発達障がいのお子さんは、学校の授業に集中できない、宿題を忘れがちなど、勉強面での不安を抱えることが多いイメージがあるかもしれません。しかし興味があることや好きな分野には、驚くべき集中力を発揮する長所もあります。
つまり、発達障がいのお子さんにもたくさんの可能性が広がっているといえるでしょう。みなさんに紹介したい注目の書籍『発達障害で生まれてくれてありがとう シングルマザーがわが子を東大に入れるまで』(著・菊地ユキ、発行・光文社)は、東大大学院に合格したADHDのお子さんを持つお母さんのノンフィクション物語です。
6歳でADHDと診断。東大大学院に入学するまでの親子の物語
2020年8月に、ノンフィクション書籍『発達障害で生まれてくれてありがとう シングルマザーがわが子を東大に入れるまで』が発売されました。ADHDの息子さんを育てた母・菊地ユキさんの手記であるこの書籍は、ネット書店を中心に売れ行き好調。発売即重版が決定したほど、世間からの注目を集めています。
菊地さんの息子さんは、6歳のときにADHDと診断されたそうです。当時はまだ発達障がいという言葉が今ほどは知られていなかった時代。菊地さんは専門書を読み、発達障がいの特性について理解を深めました。
小学校では、息子さんがADHDであることをオープンにしてもらい、先生やクラスメイトにADHDの特性を受け入れてもらえるようにした菊地さん親子。
発達障がいであることをどこまでオープンにするかは、子育て中の大きな悩みのひとつでしょう。書籍を通して菊地さん親子の実体験を知ることは、ひとつの参考になりそうです。
『発達障害で生まれてくれてありがとう シングルマザーがわが子を東大に入れるまで』の内容
本書は、菊地さんの子育て人生が伝わってくる内容です。息子さんが赤ちゃんのときから、困難が続いた小学校時代、学力が伸びていく中学・高校、研究に邁進する大学時代、そして東大大学院合格に至るまでの軌跡を追いかけていきます。
『発達障害で生まれてくれてありがとう シングルマザーがわが子を東大に入れるまで』【目次】
Chapter1 大夢が生まれてシングルマザーに
Chapter2 グニャグニャだった小学校低学年
Chapter3 失敗ばかりだった小学校中学年
Chapter4 予行演習で乗り越えた小学校高学年
Chapter5 数式の美しさに目覚めた中学校時代
Chapter6 優等生になっていた高校時代
Chapter7 大学を首席で卒業し東大大学院に
子育て中は、ADHDの子どもが持つ特性への接し方をどうすればいいか、学校で起きがちなトラブルをどう回避するか、進学や受験でどんな工夫ができるかなど、気になることが多いですよね。
お子さんの性格や特性によって適切な対応は変わってきますが、実際に発達障がいの子育てをしてきたお母さんのロールモデルとして、菊地さんの子育てストーリーから学ぶことがたくさんありそうです。
おわりに:ADHDと付き合いながら子どもの興味を伸ばすロールモデルを学ぼう
『発達障害で生まれてくれてありがとう シングルマザーがわが子を東大に入れるまで』は、ADHDとの付き合い方の例を知ることができる興味深い一冊です。好きなものに集中力を発揮する発達障がいのお子さんの可能性を広げるヒントにもなるかもしれませんね。興味がある人は、ぜひ読んでみてください。
書籍情報
書名:『発達障害で生まれてくれてありがとう シングルマザーがわが子を東大に入れるまで』
著者:菊地ユキ
発売:光文社
発売日:2020年8月19日
定価:本体1,500円+税
判型:四六判ソフトカバー
ISBN-10 : 433495183X
ISBN-13 : 978-4334951832
【著者紹介】
菊地ユキ(きくち ゆき)
1969年、秋田県生まれ。2005年、美容室「フェールネージュ」開業。1996年に発達障害の男児を出産。幼少期よりひどい癇癪、言葉の獲得の遅れ、多動があり、6歳の時にADHDと診断される。地域初の発達障害児であったが、紆余曲折の後、才能がひらかれ、北海道大学理学部数学科卒業、現在は東京大学大学院に通学中。「どんな特性をもっていても、子供はみんなダイヤモンドキッズ! 磨いてあげないとただの石ころのまま」が子育てのテーマ。シングルマザー専門の芸能プロダクション「オフィスANRI」所属。
(画像:PRTIMES)
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