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ADHDは薬を使って治せるの?

発達障がいの基礎
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学校や職場などいろいろな環境でよく聞くようになったのがADHD(注意欠陥多動性障害)という障害です。不注意、多動性、衝動性があらわれ、患者さんや周囲の人々が日常生活に困難を感じることが少なくありません。ADHDに関する薬は複数ありますが、治療法として取り入れられるのはどんな薬か、効果と副作用などを紹介します。

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ADHDの治療で薬を使う目的って?

ADHDの原因は、生まれ持った脳の微細な機能異常ではないかと考えられています。そのためADHDは薬の治療ですぐに治る病気ではありません。ADHDの薬は完治を目指すのではなく、症状を抑えるためのものです。本人や周囲がどのようにしてADHDと付き合っていくかを考えることも重要です。
病気との付き合い方を考えるためにもADHDかどうかを正しく診断し、どのような特性があらわれるか理解し、生活面の問題に対処していくことが必要です。ADHDの診断後は医師の指導のもと性格や環境を考慮しながら、必要な場合は薬の治療を取り入れて症状への対応を目指します。

ADHDの薬の働き

診断後はまず、環境調整と非薬物療法を優先することが一般的です。治療の効果があまり認められないときは薬物療法を検討していきます。ADHDの薬は神経伝達物質ドーパミンの異常に働きかけ、症状を緩和させます。患者さんの日常生活をサポートする補助的な役割をする薬です。
ドーパミンは脳にある「報酬系の機能:自分にメリットがあるときに判断する」「実行系の機能:目的に向かって必要な計画を立てて実行する」という2つの働きに関わります。ADHDはこの2つの機能に障害が起き、判断力や順序だった行動に影響を及ぼします。
ADHDの薬はドーパミンの働きを調整し、症状の緩和と日常生活のサポートを促します。ただし症状の完治を叶える薬ではないことを理解しましょう。

ADHDの治療薬の効果と副作用って?

ADHDの治療では主にコンサータ®、ストラテラ®、インチュニブ®の3つの薬が使われています。

精神刺激薬

コンサータ®(メチルフェニデート)

働き
ノルアドレナリンとドーパミンの働きを強めます。主にドーパミンに作用します。集中力低下、過活動、衝動性、日中の眠気、疲労感、抑うつ状態などへの効果が期待されます。
特徴
副作用や依存性を考慮し、使用には注意が必要です。医師の指導に従って服用します。食欲低下や不眠、チックなど副作用の可能性があります。処方できる医師は限られているため、どの医療機関、どの医師でも処方できるわけではありません。

非精神刺激薬

ストラテラ®(アトモキセチン)

働き
ノルアドレナリンとドーパミンの働きを強めます。主にノルアドレナリンに作用します。
特徴
副作用は比較的少ないですが、効果はやさしめで効き目を実感するまでに時間がかかります。吐き気の副作用がみられることがあります。

インチュニブ®

働き
比較的新しい薬です。情報伝達物質を受け取るシナプスに働きかけます。
特徴
血圧低下や眠気といった副作用の可能性があります。インチュニブ®に含まれる成分はもともと降圧剤として使われ血圧を下げる作用を持っているためです。近年、ADHDの治療薬として再開発されました。そのため心疾患を持つ方への処方には注意が必要です。

ADHDの人に周囲ができるサポートはある?

ADHDは医療機関や薬による治療ほか、本人による対処や家族など周囲の人のサポートも大切です。
多動性、衝動性などは薬で軽減しつつその日常生活の問題を軽減する対処法を考えていくなど、患者さんの症状の程度を考えながら支援環境を整えていくことをおすすめします。

トークンエコノミー

報酬や結果を提示されると、いらだちや衝動がコントロールできることがあります。約束やルールを守れたときに達成感を感じられるようにするのがおすすめです。たとえば患者さんが子供の場合は約束を守れたときにシールを貼るカードを作るなどです。

タスクを整理整頓し、優先順位をわかりやすくする

ADHDの患者さんには「こうでなくてはいけない」「納得できない」「細かいところが気になってものごとを進められない」などこだわりを貫く傾向もみられ、仕事に取りかかれなくなることがあります。必要なタスクを整理してマニュアル化する、優先順位をつけるなどの練習を重ね、仕事の進め方の改善を目指しましょう。

会話の訓練

ADHDの患者さんの中には、自分の話を始めてから相手の話を聞かなくなってしまうことがあります。相手に話をゆずる、人の話が終わるまで待つなどの会話のポイントを理解してもらってください。

おわりに:ADHDは適切な診断、必要な場合に薬物療法、周囲のサポートで改善が期待できます

ADHDの治療は、まず適切な診断で症状の程度を理解することから始まります。医師の指導のもと必要な場合は薬の服用をしてください。医療機関だけでなく、家庭や職場、学校などでも協力して対応することで症状や問題の改善を目指しましょう。

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