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HSPと発達障がいを併発することってある?

人間関係改善のヒント

近年SNSやメディアで、ASDやADHDなどの「発達障がい」、そして繊細さをキーワードとする「HSP(とても敏感な人)」が注目を集めています。いずれもネットで簡易的な自己診断はできますが、「どちらにも当てはまる気がする」「どっちかよくわからない」という人も多いようです。そこで今回は、HSPと発達障がいを併発するケースについてお伝えしていきます。

HSPと発達障がいは併発しない?提唱者アーロン博士の見解は?

そもそも、「HSP(Highly Sensitive Person)」は、「ひといちばい敏感で、繊細な気質」を指す心理学用語です。医学的に診断可能な脳機能の発達障がいである、「自閉症スペクトラム障がい(ASD)」「注意欠陥・多動性障がい(ADHD)」とは異なります。

HSPの提唱者であるアメリカの心理学者・エレイン=アーロン博士は「HSPとADHDは相容れない存在」としつつも、ご自身が発達障がいの専門医ではない立場から、「だが、HSPとADHDが絶対に共存しないとまでは断言できない」とも見解を示しています。

HSPと発達障がいは併発する?-①特徴を把握しよう

まず、HSPと発達障がい(ASD、ADHD)のそれぞれの特徴を見ていきましょう。

HSP

HSPの人は、感受性や共感性が強く、他人の感情を敏感に受け取ってしまうために、気疲れしやすく生きづらいという特徴を抱えています。心理学的には、下記の4つ全てに当てはまる人はHSPに該当するとされます。

①物事を深く考える
物事を深く掘り下げて考える性質があり、1を聞いたら10まで展開を想像できます。そのため、間違った選択をした場合のリスク予測にも長けています。
②刺激に敏感で疲れやすい
周囲からの刺激や情報に敏感なため、大きな音を聞くと動揺したり、人混みに行くと周囲を観察するあまりに疲れやすかったりします。
③共感性が高く、人の気持ちに敏感
相手の表情や声のトーンから気持ちを察知するため、先読みして気疲れしやすいです。辛い思いをしている人を見ると、感情移入しすぎて自分まで辛くなってしまいます。他人と自分との境界線が薄い傾向にあります。
④ちょっとした刺激に敏感
時計の音や日光、少しの臭いなど、普通の人は気に留めないような刺激が気になってしまいます。

アスペルガー症候群(ASD:自閉症スペクトラム障害)

ASDの人は、相手の表情や周囲の空気から気持ちを読み取るのが難しいため、対人関係の構築に困難を抱えることが多いのが特徴です。また、興味を持つ物事の範囲に偏りがあり、その物事への強いこだわりを示す傾向もあります。

注意欠陥・多動性障害(ADHD)

ADHDは「注意欠陥・多動性障害」と呼ばれるように、注意力に欠けて忘れ物やうっかりミスが多い(不注意)、物事や仕事に集中し続けるのが苦手でじっとしていられない(多動性)、思いつくとすぐに行動をしてしまう(衝動性)、という3つの特徴があります。

HSPと発達障がいは併発する?-②具体例

エレイン=アーロン博士は、「HSPとADHDが絶対に共存しないとまでは断言できない」と見解を述べていましたが、実際にHSPとADHD、あるいはHSPとASDを併発している可能性のある人もいます。

そういった人は、ADHDやASDと対するHSPの気質を持ち合わせているので、精神科に行くと「発達障がいとは診断できない」と医師に言われることもあります。

いくつか具体例を挙げてみます。

HSPとASDの併発型の一例

一般的にASDは「人の気持ちが読み取れず、冗談のニュアンスがわからないために、対人関係に支障をきたしやすい」「こだわりが強い」という特徴があります。

しかし、そこまで色濃くASDの特徴が出ておらず、HSPを併発している場合は、「人の気持ちはよくわかるが、コミュニケーションを取るのは苦手で、対人関係を維持できない」「対人関係が崩れると、過去の自分の言動を深く考えすぎて、自己肯定感が低くなってしまう」「こだわりは強いが、周囲の気持ちや都合を優先することもできる」ことがあります。

HSPとADHDの併発型の一例

ADHDの特徴としては、「忘れ物やうっかりミスが多い」「物事に集中するのが難しく、じっとしていられず動き回ってしまう」「思ったことをすぐに行動にうつしたり、発言してしまう」が一般的です。

しかし中には、うっかりミスや忘れ物が多くても、多動性や衝動性が見られない薄いADHDの人も存在します。ここにHSPが重なった場合は、「ミスは多いが、思考を深めてはいるのですぐに行動にうつすことはない」「上司や同僚の機嫌が悪いと、自分のミスが多いせいではとすぐ関連づけてしまう(他人と自分との境界線が薄い)」という状態になります。

HSPと発達障がいの併発で生きづらい時の対処法

HSPは日本で最近話題になり始めたばかりの概念であり、精神科等で正確な診断を受けることが難しいです。さらに発達障がいとHSPを併発している場合は、ASDやADHDの特徴に当てはまらず診断を受けられないことから、生きづらさを抱えてしまうケースも少なくありません。

「どちらにも当てはまる気がするが、はっきりしない」という人は、自分の特性を掴んで周囲に話し、理解者を増やしていくことが大切です。支援の専門家に話を聞いてもらうのも、対処法の1つでしょう。

おわりに:HSPと発達障がいの併発で悩んだら、専門のカウンセラーに相談を

まだ日本ではHSPの概念が取り上げられ始めたばかりで、診断してくれる専門の医療機関が少ないのが現状です。さらにASDやADHDを併発している場合、HSPに当てはまらない特徴も持ち合わせているので、相談先に悩むことでしょう。もし生きづらさで悩んでいる場合は、数は少ないですが、併発型にも詳しい専門のカウンセラーに一度相談して見るといいかもしれません。

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