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発達障がいということは、本人に伝えた方がいいの?

子育て・教育のヒント

子どもが発達障がいだとわかったとき、両親や周囲の人は本人に伝えるべきかどうかで大きく悩むことでしょう。発達障がいはがんなどの生命に関わる病ではありませんが、治療する病でもないため、本人が一生つきあっていく必要があるからです。
そこで、この記事では発達障がいを本人に伝えた方が良いかどうか、伝える場合はどのように伝えたら良いのかという「告知」についてご紹介します。

発達障がいを本人に伝えることのメリットは?

発達障がいを本人に伝えることで、本人が自分自身のことをよりよく理解できる、ということが本人に伝えることの一番のメリットです。
ただ、発達障がいの短所だけでなく、長所も正しく理解できるように伝え、十分な自己肯定感と自尊心に裏づけられた自信を持って前向きに社会生活・集団生活を送れる、ということが大切です。

発達障がいの人は、その特性上、幼い頃から集団生活の場面で周囲と同じように振る舞えないことから、叱責や非難を受けることが多く、自己肯定感が低かったり、自尊心が育っていなかったりするケースがあります。
これは「自分は悪い子だ」「ダメな人間なんだ」といったように、無意識に自己評価を低く持ってしまっていることで起こります。

もし診断を伝えることでこうしたマイナスの感情を強化してしまっては意味がありません。
くまでも、これまでうまくいかなかったこと、うまくできなかったことは特性上仕方のないことだということを理解してもらい、逆にどうすればうまくいくようになるのかを見つめ直し、そこから先の人生で活かしていくことが重要なのです。

そのためには、以下の3つのポイントに気をつけて伝える必要があります。

  • 本人に最適なタイミングを見計らう
  • 本人にわかる言葉で伝える
  • 本人が納得できるように伝える

最適なタイミングにはいくつかありますが、中でも、自分はほかの人とどうやら違うらしい、と気づきはじめる頃にこうしたことを話してみると良いでしょう。具体的には、以下の4つの時期を迎える前が一般的です。

学童期
周囲の同年代の子どもと違うことに気づきはじめる
思春期
学業や友人関係でつまずき、自尊心が低下することがある
青年期
進学や就職などで、適性に沿った進路選択に悩む
成人期
職場での人間関係や仕事内容で、思うようにいかないことがある

自分の特性について知らないままこれらの時期を迎えると、つまずきの原因がわからないまま「どうして自分はできないのだろう」と自尊心を低下させてしまう可能性があります。

とくに、自分の適性を知るという意味では、青年期より前に知っておけるのが理想と言えるでしょう。

子どもに伝えるときは、どんなことに注意すればいい?

とはいえ、その機会がなく、学校や社会で大きくつまずくことがないようであれば、本人に無理に伝える必要はありません

本人が「どうして自分は同年代の子どもと同じようにできないのだろう」「なぜ友達づきあいがうまくいかないのだろう」と悩んでいたり、日常生活で困っていることがあるようなら、タイミングや言葉を選びながら話してみましょう。

発達障がいの子どもは、自分の特性について知らないまま集団生活を送り、その中でたくさんのつまずきに接すると、できないところばかりに意識が向いてしまい「自分の努力が足りないんだ」「能力がないんだ」と思い込んでしまうことも多いです。このことは落ち込みや無力感にさいなまれ、ときには二次障害として精神的な障害を発症してしまう原因になることもあります。

そこで、つまずきは特性のためであり、ある程度仕方がないので自分を責める必要はないこと、たくさんの長所もあること、できることもできないことも含めてその子の個性であり、努力が足りなかったり能力がなかったりするわけではないことなどを織り交ぜながら、発達障がいの特性について伝えてあげるようにしてみてください。

告知する際の具体的なポイントとしては、以下の3つがあります。

障がいという言い方ではなく、具体的な特性を伝える
  • 「発達障がい」「ADHD」などの病名は、余計に不安を与えてしまうため伝えない
  • 「皆よりも忘れやすい」「新しいことを覚えるのに時間がかかる」など、具体的な特性だけを伝える
  • 本人の努力不足ではないことを強調する
特性があっても、次第にできるようになると伝える
  • 特性=絶対にできない、ではないことを伝える
  • やり方を工夫したり、少しずつ練習すればできることを理解させる
  • 安心感とともに、希望や意欲を持てるように話す
得意なことや長所を合わせて伝える
  • 特性のマイナス面だけでなく、プラス面を必ず合わせて伝える
  • 本人の好きなものや、得意なことなど、良い面をしっかり褒める
  • 子どものありのままを認め、自分に自信が持てるようにする

告知の際には、特性のマイナス面だけでなく、プラス面を合わせて伝えるようにしましょう。また、「障がい」という言い方をすると、どうしても悪いイメージがつきまといます。そのため、「発達障がい」「ADHD」「自閉症」などの病名は伏せ、あくまでも特性を具体的に「人よりも忘れやすい」などと伝えましょう。

また、特性はあっても、絶対にできないことがある子は少ないです。時間をかけたり、やり方を工夫すればできるようになることを伝え、安心感や希望を与えるとともに、意欲を持てるように話せると良いでしょう。

伝えないほうがいいタイミングは?

逆に、伝えてはいけないタイミングもあります。それは、「子どもが失敗したとき、すぐ」です。失敗したときに特性のことを伝えてしまうと、「自分は生まれつきできないんだ」というように、自分の特性を悪いものだ、努力しても仕方ないんだ、というように誤解してしまうことが多々あります。失敗と特性を結びつけることは避けなくてはなりません

発達障がいは、治療したりなくしたりするものではなく、工夫によってうまくつきあっていく個性です。ですから、発達障がい自体を悪いものととらえるのではなく、長所も短所もある個性の1つである、と本人も周囲の人も理解していくことが大切です。

おわりに:無理に伝える必要はないが、つまずきを解消するために伝えることも必要

発達障がいは、がんやアレルギーなどの病気とは違い、生命を脅かしたり、日常の中に危険があるというわけではありません。そのため、本人がとくにつまずいていない、悩んでいないようなら無理に伝えなくても構いません。

しかし、本人が人と違うことで悩み、つまずいているようなら、あくまで「個性」「特性」として具体的に説明してあげると良いでしょう。自分の特性を知ることは、自信を持って前向きに生活していくように伝えてあげてください。

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