発達障がいは生まれつきの脳の特性から、さまざまな症状を発するようになる疾患です。
発達障がいの子どもに見られやすい代表的な症状の1つに、聴覚過敏が挙げられます。
今回は発達障がいの子どもの聴覚過敏について、その症状や気になりやすい音の特徴、症状を和らげるための対処法をまとめてご紹介していきます。
聴覚障害の子どもの変化に気づくには?
発達障がいの特性を持つ子どもは、そうでない定型発達の子どもに比べ、外部からの音・光・においなどの刺激に対し鋭くなりやすいことが分かっています。
このため発達障がいの子どもには、聴覚過敏など感覚過敏の子が多く見られるのです。
2~3歳の子どもに普段から以下のような様子が見られ、耳鼻科などで耳の機能を検査しても異常が見つからない場合には、聴覚過敏である可能性があります。
傾向を知り、子どもの聴覚過敏の兆候に気づいてあげられるようにしましょう。
- 聴覚過敏の子どもが示しやすい様子・傾向
-
- 特定の音に対していつも反応し
- 耳をふさぐ
- 嫌がる
- 泣き叫ぶ
などして強い拒否感や抵抗感を表す。
聴覚過敏の人が気になりやすい音の特徴は?
聴覚過敏の人は、苦手とする音声が耳に届くと「つんざくように反響する」「刺さる」「脳が震える」ような感覚に陥り、心身に強い苦痛を感じます。
どのような音に抵抗感・拒否感を持つかには個人差がありますが、聴覚過敏の人が気になりやすい音としては、以下が挙げられるでしょう。
- 人と人とが会話している音、駅や街中での人混みの音
- 子どもの声、ゲームセンターやボーリング場の音
- ドアをノックや開け閉めする音、食事のときに食器が触れ合う音
- 救急車のサイレンの音
- 打ち上げ花火の音 など
また傾向として低い音よりも、女性・子どもの話声や騒ぐ声、食器が触れ合うなどキーが高い音声が気になりやすい傾向がみられます。
ただ人によっては、体調によって気になる音声が変わったり、特定の音声だけでなくほぼすべての音声に対し、不快感を持ってしまう人もいるようです。
上記はあくまで不快に感じやすい音の目安として、覚えておいてください。
聴覚過敏への対処法は?
聴覚過敏の症状を軽減するには、シーンに合わせ以下の対処をするのが効果的です。
- 日常的に音声に不快を感じるようなら…
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- イヤーマフや耳栓を使い、可能な限り音による刺激をシャットアウトする
- イヤホン、ヘッドフォンのノイズキャンセリング機能を使い、体調によって遮音する
- 人の話し声に不快を感じるようなら…
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- 買い物や外出は人が少ない時間帯を選び、できる限り通販などを利用する
- テレビの音声はオフにし、見たい番組や映画は字幕を表示させて目で楽しむ
- 家族や友人には、急に大きな声で話しかけたり怒鳴らないよう協力を求める
- 騒々しい場所で辛くなりそうなら…
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- イヤホンやヘッドフォンで好きな音、音楽を聴いてリラックスする
- 読書や手芸など、自分が楽しく没頭できる趣味や考えに集中してみる
- 疲労で症状がひどくなるようなら、早め早めの休憩を心がけておく
あなたの症状と体調に合わせて、そのときに必要な方法で対処してくださいね。
おわりに:発達障がいの子どもの聴覚過敏は、症状にあわせて軽減の努力を
定型発達の子どもに比べ、発達障がいの子どもには聴覚過敏が起こりやすいと言われています。2~3歳の子どもが特定の音に強い抵抗感・拒否感を持ち、耳をふさぐ、嫌がって泣き叫ぶ様子が見られるようなら、聴覚過敏を疑うべきでしょう。
不快に感じる音には個人差があり、人によって話し声やドアのノック・開閉音などの生活音や、花火の打ち上げ音に至るまでさまざまです。症状とそのときの体調に合わせ、必要な対処をしてあげましょう。
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