どこに行くにも、ハイハイやよちよち歩きでお母さんに赤ちゃんがついていくことを「後追い」といいます。
今回は、成長過程で赤ちゃんに現れる後追いと自閉症の関係について、後追いが見られない赤ちゃんが自閉症だとする説の真偽と、その理由について解説していきます。
赤ちゃんの後追いって、どんな行動のこと?
後追いとは、お母さんなどの身近な大人である保護者が視界から消えたときに、不安を感じて赤ちゃんが後を追いかけてくる行為のことです。
赤ちゃんが長時間一緒にいるお母さん、またはお父さんなど身近な大人を「自分にとって特別な存在」と理解し、愛着や信頼を感じるようになることで始まるとされます。
期間としては、ハイハイが上手になり活発に動くようになる生後9~11か月ごろから始まり、1~2歳まで続くのが一般的です。
ただし、赤ちゃんが後追いを始める時期や終わるまでの期間には、個人差があります。
このため生後6か月から後追いを始め、2歳を過ぎても後追いをやめなかったりすることもあれば、全く後追いをしないまま成長していく子もいるようです。
後追いしない赤ちゃんは、やっぱり自閉症なの?
先述したように、赤ちゃんが後追いするかどうか、またその期間には個人差があります。
したがって後追いをしないからといって、必ずしもお子さんが自閉症だとは限りません。
赤ちゃんが成長する速度は、生まれ持った体質や本人の性格、家庭環境などに左右され変わってくると言われています。
このため自閉症でなく、心身ともに健康でも、動きたくなかったり他のことに興味を惹かれるなどして、後追いしない赤ちゃんもたくさんいます。
あまり心配をし過ぎず、本人の性格や個性を尊重する気持ちで、見守ると良いでしょう。
一方で、コミュニケーションの困難や他者への関心の低さを代表的な特性とする自閉症の兆候の1つとして、後追いをしないケースがあるということも事実です。
後追いをしないことに加え、成長するにつれ以下のような自閉症特有の兆候が見られるようになる場合は、お子さんが自閉症である可能性も考えられます。
- たとえ親からでも、触られたり抱っこされることを極端に嫌がる
- 赤ちゃんと視線があいづらい、または視線を意識的にあわせてくれないようだ
- 基本的に他人に興味を示さず、人見知りをしないが笑うこともあまりない
- 自分の興味のあることに没頭していて、それを周囲の大人に共有しようとしない
- 驚きや喜びなど、大きく感情が動いたように見えるときも親の方を見ようとしない
赤ちゃんの様子を見ていて「自閉症かもしれない」と不安になるようなら、1人で抱え込まずに、周囲の人や医療・子育ての専門機関に相談してくださいね。
おわりに:後追いをしないだけでは、赤ちゃんが自閉症かどうかはわからない
身近な大人に特別な感情を抱き、いなくなることに不安を感じて後を追いかける行為を「後追い」と言います。これは赤ちゃんの成長過程で発生する行動ですが、いつ頃始まるのか、いつまで続くのかは、赤ちゃんの性格や個性、家庭環境などによって変わってきます。
このため後追いをしないというだけで、自閉症かどうかを判断することはできません。成長を見守りつつ、どうしても不安なら専門の医療・子育て機関に相談すると良いでしょう。
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