざまなデザインや柄を記憶し、引き出しを増やす
  • 映像ディレクター・写真家 
    大量の映像や写真の中から良いシーンを選ぶ、撮影の構図を決める
  • 飼育員 
    動物に対する観察眼を磨くには、動物のさまざまな動きを記憶する
  • 建設・土木作業員 
    図面と建築中の建物の構造を詳細に記憶する
論理的思考力に優れている人におすすめの仕事
  • 大学教員・研究所職員 
    論理的思考力が最大限に発揮できる
  • 専門学校・予備校教師 
    ミッションが明確で、論理的に戦略を立てやすい
  • 事務系専門職 
    弁護士や会計士、税理士、行政書士などもマニュアルに基づいている
  • システムエンジニア 
    コンピューターは論理のみで動くため、空気を読む必要がない
  • 設計技術者 
    論理的に仕組みを考え、期待通りの数値が出なければミスを見つけられる
  • 清掃員 
    徹底的に効率を追求して作業をするため、論理的思考力が役立つ<
  • 工場作業員 
    製造ラインが合理的・効率的なため、過ごしやすい
  • 倉庫作業員 
    入出庫の動きを記憶し、なおかつ合理的に行う必要がある

これらの仕事はあくまでも一例ですが、このような基準で仕事を選ぶと働きやすく、また続けやすいことが多いです。しかし、他の発達障がいでも同じように、アスペルガー症候群の人も人によってその特性はさまざまです。自分の得意なことと苦手なことをよく見極め、得意なことを活かせる仕事に就くと良いでしょう。

おわりに:アスペルガー症候群の人は高い記憶力や論理的思考力を活かそう

アスペルガー症候群の人は、社会的や情緒的なコミュニケーションが苦手な代わり、1人でものごとを極めていくタイプの職人・学者といった仕事に向いています。また、高い記憶力やIQを持つ人が多く、これらの仕事と親和性が高い人も多いです。

そのため、教師や専門職、職人、デザイナーやクリエイターなどの仕事がおすすめできるでしょう。また、効率や集中力といった点では清掃員やプロゲーマーなども良いと言われています。

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