ADHDの子どもの接し方のコツとは?

多動性・衝動性・不注意の特性を現すADHDの子どもたちに接する際には、特性にあわせた配慮が必要です。
今回はADHDの子どもへの接し方のコツについて、男女別の特性の現れ方の違いや、NGとなる言動とあわせて、解説していきます。

ADHDの子どもの特徴は男女で違うの?

ADHDには多動性・衝動性・不注意の3つの特性が、顕著に現れるとされます。
多動性・衝動性・不注意は、以下のような症状として子どもの行動に現れるのです。

ADHDの多動性
  • 落ち着きがなく、じっとしていられないで授業中・食事中も立ち歩く
  • 貧乏ゆすりをしたり、手や足で何かをいじったりして常に体を動かしている
  • 手足を動かしていなくても、常に紙をいじっている
  • 外に食事に行くと興奮し、保護者がハラハラするほどはしゃぐ
  • 高いところから飛び降りるなど、危険な遊びが好きでケガをしやすい
  • 普段からよくしゃべり、読書や静かに遊ぶことがとにかく苦手
ADHDの衝動性
  • 先生に当てられる前に答えたり、質問や話しを途中で遮ってしまう
  • 他の子どもと共有の遊具やおもちゃを使う順番を待てず、横入りしてしまう
  • 他の子どもの邪魔をしたり、過度に干渉してしまうクセがある
  • 何事にもすぐ反応し、腹が立つとすぐ手が出てしまう
ADHDの不注意
  • いつもやっている歯磨きや手洗いなどを忘れがちで、きちんとできない
  • 何をどこに置いたかをすぐ忘れてしまうため、忘れ物が多い
  • 宿題など、嫌なことを後回しにしがちで、始めてもなかなか進められない
  • 数時間後の約束や、明日の予定などにあわせた先を見越した行動ができない
  • 丁寧に字を書くことが苦手で、学校で書くノートはいつも乱雑
  • 音に敏感なため、学校で勉強していてもすぐ反応して集中が切れてしまう

家や外出先、学校など2か所以上の場所で上記のような症状があり、周囲の大人・子ども本人が不自由さや困難を感じている場合、ADHDの可能性が高いと考えられます。
またADHDによる症状の現れ方には、同じ特性でも男女で性差があるとわかっています。

ADHDの男の子の場合、多動性が強く現れる「衝動性優勢型」になることが多いです。
このタイプはリーダーシップに富み、周囲をぐんぐん引っ張っていきますが、我慢や順番を守ることが苦手なところがあるため「ジャイアン型」とも呼ばれます。

また反対に、不注意が強く現れる場合には、忘れものが多くて飽きやすく、集中力が続かなくてなかなか親や先生の指示に従えない「のび太型」になることも。
そして、多動性・衝動性・不注意の特性を併せ持つ混合型も見られるとされます。

ADHDの女の子の場合は、不注意が強く現れる傾向があります。
基本的にはおとなしく、話し方も行動ものんびりした印象でクラスでも目立たない存在ですが、何か問題が起こると原因を周囲のせいにすることが多いです。
これは、男の子の「のび太型」にも共通する特性であり、人の気持ちを慮ることのできる優しさ、気立ての良さも持ち合わせています。

ADHDの子どもと接するときのコツは?

困りごとの起こりやすいシーン別に、ADHDの子どもと接するときのコツをまとめました。
以下を参考に、ADHDの子どもとの接し方を工夫してみましょう。

やらなければならないこと、ルーティーンができないようなら…

物事をきちんとできたらシールをあげるなど、やらなければならないことをできたときのご褒美を、わかりやすいかたちで提示してあげましょう。
一度できても、またすぐに忘れてできなくなることもありますが、ご褒美をうまく使い、何度も繰り返し教えてあげてくださいね。

できないことが多く、イラだってしまうときは…

叱責や挫折の経験は、子どもの心に深い傷を与え自己肯定感を低くしていきます。
できないことに目を向けて叱責するのではなく、できることに目を向けて「ちゃんとできてえらい!」「頑張ったね!」などと、しっかり褒めるクセをつけてみましょう。

逆に失敗してしまったときには、叱責ではなく「また次、頑張ってみようね」「失敗しても大丈夫だよ」と声をかけ、励まし自尊心を育ててあげてくださいね。

衝動性が強く、暴力的な言動が見られるようなら…

忍耐が苦手で、気分を害されると不快感を爆発させ衝動的に手が出てしまう子どもには、話し合いで解決することを教えなくてはなりません。

このタイプは、言葉をうまく使えないために暴力に至ることも多いので、家庭内で「ありがとう」「ごめんね」「いいよ」などの言葉を使い、コミュニケーションを取ってみましょう。
他にもADHDの子ども本人の年齢にあわせて、以下のような工夫をすると効果的です。

就学するまでの、幼児期

外でしっかりと体を使って遊ばせ、衝動性や多動性を発散させてあげましょう。
遊ぶ様子を観察することで、子どもがどんな遊びに興味を持っていて何が好きか、特性の傾向などを見極めるのに役立ちます。

小学校に上がってから

集団生活が始まり、やりたくない宿題や、忘れ物や遅刻をしないよう強く求められるようになる就学後には、ADHDが原因の困りごとも顕著になってきます。
先生や子どもと同じクラス、部活の親と積極的に関わりを持って仲良くなり、子どもの特性ゆえの困りごとをカバーできるようにしましょう。

中学校に上がってから

思春期になると、子どもは親の保護や指示を受けることを嫌い、親から離れようとします。
しかし同時に、課題の期限内での提出や地道な勉強、さまざまな人との接触などADHDの子どもが苦手とするシーンが増えてくる時期でもありますよね。

自立したがるからと放っておくと、子どもが1人で困りごとを抱えてしまうかもしれません。親は命令ではなくアドバイスという口調で、子どもをサポートしてあげましょう。

ADHDの子どもにしてはいけない言動は?

ADHDの子どもと接するうえで、絶対にしてはいけない言動は以下の3つです。
下記の3つのタブーを犯すことなく、本人の特性やペースにあわせて、根気強くADHDの子どもに接してあげましょう。

体罰

親や周囲の大人への信頼を崩し、憎しみを生む体罰は絶対にやめてください。また暴力を受けて育ったADHDの子は、他者へも暴力をふるいやすくなります。

暴言

「どうしてできないの」「そんなだからダメなんだ」「いい加減にして」「きらい」などの言葉は、言葉の暴力です。これらの言葉は子どもを深く傷つけ、落ち込ませます。

悪意を疑わない

ADHDの子どもは、すぐバレる嘘をついて親を困らせることも多いです。これに悪意があると思わず、本人なりの理屈があっての不器用な行動だと受け止めてあげてください。

おわりに:ADHDの子どもには特性・性差に配慮して接してあげて

ADHDの子どもには多動性・衝動性・不注意の特性が現れます。特性によってどのような症状が現れるかには個人差・性差があり、男の子では衝動性が、女の子には不注意が特に強く現れやすいことがわかっています。このためADHDの子どもに接するときは、本人に現れている特性・症状をよく見極めて、その子に合った接し方をしていく必要があります。本記事を参考にタブーを守り、適切な接し方ができるよう努力してみてくださいね。

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