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生きづらさを抱えるアスペルガー患者と薬剤師による本『ギザギザハートのアスペルガー』が話題

人間関係改善のヒント
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発達障がいの人は「生きづらさ」を抱えやすいと言われていますが、実際にどんな困りごとやトラブルに直面しているか想像するのは簡単ではありません。この記事では、アスペルガー症候群の患者と担当薬剤師によるノンフィクション書籍『ギザギザハートのアスペルガー』を紹介します。アスペルガー症候群についても説明しますので、合わせて読んでいきましょう。

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アスペルガー症候群って?孤立型や尊大型などタイプが分かれる?

アスペルガー症候群は、アメリカ精神医学会の診断基準DSM-5によると「ASD(自閉スペクトラム症)」と表現される発達障がいです。生まれつき脳機能障がいがあるために、社会的なコミュニケーション、想像力、共感性に特性がみられます。また、勉強や仕事などに困りごとがみられる傾向もあります。

人との意思疎通がうまくいかない、強いこだわりを持っている、感覚過敏を持っているなどの特性から、周囲からは「変わった人」という印象を抱かれやすいといえるでしょう。

アスペルガー症候群は、孤立型、受動型、積極奇異型、尊大型、大仰型というタイプに分けられます。

  • 孤立型:周囲への関心が薄くコミュニケーションに消極的
  • 受動型:コミュニケーションに積極的ではないが、誘われたら素直に従うなど受け身
  • 積極奇異型:積極的に人と関わるが、適切な距離感をとるのは苦手
  • 尊大型:周囲に対して威圧的で自己主張が強め。学力が高い傾向があるタイプ
  • 大仰型:言葉遣いや仕草など、他者に対して過度に丁寧なコミュニケーションをとるタイプ

アスペルガー症候群といっても、上記のようにそれぞれ特性が異なります。特性の現れ方も個人差がありますので、周囲に理解してもらうことに苦労する人もいるでしょう。周囲の人とのトラブルや生きづらさを抱えるうちに、うつ病など二次障がいを発症するおそれもあります

次章からは、アスペルガー症候群の患者さんとその担当薬剤師によるノンフィクション書籍について紹介していきます。

アスペルガーの生涯がノンフィクションの一冊に

『ギザギザハートのアスペルガー』(臼井志乃・中原慎太著、リーブル出版)は、アスペルガー症候群の患者と薬剤師の共著です。

著者の臼井志乃さんは、精神科病院で働いていた薬剤師です。もう一人の著者は、臼井さんが担当した発達障がい患者である中原慎太さん(仮名)。本書は、中原さんの手記をもとに臼井さんの解説を加え、二人の交流記録も収録した内容となっています。
二人が執筆活動を開始した理由は、「苦しんでいる方に少しでも希望を与えたい」という思いです。発達障がいや精神科の患者について理解を深めてもらいたいという考えで活動を進めています。

『ギザギザハートのアスペルガー』を読むとわかる患者さんの苦しさ

中原さんはアスペルガー症候群の患者であり、感情の起伏がなく常に他人行儀という特性を持っています。特性によって周囲に理解されず人間不信に陥った中原さんは、「気味が悪い」「悪魔」と言われるようになっていったそうです。

本書発売の5年前には、聴覚過敏によるいらだち、不穏などの影響があり、臼井さんが勤務する病院へ入院することになりました。入院後、薬物療法やデイケアでのプログラムが奏功し、状態は改善していったそうです。治療を受ける中、「誤解されやすい自分を理解してもらおう」と思い立ち、自身の半生を少しずつ書き始めたのが本書制作のきっかけでした。

中原さんの人生は、母親のネグレクト(育児放棄)、兄からの暴力、家庭崩壊、殺意、両親の離婚、学校でのいじめ、うつ、無気力、パニックなど、「生きづらい現実」に直面することが多かったと綴られています。

一方で、友人やデイケアメンバーとの出会い、臼井さんたちの理解が得られたことで、中原さんは弱みを克服するようになります。

中原さんは現在、病院を退職した臼井さんと一緒に、発達障がいや精神科の患者について理解を深めてもらう活動をしています。

書籍情報

『ギザギザハートのアスペルガー』は、全国の主要書店やAmazonで購入できます。

書籍名:『ギザギザハートのアスペルガー』
著者:臼井志乃、中原慎太
発行元:リーブル出版
発売日:2020年12月25日
ページ数:162ページ
価格:1,430円(税込)
ISBN-13:978-4863382916

おわりに:アスペルガー症候群の困りごとを克服した軌跡に勇気づけられる一冊

アスペルガー症候群など発達障がいの人は、生きづらさを感じている人が少なくありません。ただし、適切な支援やサポート、周囲の人からの理解を得ることで、心の負担が軽くなることがあります。今回紹介した本は、アスペルガー症候群の人とサポートをする人のリアルな体験を知ることができますので、興味がある人は是非読んでみましょう。

(画像:PRTIMES

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