子育て中は、子どもに「してはいけないことを理解してもらう」ことが大切ですが、教育やしつけでは、「子どもを叱る」「子どもに毅然とした態度で接する」という点で悩むこともありますよね。避けたいのは、行き過ぎたしつけが「体罰」「虐待」となってしまうこと。
特に、自閉症のように子どもに特性がみられる場合は接し方に工夫が必要といわれています。親や教育者が、自閉症の子どもと良好な関係を築いて成長するためにはどんなポイントがあるのでしょう。
令和一年に発表された体罰と虐待の実態とは?
子どもへの暴力は、身体的なダメージのほかこころにも大きな傷を負わせてしまいます。特に、大人から子どもへと暴力が振るわれる「体罰」「虐待」は阻止したいものです。
教育現場における体罰は度々ニュースなどで取り上げられ、体罰ゼロに向けて各学校や自治体などが取り組んでいます。
令和1年12月に「体罰の実態把握について(平成30年)」が発表されました。
この調査によると、公立・国立・市立の小中高での体罰発生率は
- 小学校(0.86%)
- 中学校 (2.39%)
- 高等学校 (5.11%)
でした。また、厚生労働省が公表した「平成30年度の児童虐待相談対応件数」
は、15万9850件。平成29年に比べて、2万6072件(19.5%)増の過去最多件数となりました。
対応件数の内訳は、次のように報告されています。
- 心理的虐待 88,389件(55.3%)
- 身体的虐待 40,256件(25.2%)
- ネグレクト 29,474件(18.4%)
- 性的虐待 1,731件(1.1%)
自閉症の子どもの特徴って?
今回紹介するセミナーは、「バトンタッチ講演会~科学的根拠に基づく自閉症支援~生涯を通して発達を支える」の第二部です。自閉症の子どものいる家庭や学校関係者にとって関心の高い内容になるでしょう。
自閉症は、2013年のアメリカ精神医学会の診断基準発表と同時期に、「自閉症スペクトラム障がい」という名前で呼ばれるようになりました。
自閉症の原因は生まれつきの脳機能障がいと考えられています。
自閉症の特徴
- コミュニケーションが続かない
- 親を含めた他者に興味が薄い、またはほとんど興味を示さない傾向もある
- 会話や行動に反復が多い
- 特定の物事への強いこだわりがみられる
- 興味の対象が非常に限定的である
- 感覚過敏または感覚鈍麻がみられる
- 言葉の発達がゆっくりである
- 他人の手を取って物を取ろうとする「クレーン現象」がみられる
上記のような特徴がみられ、またそのことが知的障がいが原因であるとは考えにくい場合は自閉症の可能性があります。
特に人とのコミュニケーションについて、みんなと同じことに関心を持たない、自分のこだわりが強い、コミュニケーションが一方的になる傾向があることから、対人関係の悩みやトラブルが発生しやすいのも特徴です。
家族関係では、教育やしつけで悩みを抱える保護者は少なくありません。困ったときは専門家に相談したり、プロならではの視点による意見を聞くこともヒントになります。
2020年11月7日に「罰なき学級・罰なき学校・罰なき家庭をつくる「学齢期のポジティブ行動支援」オンライセミナー」が開催されます。このセミナーは、講演者の大久保賢一先生による「バトンタッチ講演会~科学的根拠に基づく自閉症支援~生涯を通して発達を支える」の第二部です。
「ポジティブ行動支援」って?オンラインセミナーの内容は?
自閉症の子どもに関わる人におすすめなのが、「罰なき学級・罰なき学校・罰なき家庭をつくる「学齢期のポジティブ行動支援」オンライセミナーへの参加です。
オンラインセミナー「学齢期のポジティブ行動支援」
講演者:大久保賢一先生 (畿央大学教育学部准教授、日本ポジティブ行動支援ネットワーク会長)
日程:2020年11月7日(土)19時から21時オンラインライブセミナー
※11月末まで、オンラインライブセミナーの録画をYouTubeで限定配信しますので、ライブに参加できない方でも視聴していただけます。
ポジティブ行動支援(PBS)とは
当事者のポジティブな行動を支援するための枠組み。ポジティブな行動とは、本人のQOL向上や本人が価値あると考える成果に直結する行動を、ポジティブに(罰的ではない肯定的、教育的、予防的な方法)行うことをいいます。
(日本ポジティブ行動支援ネットワークHP参考)
今回の講演会は「バトンタッチ講演会~科学的根拠に基づく自閉症支援~生涯を通して発達を支える」の第2部です。
「バトンタッチ講演会~科学的根拠に基づく自閉症支援~生涯を通して発達を支える」
生涯にわたる発達支援をテーマとして、それぞれのライフステージで起こりうる課題と、支援の実際について、「幼児期」「学齢期」「青年期」「成人期」それぞれのライフステージに応じて、専門の先生の講演を聞くことができます。
【青年期】
開催日:2020年12月12日(土)
講演者:山田智子先生 (一般社団法人 SSTAR 代表理事、小児発達学 博士、UCLA PEERS® Certified Provide)
【成人期】
開催日:2021年1月中に動画配信の形式(1ヶ月程度視聴可能)の予定
講演者:池田浩之先生 (兵庫教育大学大学院学校教育研究科人間発達 教育専攻臨床心理学コース助教、兵庫県労働局 発達障害専門指導監)
※第1部「幼児期の支援」は終了。
オンラインセミナー「学齢期のポジティブ行動支援に参加する方法
11月7日(土)のオンラインライブセミナーへ参加する方法と、後日配信される録画を視聴する方法があります。録画視聴は11月末まで可能の予定です。
参加費
一般: 5000 円
学生: 1000 円
11月7日のオンラインライブセミナー参加の場合は、当日までに参加費を支払ってください。
おわりに:自閉症の子どもの教育を前向きにしていくためのヒントに!
子育てに悩みを抱くことは珍しくなく、決して悪いことではありません。子どもに対してどんな接し方がいいかを考えるヒントとして、セミナーや講演会で専門家の意見を聞くとためになりそうですよね。ひとりで悩まず、いろいろな意見を聞いてみてくださいね。
主催団体
主催:一般社団法人パーマネント・クリエイティブ・マインド
後援:日本公認心理師ネットワーク
(画像:PRTIMES)
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