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大人のADHDの薬の種類は?副作用の心配はある?

発達障がいの基礎

ADHDは子ども特有の障がいだと思っている人もいますが、大人になってからも注意散漫や多動の症状が続いたり、自分がADHDだと成長してから気づくこともあります。
大人のADHDを治療するとき、どんな薬を使うのでしょうか?医師から処方される薬について説明しますので、これから治療を考えている人は参考にしてくださいね。

大人のADHDは改善可能?治療のゴールはどこ?

病気やケガなどによる症状を治療するときは、その症状が治ることが治療のゴールです。体の症状はわかりやすいので、治ったかどうかも目に見えてわかりやすいのですが、ADHDなどの心の症状の場合は誰にでもわかりやすいものではありませんよね。

そこで、心の症状の場合は、治療のゴールをしっかり理解してスタートしておくとより効果的に治療を進めることができます。

大人のADHDの治療のゴールは「職場や家庭での悪循環を良い循環に変化させ、本人が自信を取り戻して自分の特性と向き合い受け入れ、充実した社会生活を送れるようになる」ということです。
ADHDの症状・特性をなくすことだけが治療の目標ではなく、その人それぞれの環境や症状に合わせて、良い状態で社会生活を送れるようサポートしていくことも含めて治療となります。

そのために大切なポイントは、2つあります。

  • 自分の生活の中で困っているポイントを理解し、対処方法を身につけていく
  • 周囲の人の中から理解者、サポートしてくれる人を得る

自分の生活や性格を見つめ直すことも、周囲の人に理解を求めることも、すぐにはできないかもしれません。
しかし、治療を進めていくうちに症状が軽くなったり、特性のよいところを上手に日常生活の中で活かすようになってくれば、悪循環を減らし、良い循環を作っていくことができます。

こうやって治療を進めていくると、少しずつ成功体験を積むことができ、対処方法や理解者も増えていくはずです。

大人のADHDの治療はカウンセリングと薬が中心

大人のADHDの治療方法は、主にカウンセリングなどの心理面・社会生活面からのアプローチと、お薬による身体面からのアプローチの2つがあります。
基本的にはカウンセリングによって、日常生活の中で対処を行えるようアドバイスしていくことになりますが、必要に応じてお薬による治療も併用していきます。

具体的には、以下のような順番で進めていきましょう。

  1. 評価・診断…生活で困っていることを伝えます。子供の頃から症状に悩まされていた場合はそれも伝えましょう。
  2. 治療の開始…まず、カウンセリングとアドバイスを行います。日常生活の困難を改善するために、対処の方法を医師と一緒に考えていきます。
  3. お薬による治療…心理的・社会的な治療の進みとともに、必要があれば組み合わせて行います。
  4. 治療期間…日々の生活の中で、改善できた点や自分の良い変化を成功体験として自覚し、自信につなげていきます。
  5. 治療の終了…生活で困っていたことが改善し、さらに本人の力でその良い循環を維持できると判断できれば、治療は一旦終了します。

生活で困っていた状態、悪循環が減るまたはなくなり、良い循環を保てるようになってきたら、まずは今後の治療が必要かどうかを再検討してください。

お薬による治療を併用している人は、突然飲むのを減らしたり止めると副作用が出る可能性もありますので、医師と相談しながら時期を見て飲むのを止める、減らすなどの処置をしていきましょう。

さらに様子を見て、ご本人が自分一人で生活をしていけるという自信がつくとともに、周囲にも充分な理解者やサポートしてくれる人が得られたとなれば、医師と本人の相談の上で治療を終了できます。
もし、環境や状況が大きく変化して再び状況のコントロールができなくなった場合でも、もちろん再び治療を受けることもできます。

薬を使って症状は緩和される?副作用のリスクは?

ADHDの身体的な原因として考えられているのが、神経伝達物質が足りなくて情報伝達が充分にできず、ADHDの症状が現れているのではないかということです。

神経伝達物質として考えられているのは「ノルアドレナリン」や「ドパミン」で、これらが体の中に充分存在できるよう、「選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害剤」と「中枢神経刺激剤」を使います

「選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害剤」は、名前の通り「ノルアドレナリン」が神経細胞に再度取り込まれるのを防ぐことで、ノルアドレナリンが体内に充分存在した状態を保つお薬です。

「中枢神経刺激剤」は、再取り込みを阻害するとともに、神経伝達物質の放出を促す作用もあり、両方の効果から神経伝達物質が充分存在できるようにするお薬です。

これらの薬による副作用としては、以下のようなものが考えられます。

  • 吐き気・食欲減退
  • 喉が渇く
  • 頭痛

副作用の症状は飲み始めに現れることが多く、体がお薬に慣れていくにつれて落ち着いていくことが多いです。
ただ、副作用には個人差がありますので、これらに当てはまらない症状が出ることもあります。症状がひどいときや、他にも気になる症状が出てきた場合は、すぐ主治医に相談しましょう。

お薬は、一生飲み続けるとは限りません。お薬を飲まなくても精神的なサポートや対処だけで充分生活が維持できるようになれば、お薬を止めても構わないと判断される場合もあります。
もちろん自己判断でお薬をやめるのは危険ですので、薬を止めるときはかならず主治医と相談し、医師の指示に従ってお薬を減らしたり止めたりしましょう。

コンサータ®︎とストラテラ®︎ってどんな薬?

現在、大人のADHDに対するお薬として認められているのは「コンサータ®︎」と「ストラテラ®︎」の2種類です。コンサータ®︎は「中枢神経刺激剤」の一つで、「メチルフェニデート」が有効成分です。ストラテラ®︎は「選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害剤」の一つで、「アトモキセチン」が有効成分です。

コンサータ®︎の使い方や副作用って?

コンサータ®︎は、神経伝達物質である「ドーパミン」「ノルアドレナリン」のどちらにも作用し、体内の濃度を増やすお薬です。大人のADHDに使う場合、18mgから始めて徐々に54mgまで増やすことができます。副作用で不眠になることがあるので、朝に使います。即効性があり、後述するストラテラ®︎の効果が出るのを待ちきれないような場合に特に有効です。

コンサータ®︎の有効成分である「メチルフェニデート」は依存性の強いお薬なので、減薬しづらくならないよう、長く使い続けることも含めて使うかどうかはよく検討する必要があります。また、その他にも副作用が比較的強いこと、夕方以降には効果が切れやすいことなどにも注意しなくてはなりません。

ストラテラ®︎の使い方や副作用って?

ストラテラ®︎は、神経伝達物質のうち「ノルアドレナリン」に作用し、体内の濃度を増やすお薬です。大人のADHDに使う場合、40mgから始めて徐々に120mgまで増やすことができます。
依存性がないので減薬・中止の判断も行いやすく、初期にお腹の不調やめまい・吐き気などが出ても継続して飲み続けるうちに慣れられることが多いため、コンサータ®︎と比べると安全に使うことができます。

反面、効果が出るのが遅く、4〜8週間程度はかかるため、実感しにくいこと、そして薬代が高いことが難点です。
たとえば、80mgを1ヶ月処方してもらうと、3割負担でも1万円弱の薬代がかかります。そこで、お薬を長期使用するのかどうか、即効性が必要かどうか、などの観点からストラテラ®︎を使うかどうかの判断をすることになります。

ADHDの治療での薬の取り入れ方

お薬を使って治療する場合、基本的にはどちらか片方の薬を使って治療していきますが、必要な時は2つを併用して使うこともあります。また、長期的にお薬を使うことになっても構わないよう、依存性の少ないストラテラ®︎から始めることが多いです。

心理的・社会的な面からのアプローチも重要です。メインは日常生活の中で自分なりの対処法を見つけていくことですから、お薬はあくまでも補助的な方法とし、

ADHDの特性を活かしながら、日常生活の中で上手に折り合いをつけていくよう訓練していくことが大切です。

おわりに:大人のADHDの治療には、補助的に薬を使うこともある

大人のADHDの治療とは、最終的に「社会生活の中で、自分の特性と上手に折り合いをつけていく」ということが目標です。
つまり治療の目的のメインはカウンセリングやアドバイスをもとに、ひとりひとりの環境や性格、状況に合った対処法を学んでいくこと。

お薬は、必要があれば併用する補助的な治療法です。依存性のないストラテラ®︎から始めることが多いですが、医師の判断によってコンサータ®︎を使うこともあります。
どの方法がいいかは、医師と相談しながらじっくり決めていきましょう。

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