「カサンドラ症候群」は、アスペルガー症候群などコミュニケーション上の困難を生じる人の家族・パートナーが陥りやすいとされる疾患です。
今回はカサンドラ症候群のなりやすい人の特徴や、代表的な症状、カサンドラ症候群かどうかをセルフチェックするためのリストをご紹介していきます。
カサンドラ症候群になりやすい人は?
以下の条件に当てはまる人は、カサンドラ症候群を発症しやすいと言われています。
- 真面目で几帳面、忍耐強く面倒見の良い、完璧主義の性格の人
- 発達障がいのある人の恋人やパートナー、または夫婦
- 発達障がいのある人の親、兄弟などの家族
- 発達障がいのある人が働く職場の直属の上司、親しい同僚 など
なおアスペルガー症候群などの発症者が男性に多いことから、カサンドラ症候群はそのパートナー・家族である女性の方が、発症例が多いことがわかっています。
上記のような日常的に当事者に接する人たちは、発達障がいの人が社会性の維持のために緊張していない、素の状態に触れる機会がどうしても多くなりますよね。
このように「気を許した間柄」であるほど、発達障がいの人は自覚なく社会性に欠けた言動を繰り返し、パートナーや周囲の人を追い込んでしまうことがあります。そして周囲のパートナー・家族が社会性に欠けた言動を受け入れようと努力し続け、やがて心身ともに疲弊することで、カサンドラ症候群になってしまうのです。
カサンドラ症候群のチェックリスト
カサンドラ症候群になると、心身に以下のような症状が現れてきます。
- 身体症状
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- 寝付けない
- 眠りが浅いなどの睡眠障がい
- ホルモン値の異常
- 高血圧
- 免疫力・抵抗力が下がることによる体調不良
- がんの発症 など
- 精神症状
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- 気分障がい
- 抑うつ状態
- 感情の喪失
- 自己肯定感の低下
- 自己の消失 など
以下に、カサンドラ症候群かどうかを判断する目安となるセルフチェックシリストをまとめていますので、確認してみてくださいね。
- 心身ともに疲れ果て、崩壊の寸前という気がする
- 頭の中は「絶望」「無理」「困難」「真っ暗」などの暗い言葉でいっぱいだ
- 周囲に相談しても理解してもらえず「子どもや夫はそんなもの」と言われてしまう
- 相手の常識が普通であり、自分の価値観や行動こそ異常なのだと言い聞かされている
- 離婚などで当事者から離れたいが、経済的理由などから無理だと感じている
- 無気力感や不安、恐怖を強く感じており、動けない
- 当事者からの要求にこたえられず、震えたりパニックの発作を起こしたことがある
- 自尊心をなくし、さらに相手に自分の気持ちが届かないことが辛く自分が消滅したようだ
- 報われない支援の日々に絶望する一方で、当事者を1人にすることに強い罪悪感がある
- 辛い想い、ひどいことがたくさんあったような気がするが、よく思い出せない
- 物理的に当事者と距離を置いているときでも、思い出すと怖く震えが止まらなくなる
- これまでの人生を振り返ると悲しい、後悔、辛いなどの気持ちでいっぱいになる
上記に3つ以上当てはまる場合は、カサンドラ症候群の可能性があります。
原因であるアスペルガー症候群など、発達障がいの当事者と物理的に距離を置くことも視野に入れ、自身を労わり治療するべきだと考えましょう。
おわりに:支援に対し心身ともに疲れ切っているようなら、カサンドラ症候群かも
カサンドラ症候群は、アスペルガー症候群などコミュニケーションに困難を生じる、発達障がいの人の家族・パートナーが多く発症する病気です。特に真面目で忍耐強い女性に多いとされ、発達障がい当事者の言動を受け入れ、支援し続けようとするあまり心身の調子を崩してしまいます。発症すると心身にさまざまな症状を表すので、カサンドラ症候群の可能性を感じたら、自分の心身を守ることを最優先に回復の方法を考えてみましょう。
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