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パニック障がいになっても仕事は続けられるの?

仕事のアドバイス

パニック障がいとは、突然理由のない強い不安感に襲われ、激しい動悸やめまい・呼吸困難などに襲われることや、そうした発作がいつ起こるのかわからない不安や恐怖にかられてしまう疾患です。

そのため、仕事を続けるのが難しいと感じる人も少なくありません。そこで、治療中に仕事を続けるべきかどうか、注意点や再就職を支援してくれるサービスなどをご紹介します。

パニック障がいの治療中、仕事は休むべき?

パニック障がいは、症状の度合いや完治までの日数、年数などに個人差が大きい疾患です。そのため、治療の負担が大きい、症状が重いという場合には、思いきって休職したり、仕事量をセーブしたりすることも一つの方法として念頭に置きましょう。

パニック障がいを発症する人は真面目で頑張りやなことが多いため、仕事を休むことが不安感や罪悪感につながってしまい、強い落ち込みに襲われてしまうこともあります。ですから、どうするのが良いかを一人で悩まず、職場の上司や、医師・カウンセラーなどに相談してみることが大切です。

パニック障がいの人が苦手とする環境として、通勤・出張・会議・予定外の業務・納期のある業務などが挙げられます。これは学校でも同じことで、通学や社会見学・イレギュラーな授業・大量の宿題などが辛くなることも考えられます。こういった状況は、患者さん自ら「克服するための練習の場なんだ」と思えれば、治療の一環となるでしょう。

一方、なんとかなると思えない、症状が徐々に悪化している、抑うつ症状が現れている、などの場合は無理をしてはいけません。仕事や学校での負荷を減らし、ときには思いきって休むことも必要です。そして、症状が落ち着いてから仕事や学校を少しずつ練習の場として利用していくのが良いでしょう。

職場や学校でパニック障がいのことを伝えるかどうか、悩む人も多いでしょう。できれば最初から共有しておいた方が治療の助けになりますし、何よりもサポートを受けられる可能性が高くなります。誰からも助けてもらえないという恐怖感や不安感も和らぐため、治療もスムーズに勧められます。

一方で、誤解されてしまうことも少なくありませんので、休むかどうかを共有するかどうかの境目にすると良いでしょう。仕事や学校を休む場合は、パニック障がいであること、治療中であることをきちんと伝えましょう。しかし、休まず続ける場合は、無理に共有する必要はありません。もちろん、サポートなどを目的に、休まない場合でも共有しようという患者さんの意向があれば、そうするのが良いでしょう。

パニック障がいで仕事を続ける選択をしたとき、注意することは?

パニック障がいでも休まず仕事を続ける場合、パニック発作が起こったときの対処法をしっかり自分で決めておく必要があります。マニュアル化して持っておくと安心でしょう。例えば、以下のような状況ではパニック発作が起こりやすくなりますので、あらかじめ頓服薬を持っておく、気を紛らす水や飴などを用意しておくなどの対処が必要です。

  • 通勤時の電車内やエレベーターなど、すぐには逃げられない空間の中
  • 会議中に出席者の前で発表しているときや、発言を求められたとき
  • 超過勤務などで、疲労がたまっているとき
  • 当直勤務や高速道路をひとりで運転するときなど、他の人にすぐ交代してもらえない状況下での仕事

不安を感じたときの対処法として、そもそも電車やエレベーターでは出入り口の近くにいる、スマートフォンの操作や読書などに集中して気を紛らせる、「パニック発作で死ぬことはない」「薬を飲んだから大丈夫」などと自分に言い聞かせる、などの方法があります。他にも、親指と人差し指の間にある「合谷(ごうこく)」というツボや、手首の下・腕幅の中央部分にある「内関(ないかん)」というツボが不安の軽減に効果があります。

パニック発作が起こってしまったら、座って頭を抱えるような姿勢になったり、うつ伏せに寝たりしながらゆっくりと腹式呼吸を行い、発作がおさまるまでは無理に動こうとせず、じっと待つことが大切です。パニック発作は長くても1時間と、長時間にわたるものではありませんから、安全な姿勢で発作がおさまるまで待ちましょう。本人がこうした対処を冷静に行えるとは限りませんので、できれば周囲の人に伝え、これらの対処法をとってもらえるようにしておくと良いでしょう。

パニック障がいを発症したときは、休職するかどうかは悩みどころです。症状の程度や現れ方、回復の速度などにもよりますので、働き方に迷ったらまず医師に相談してみましょう。症状によっては医師が休職を勧める場合もありますので、このような場合は無理をせず休職した方が安心です。

一方で、責任感が強く、休職するとかえって落ち込んでしまうリスクが高いと判断される場合には、働き方を工夫しながら仕事を続けた方が良いかもしれません。この場合は、心や身体に負担がかからないよう、過労や睡眠不足を避け、無理のない働き方を医師や上司と相談してみましょう。いずれの場合も、もちろん治療の継続が必要です。

パニック障がいで休職していた人が、復帰する場合はどうしたらいい?

パニック障がいの治療には、少なくとも1年程度はかけることが推奨されています。これは、治療が不十分であると残遺症状と呼ばれるパニック発作のやや弱い症状が残り、さらにそれが長引くことがあるためです。こうした残遺症状を避けるためにも、パニック発作の症状が見られなくなった後もしばらくは薬を服用し続け、医師がもう大丈夫であると判断して段階的に減薬した上で治療を完了します。

一方で、症状がなくなってきたら早めに仕事に戻りたいという人も少なくありません。もちろん、仕事をすることは医師の許可があれば構わないのですが、職場に復帰すると同時に服薬もやめてしまう人がいます。これは非常に危険で、環境が大きく変化するのに投薬を突然やめてしまうことで、パニック発作の症状がぶり返したり、かえって悪化したりする可能性があります。

ですから、職場に復帰するときも、投薬治療が続いているなら必ず医師の指示通りに薬を飲み続けましょう。故意にやめなくても、忙しくて飲み忘れてしまうこともありますので、家族に確認してもらったり、スマートフォンのアラームなどを設定しておいたりすると安心です。

再就職は、どこに相談すればいい?

パニック障がいの治療のために退職した人は、パニック発作への不安感や恐怖感から、また仕事を探すことが難しいと感じてしまうかもしれません。しかし、疾患や障がいのある人でも就職できるよう支援を行っている「就労移行支援」「障がい者就業・生活支援センター」などの機関に相談すれば、その人に合った仕事を紹介してもらいやすいです。

就労移行支援とは、障がいや難病を抱えた人が一般企業での就労に向け、働くための知識や能力を身につけることができるサービスのことです。「障害者総合支援法」という法律に基づいて設置され、利用者は就労移行支援事業所へ通い、求職から就職までのそれぞれの過程で支援を受けられます。

パニック障がいのある人では、体調や症状から派生する仕事上の得意・不得意を自ら理解することで、治療を受けながら仕事を続けていける可能性があります。このように、疾患を踏まえてその人の特性を把握することの手助けも行っています。利用の申し込みは、市区町村の障害福祉窓口で行います。

障がい者就業・生活支援センターでは、障がいや疾患のある人に対し、仕事や生活の支援を行います。全国に300ヶ所を超えるセンターがあり、職業訓練や就職活動の支援などを行っていますので、通いやすい場所に行ってみましょう。

おわりに:パニック障がいになっても、仕事は続けられる可能性がある

パニック障がいは、症状の程度や完治までの日数などに個人差が大きく、症状の軽い人では仕事を休まず治療を続けることもできます。一方で、症状が非常に重く、集中して治療する必要がある場合は、休職も視野に入れましょう。

仕事を続ける場合は、不安感やパニック発作が起こったときの対処法を決めておきましょう。マニュアル化して持っておくと安心です。また、薬の飲み忘れがないよう注意しましょう。

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