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小学生の発達障がいでカミングアウトするメリットはある?

子育て・教育のヒント
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お子さんが発達障がいの場合、本人や家族が適切な対策をとることはもちろんですが、周囲から合理的配慮をしてもらうことも重要です。そんなとき、学校や周りのお友達に対して、発達障がいであることをカミングアウトするのがよいのでしょうか?

この記事では、発達障がいの小学生の子どもの場合、カミングアウトすることでどんなメリットを得られるかを紹介していきます。

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小学生の発達障がいの特徴や困りごと

発達障がいは年齢や子どもの個性、環境によって現れる特性が変わってきます。小学校の時期は、次のような特性が現れる傾向があります。

  • 落ち着きがなく、授業に集中できない
  • 集団行動が苦手
  • ランドセルの中身の整理整頓が苦手
  • 忘れ物や失くし物が多い
  • 身だしなみを気にしない
  • 読み書きに遅れがみられる
  • 自分の気持ちや状況を言葉で説明するのが苦手
  • お友達とのけんかなどトラブルが多い

未就学児の場合は、クレーン現象や逆さバイバイなど特徴的な行動によって発達障がいに気づくことがあります。大人の発達障がいでは、仕事のタスク管理や会議で発達の特性が現れることが多いでしょう。

ただし、上記で挙げた行動や傾向がみられるからといって発達障がいとは限りません。また、発達障がいといっても、自閉症、アスペルガー症候群、ADHD、学習障がいなどタイプは細かく分類されます。子どもがどの発達障がいに当てはまるのか、どんな困りごとが問題なのかを考慮して、適切な対応をとることが大切です。学校や職場では、障がいを持つ人に対して合理的配慮をすることが求められます。

発達障がいの人への「合理的配慮」とは?

合理的配慮とは、文部科学省のHPによると次のように定義されます。

合理的配慮とは
障がいのある子どもが、他の子どもと平等に「教育を受ける権利」を享有・行使することを確保するために、学校の設置者及び学校が必要かつ適当な変更・調整を行うことであり、障がいのある子どもに対し、その状況に応じて、学校教育を受ける場合に個別に必要とされるもの。また、学校の設置者及び学校に対して、体制面、財政面において、均衡を失した又は過度の負担を課さないもの。

障がいのある子どもが、学校でほかの児童と平等に勉強を受けられるようにすることを目的としていますね。学校の設備環境を整えたり、個別な指導を受けたりすることが合理的配慮です。

合理的配慮は、2016年4月に施行された「障害者差別解消法」により、行政、学校、企業などに実施が求められています。文部科学省が発表している合理的配慮の例によると、自閉症・情緒障害、LD、ADHDに対する合理的配慮は次のような対応が考えられます。

自閉症に対する合理的配慮の例

  • 過去の不快な体験を思い出してパニックを起こすなど独特の心理特性を理解し、配慮した指導を行うこと。

ADHDに対する合理的配慮の例

  • メモを書く習慣形成、リマインダーの使用、物品の定位置を決める、記録機器の使用などの指導を行うこと。
  • 好きなことに集中できる時間や場所を確保すること、アイデアやユニークな発想を生かす機会を作ること。
  • 感覚過敏がある場合は過敏であることを自覚させ対処法を指導すること。
  • 衝動性を抑制させるための指導をすること。

LDに対する合理的配慮の例

  • かなの読み書きなど学習に必要だが未発達な能力の指導をすること。
  • ノート以外の本人が使いやすい勉強道具を使えるようにすること。
  • 家庭や学校外の教育・療育機関などで使用している勉強補助器具(デジタルカメラやカラーフィルターなど)の学校での使用を認めること。
  • 文章に代えて絵による説明を認めること。
  • テストで教員が読み上げた問題文に口頭で答る方法をとる など

(参考:文部科学省「障害種別の学校における「合理的配慮」の観点(案)」)

このように、特性によって必要な合理的配慮は変わってきます。学校側は児童に合わせた対応をとる必要がありますので、児童の特性への理解が求められるのです。

学校やお友達に発達障がいをカミングアウトするべき?

発達障がいであることを学校や周囲の人に教えるかどうか、つまりカミングアウトするかどうかは、保護者や本人の自由です。しかし、発達障がいであることを説明することで、合理的配慮が受けやすくなるといえます。カミングアウトし、お子さんの特性について情報共有すると、お子さんにどんな支援が必要なのか話し合うことができます。

まずは学校にカミングアウトし、必要性を感じたらお友達にも伝えてはいかがでしょう。カミングアウトするときには注意点があります。「うちの子どもは発達障がいを持っています」と障がいを持つことだけを伝えると、誤解を招きかねません。お子さんが実際に持っている特性以外にも、発達障がいの特性はさまざまな種類があります。世間に浸透している発達障がいのイメージと、お子さんの実際の特性は必ずしも一致しません。

カミングアウトの際には、次のことを説明すると合理的配慮がスムーズに進められます。

  • どんな特性を持っているか
  • 何が苦手か、または何ができるか
  • どんな状況で特性が現れやすいか
  • 発達障がいであることをどこまで情報共有していいか など

カミングアウトする前に、医師や療育センターにアドバイスをもらうのもおすすめです。検査結果や専門家の意見を添えて学校に相談すると、理解がより深まるでしょう。

カミングアウトに限らずお子さんの発達障がいに悩んだときは、下記の機関に相談してみるのもおすすめです。

  • 発達障害者支援センター
  • 児童発達支援センター
  • 児童相談所
  • 精神保健福祉センター
  • 保健所・保健センター
  • 子どもの発達障がいの診断が可能な医療機関
  • スクールカウンセリング

おわりに:カミングアウトは合理的配慮のための情報共有になります

カミングアウトは義務ではありません。しかし、学校側も合理的配慮を実施するには準備が必要です。適切な合理的配慮を望む場合は、カミングアウトすることで特性に対する情報共有や理解が深まります。お子さんの学校での困りごとを軽くするためには、カミングアウトをするのがいいかどうか、専門家にアドバイスをもらいながら検討すると安心ですよ。

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