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EdTechで教育がどんな風に変わっていく?多忙な教員の助けになる?

子育て・教育のヒント

新しい技術はあらゆる分野にイノベーションをもたらしています。「フィンテック(金融・テクノロジー)やアグリテック(農業・テクノロジー)などを聞いたことがあるかもしれません。テクノロジー(Technology)で教育分野を発展させようという動きを、「EdTech(エドテック)」と言いますが、教育分野でどんな変化が起きているのでしょう。

この記事では、EdTechを進めるサービス・すららネットと学校法人浪速学院による「EdTechによる働き方改革のための学び方改革」について紹介します。

EdTech(エドテック)とは?

EdTechとは、教育(Education)と テクノロジー(Technology)を組み合わせた造語です。スマートフォンやタブレットを使用した学習など、デジタル技術やICT(情報通信)技術を活用して教育の仕組みを発展させるビジネスやサービスを指します。たとえば、EdTechには次のような特徴があります。

オンライン学習
インターネットを通じて自宅などで授業に参加可能で、学校に登校しなくても学習を受けられます。アメリカなどの大学で実施され、人気となったMOOC(Massive Open Online Course)もオンライン学習です。
アダプティブラーニング
学習者の進捗や理解度に合わせて、学習内容を最適化します。EdTechでは学習の記録は基本的にデータ管理されますので、テスト結果や進捗を蓄積し分析することが可能です。画一的な教育ではなく、一人ひとりのデータを元に、最適な学習を提供します。

都会と地方では学習機会に格差が生じることが多いのですが、EdTechによっていつでもどこでもさまざまな教育を受けられるようになると、教育格差の解消につながります。IT技術の進化のおかげで、オンライン学習などにかかる環境整備のコストが低くなってきました。そのためEdTechには、家庭の収入による教育格差の解消も期待されています。

教育現場がEdTechを取り入れることで、教育の効率化と人材不足の解消を促すことができると考えられています。生徒の学習の進捗などをシステムで管理すると、書類作業を減らせるでしょう。教室や学校に通勤することが難しい人材でも、インターネットを介した授業であれば授業を担当可能です。

EdTech教材「すらら」を活用中の教員に対するアンケート調査

EdTechを実際に提供しているサービスに対して、どのような反応が起こっているのでしょう。EdTech教材を開発している株式会社すららネットと、EdTechを取り入れている浪速学院の共同のもと、教員に対する調査が行われました。

株式会社すららネット
「教育に変革を、子どもたちに生きる力を。」を企業理念とし、アダプティブな対話式 ICT 教材「すらら」を提供しています。国内の代表的な EdTech スタートアップ企業のひとつとして成長し、2017年には東証マザーズに上場しました。教材「すらら」の特徴は直感的なインターフェースで視覚的にわかりやすい学習教材であること、個別最適化が可能であること、生徒の学習状況をシステム上で一元管理できることなどです。
浪速学院
2016年にChromebookを120台導入し、以降積極的にEdTechを進め、2020年9月からは全学年でChromebookを活用しています。すららネットのサービス「すらら」を反転授業やテスト前演習、アダプティブラーニングの教材として活用中です。

EdTechに関する調査の目的と調査結果

浪速学院でEdTechの活用が急速に広がるに伴い、EdTechの活用が教員の働き方改革にどのような影響を与えているか、課題はどこにあるのか、といった実証を目的としてアンケート調査が実施されました。

業務負担が減ったと感じた教員の割合

「すらら」を利用していない教員の「業務負担が減った」「少し減った」の合計が9%であったのに対し、「すらら」を利用している教員の「業務負担が減った」「少し減った」の合計が42%であることがわかりました。

業務負担が増えたと感じた教員の割合

「すらら」を利用していない教員の「業務負担が増えた」「少し増えた」の合計は50%でした。一方、「すらら」を利用している教員の「業務負担が増えた」「少し増えた」の合計は14%でした。
すららを利用した場合、小テストを紙での実施から「すらら」に置き換えているため、作問、印刷、配布、採点、返却といった作業を効率化できることが影響していると考えられます。また、生徒の宿題提出を「すらら」に置き換えることにより、宿題の提出やチェックを教員管理画面上で一元管理でき、業務負担を軽減できたのでしょう。

EdTech教材の活用年数と業務負担の関連性

EdTechの活用年数が2年以上の教員の「業務負担が減った」という回答は13%でした。EdTech活用2年未満の教員の「業務負担が減った」は、0%という回答結果になりました。この調査結果から、EdTech導入による業務負担軽減を実感するには、ハード・ソフトの操作への習熟や活用スタイルの定着までに一定の時間を要すると言えるでしょう。

調査概要

調査名:「EdTechによる働き方改革のための学び方改革」
回答者:学校法人浪速学院教員(回答件数102件)
実施期間:2020年11月26日~12月2日
調査概要:Googleフォームを用い、EdTech利用有無と活用方法、業務負担の増減、活用用途、活用頻度等につき選択式、自由回答式で質問
調査項目:「授業等でのEdTech利用頻度よく利用するEdTechツール」「EdTech利用目的」「EdTech利用期間」「EdTech利用による業務の負担(量)の増減・時間数(小テスト等の作問採点/宿題等の提出物/校務)」「EdTech活用は働き方改革につながるか/つながると思う具体的なツール名」「今後のEdTech活用に向けた意見」

EdTechを使用している教員が感じる課題感

今回の調査を企画した浪速学院で働く先生から、下記のコメントが発表されています。

下園晴紀先生(浪速学院)
本校において「すらら」を有効に活用している教員はもう3年以上EdTechを活用している教員です。学校教育の現場において既存の板書中心の授業から「すらら」などのEdTechを融合させる授業に変容していくには時間と「慣れ」が必要となります。どのような場面で板書をし、どのような場面でEdTechを活用するか。そのバランスをうまく取ることができるようになれば、授業準備の軽減や働き方改革につながってくると感じています。
EdTechを有効に活用する教員は、「Teacher」としてだけではなく、「Facilitator」として生徒たちに接していく必要があると考えています。今のEdTechの流れが止まることはないでしょう。その流れのなかで生徒だけでなく我々教員も今変化の時を迎えているのではないでしょうか。

EdTechの活用を積極的に進めている先生が現場で感じている課題として、教員らがシステムに慣れてデジタル技術やICT技術のメリットを実感するまでに、数年スパンの時間を要することが伝わってきますね。新しいシステムの導入には、マニュアルやルールの整備、生徒へのガイダンスなどの対応も必要です。EdTechが現場の先生や生徒たちにとってよりよいシステムに進化していくことに期待しましょう。

おわりに:EdTechは教員の働き方改革や学習者の格差解消に期待大

EdTechには、今回の調査でもわかるように教員の負担軽減や業務の効率化が期待されます。学習者にとっては教育格差解消というメリットもあるでしょう。今後はさらに多くのサービスが開発されたりアップデートされていき、EdTechが当たり前いなるかもしれません。EdTechがどのように展開していくか注目してくださいね。

株式会社すららネット
「教育に変革を、子どもたちに生きる力を。」を企業理念とし、アダプティブな対話式 ICT 教材「すらら」を提供。全国の有名私立中高や大手塾での活用が展開中。さらに発達障がいや学習障がい、不登校、経済的困窮世帯を含む生徒に学習の機会を提供するなど日本の教育課題の解決を図っている。国内の代表的な EdTech スタートアップ企業として2017年に東証マザーズに上場。

浪速学院
1923年に開校し、2023年には創立100年を迎える、神社神道を根本義とする学び舎。EdTechの導入に力を入れており、2016年度に初めてChromebookを120台導入。その後2017年度に中1、2018年度に中1、中2、2019年度に中1~中3、2020年度に中1~高1、さらに2020年9月からは全学でChromebookを活用。Google Classroomを使用し、協働学習のためのスライドやフォームを共有してアクティブラーニングを実践。

(画像:PRTIMES

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