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ADHDに多い「マインドワンダリング」って?

発達障がいの基礎

発達障がいのうちADHD、注意欠如多動性障がいには、特に「マインドワンダリング」という現象が起こりやすいとされます。

今回はマインドワンダリングとは何か、マインドワンダリングによるメリット・デメリットと一緒に理解していきましょう。

マインドワンダリングとは?

いま、目の前にある環境や出来事に集中できず、無意識のうちに始まる考え事・妄想に飲み込まれてしまう状態をマインドワンダリングと言います。

例えば、以下のような状態がマインドワンダリングにあたります。

  • 取り組むべき課題や仕事があるのに、楽しい空想の世界に捉われてしまう
  • 先生や上司から怒られているのに他のことを考えてしまい、言われた内容が頭に入らない
  • 仕事中、ふと集中が切れたときに、過去にあった嫌なことが鮮明に思い出される など

マインドワンダリングは、発達障がいのうち不注意・多動性・衝動性の特性を持つADHDの人に発症頻度が高いと言われる症状です。

仕事中にマインドワンダリングが起こると、上司からの指示や叱責内容を覚えていられない、仕事が進まずマイナスなことばかり思い出される、という状態に陥ります。

怒られた記憶により気分が落ち込み、言われたことを覚えていられずにまた怒られ、怒られたらどうしようと強い不安に襲われるなど、マインドワンダリングは、ADHDの人の精神を徐々に追い詰め、やがてうつなどの二次障がいを引き起こす原因ともなるのです。

マインドワンダリングにもメリットがある!?

思考が独り歩きし、社会生活に困難を生じさせるマインドワンダリングですが、メリットもあります。

突如勝手に、それも無制限に思考が広がっていくということは、それだけ発想が柔軟で流暢だと言うことです。つまり、まだ世の中に存在せず他の誰も思いつかないような発想ができる、クリエイティブな思考力を持っているということになります。

例えば、過去に「天才」と呼ばれた野口英世などの研究者、モーツァルトやマーク・トゥウェインなどの芸術家にも、マインドワンダリングが見られたと言われています
マインドワンダリングは、ADHDの人に「創造性」というかけがえのない才能も与えてくれるのです。

まずは困難をもたらす症状ではなく、創造性をもたらす才能、大きな強みの1つとしてマインドワンダリングという個性を受け入れてみてください。
そして自らの強み・才能を活かせる仕事を選べば、あなただけの生きる道が見えてくるでしょう。

おわりに:ADHDに多いマインドワンダリングは、クリエイティブな思考を助ける才能ともなる

目の前のことに集中できず、無意識に始まった思考に意識を持っていかれる状態を、マインドワンダリングと言います。特にADHDの人に発症頻度が高い症状です。思考内容は人によってさまざまで、空想の世界や物語の妄想や、過去の嫌な出来事への振り返りなどが挙げられます。ときに社会生活に重大な困難をもたらすマインドワンダリングですが、創造性という才能も与えてくれます。個性の1つとして、前向きに受け取りましょう。

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