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注意欠如・多動症(ADHD)とは?セルフ診断チェックと病院の受診科目を紹介

発達障がい大辞典

発達障がいには、多様な区分と特性があります。ADHDとも呼ばれる「注意欠如・多動症」も、そんな発達障がいのひとつです。ADHDはさらに「多動・衝動性優勢型」「不注意優勢型」「混合型」に細かく分けられます。

今回は注意欠如・多動症がどのような症状や特性を伴う発達障がいなのか、原因やセルフチェックのための質問リスト、治療の選択肢などを一緒に見ていきましょう。

注意欠如・多動症(ADHD)とは?原因は何?

注意欠如・多動症は、アメリカ精神医学会が設定した以下の条件をすべて満たした場合に診断が下される、発達障がいの一種です。

注意欠如・多動症の定義
  • 不注意(活動に集中できない・気が散りやすい・物をなくしやすい・順序だてて活動に取り組めないなど)」と「多動・衝動性(じっとしていられない・静かに遊べない・待つことが苦手で他人の邪魔をしてしまうなど)」が同程度の年齢の発達水準に比べてより頻繁に強く認められること
  • 症状のいくつかが、12歳より以前に認められること
  • 2つ以上の状況において(家庭、学校、職場、その他の活動など)障がいとなっていること
  • 発達に応じた対人関係や学業的・職業的な機能が障がいされていること
  • その症状が統合失調症、または他の精神病性障がいの経過中に起こるものではなく、他の精神疾患ではうまく説明されないこと

具体的には、以下のような症状を複数併発している場合に注意欠如・多動症が疑われます。

注意欠如・多動症の具体的な症状
  • 気を付けているのに、落し物や忘れもの、寝坊、遅刻が減らない
  • 本人の意図に関係なく、どうしてもじっとしていることができない
  • 上記の理由から、学校や職場で人間関係がうまくいかない

注意欠如・多動症が発生する割合は、学齢期の小児の3~7%といわれています。はっきりとした発症原因はわかっていませんが、遺伝的要因も見られる生まれつきの脳機能障害です。

そして注意欠如・多動症と診断された子どもの脳には前頭葉、線条体部分のドーパミン機能障害があると考えられています。

子どものADHDセルフ診断チェック

注意欠如・多動症の症状は、多くの場合子どもが7歳になるまでにあらわれてきます。

以下に多動・衝動性、不注意それぞれの分野の注意欠如・多動症の症状を紹介しますので、確認してくださいね。

多動・衝動性の症状
  • 座っていても、ずっと手や足をもじもじさせている
  • じっと座っていることがどうしてもできず、席を離れてしまう
  • おとなしく遊ぶことが難しく、つい動いたり喋り過ぎたりしてしまう
  • きちんと順番を守り、待つことが極端に苦手でできない
  • 他人の会話や、順番に割り込んでしまう
不注意の症状
  • 課題や遊びへの集中力が続かず、すぐ違うものに興味を向けてしまう
  • 話しかけられているのに、集中していないのか聞いていないように見える
  • 学校の勉強でうっかりミスが多く、忘れものや落し物がとても多い
  • 気が散りやすく、やるべきことをなかなか最後までやり遂げられない
  • 何か課題や作業を進めるとき、段取りを組んで行うことができない
  • 整理整頓が非常に苦手で、無意識のうちにどんどん散らかしてしまう

上記のうち、両方の分野の症状があらわれることが注意欠如・多動症の診断条件です。

なお注意欠如・多動症は、強くあらわれている症状の分野により「多動・衝動性優勢型」「不注意優勢型」「混合型」の3種類にさらに区分されます。

ADHDは大人になったら治る?性格との違いは?

注意欠如・多動症、ADHDは成長とともに症状が軽くなるケースが多いとされます。
しかし、症状をもつ子どものうち半数は青年期に至るまで、さらにその半数は成人するまで症状が残るとも報告されています。

年齢を重ね、心身が成長したこと症状が治まるとは言い切れません。

思春期までに、特性ゆえの失敗と周囲からの叱責を繰り返し経験した子どもは、不安障がいやうつ症状など二次障がいを併発するケースも多いです。
発達障がいである注意欠如・多動症の症状は、本人のやる気や性格にかかわらずあらわれ、大人になっても残る可能性のあるものと理解しておきましょう。

大人のADHDセルフ診断チェック

注意欠如・多動症を抱える大人には、以下のような特性が見られます。

多動・衝動性の症状
  • 他者に「いつも落ち着きのない人」という印象を与えがち
  • 貧乏ゆすりや顔を触るなど、無意識のうちに何かと体を動かしている
  • 話しているときは声がでかいと言われ、静かにしているのが極端に苦手
  • 交通渋滞や順番待ちで行列に並ぶなど、待つことが苦手
  • 遠慮のない発言や行動を衝動的にして、気まずい雰囲気にしてしまう
不注意の症状
  • 仕事や家事など、毎日の生活で不注意によるミスが多い
  • 集中や注意を継続させることが困難で、よく周囲から「上の空」と言われる
  • 会議など、長時間集中し続けなければならない場面が苦手で寝てしまう
  • 計画を立てたり、優先順位を付けて段取りよく仕事を進めるのが苦手
  • 嫌なこと、大変な仕事はついつい後回しにしてしまいがちで、いつも溜め込む
  • 整理整頓が苦手で、いつも机の上にはものが積み重なっている
  • カギや財布などの大切なものも含めて、よくなくしたり落としたりする
  • スケジュール管理が苦手で、遅刻や寝坊、約束を忘れることも多い

子どもの頃から症状があり、大人になってからも本人の意思に関わらず上記の症状がなくならない場合は、注意欠如・多動症である可能性が高いでしょう。

ADHDかもと思ったら何科を受診?治療薬の種類は?

自身や自分の子どもに注意欠如・多動症、ADHDである可能性を感じたら、まずは以下いずれかの機関に相談してみましょう。

発達障がいの相談を受け付けている機関
発達障がい支援センター、地域療育センター、総合精神保健福祉センター、自治体の福祉担当窓口  など

また、医療機関で診断・診療・治療を受けたいときは、以下の診療科目のある医療機関に問い合わせをしてみてください。

発達障がいに対応している診療科
精神神経科、心療内科、メンタルクリニック

医療機関で受けられる治療としては、子どもの場合は行動変容薬物療法が挙げられます。

行動変容とは、よりスムーズに日常生活を送れるように行動を変えていくこと。多動性や衝動性、不注意による症状が出ないよう、少しずつ行動や思考の癖を変えていきます。

薬物療法に使われるのは、脳を刺激し、不足するドーパミンなどの分泌を補うメチルフェニデート、アトモキセチン、グアンファシンなどです。

上記の薬を使うには先述した診療科目の医師による処方箋と薬局の登録が必要です。

おわりに:注意欠如・多動症(ADHD)は発達障がいの一種。疑いを感じたら、相談機関や医療機関に連絡を

本人の性格や意識に関らず、じっとしていることや物事に集中し続けるのが苦手な特性が現れる発達障がいを、注意欠如・多動症(ADHD)と言います。一般的に症状は子どもが7歳になるまでに現れ、成長とともに軽減していきます。ただし、人によっては大人になっても症状がのこっていたり、思春期までにうつや不安症状を併発するケースも気になる症状があれば、各相談機関や医療機関に問い合わせてみましょう。

参照

・厚生労働省e-ヘルスネット「ADHD(注意欠如・多動症)の診断と治療」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-04-003.html
・厚生労働省「知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス」
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_develop.html

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