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発達障がいの人へのポジティブな接し方って?二次障がいに注意しよう

人間関係改善のヒント

発達障がいとは、生まれつき脳機能に何らかの障がいがある状態のことですが、知的能力や身体能力には大きな問題がないことも多く、一見すると障がいを持っているように見えない人もいます。そのため周囲の人の適切な理解と対応が必要となります。
生きづらさの原因ともされる発達障がいについて知り、周囲の人が発達障がいだったときの接し方を理解しましょう。

発達障がいの人は自己肯定感が低い?接し方で必ず守ることって?

発達障がいの人は、その特性上、もともと幼いころから失敗の経験が多く、自己肯定感が十分に育っていないことが多いです。

そこで、大原則として「肯定的な対応をする」ということが必要となります。失敗経験ばかりを繰り返し続けると、何か課題を設定しても「どうせできないから」とやる気になれなかったり、「やりたくない」と避けてしまったりすることが多くなります。

エスカレートしていくと、課題だけでなく何事に対しても避ける、否定するといった行動に始まり、自分を追い詰めるあまり自分はだめだと落ち込んで二次障害を引き起こしたり、思い余って他人や社会のせいだと攻撃的・批判的・反社会的な行動に走ってしまうこともあります。

そこで、できないことや失敗したことばかりに目を向けて責めたり叱ったりするのではなく、まずはできることに目を向け、努力していることやうまくいっていることを褒めることから始めましょう
どうしても注意しなくてはならない場合、「これを改善するためにはどうしたらいいかな?」など、「どうすればもっと良くなるか」という肯定的かつ具体的な伝え方を心がけましょう。

また、「スモールステップ」を意識することも大切です。スモールステップとはちょっとだけ頑張ればできそうな目標のことで、一見大きく見える目標でもスモールステップに細かく切り分ければ、小さな階段をたくさん上がっていくようにこつこつクリアしやすくなるという考え方に基づいています。

発達障がいの人への対応も同じで、ある目標がすぐには難しい場合、課題を細かく切り分けて「スモールステップ」で1つ1つクリアしていけるよう手助けすると良いでしょう。

二次障がいを防ぐためにも正しい対応が重要!

発達障がいの「二次障がい」とは、発達障がいの特性と周囲の環境(家庭・学校・職場など)がミスマッチしてしまったことにより、大きなストレスを抱えてしまい、精神面での障害が現れてくることを言います。

発達障がいのある人は、身体能力や知的能力には問題がないことが多いため、特性を理解されづらいです。
周囲からは本人の性格のせい、怠けているせいなどと思えてしまい、発達障がいの人の発言や行動に対して否定的な対応をされたり、場合によってはきつく叱られたりすることもあります。

さらに、感覚過敏やコミュニケーションに障がいがある場合、合わない環境では我慢を強いられてしまうため、日常生活においても大きなストレスを抱え続けてしまうことがあります。

このような対応が積み重なり、発達障がいの人が大きなストレスを抱えたまま生活を続けてしまうと、本人が「自分はだめな人間なんだ」と自分に対して否定的なイメージを持ってしまったり、自己肯定感や自尊心が非常に低くなってしまったりします。
すると、気分の落ち込みや不安などの抑うつ症状や、引きこもりや暴力行動などの二次障がいが現れてしまうことがあります。

もちろん、発達障がいの人は必ず二次障がいを発症する、というわけではありません。
発達障がいの特性において失敗体験やネガティブな反応を繰り返し受けてしまったり、いじめなどの大きなトラブル、それらによるストレスの解消がうまくいかなかった場合に二次障がいを発症しやすくなります。
そこで、二次障がいを発症しないために、まずは周囲の人が発達障害について正しく知っておくことが重要です。

家族はもちろん、幼稚園や保育園の教師が、発達障がいに関する一般的な知識・子どもの特性・対応方法を知り、本人が過ごしやすいように環境の調整をしておくのが理想的です。

一般的に、小学校に入学するまでの早い段階でこうした周囲からの支援を受けられるかどうかが、二次障がいを発症するかどうかの大きな分かれ目になると考えられています。

さらに、小学校に進学した後は、幼稚園や保育園よりももっと多くの同級生や上級生と関わり合うことになります。
二次障がいの原因となる強いストレスの多くは人間関係ですから、このときに担任の教師を始め、教員がどう対応するのかも大きな影響を及ぼします。
担任の先生にも事情を説明し、理解を求めることを試みましょう

もちろん、周囲の対応だけでなく、本人の心の発達がなければ、実際に本人が感じるストレスを軽減することはできません。家族や周囲が本人の心の発達をサポートするためには、以下のような点を目標として過ごすようにしてください。

  • 自分は周囲に受け入れられている、という安心感や信頼感を持つ
  • 他の人と接する中で、コミュニケーションの方法を学ぶ
  • トラブルが起きたときの対処方法を学ぶ
  • 自分自身の障がいの特性について知る

自分自身の特性について知るのは、まだ幼いうちでは難しいかもしれませんが、「こういうときはこうしてみよう」と、具体的な生活の中で対処法を学びながら成長していけば、それほど難しいことではありません。

このような心のサポートを早いうちから行っていくことで、発達障がいを持つ本人自身がストレスに柔軟に対応できるようになることが大切です。

二次障がいを抱えている人への対応方法は?

既に二次障がいを発症してしまっている場合でも、対応によってその後のストレスや行動を改善していくことが可能です。職場の場合はその人のみに個別の対応を行うことになりますが、家庭や学校ではある程度、必要な対応が決まっています。家庭と学校、それぞれで必要な対応について詳しく見ていきましょう。

家庭ではどう対処する?

子どもが発達障がいを持っている場合、家族がうまく対応できない場合が続くと、本人だけでなく家族の精神状態も悪化してしまい、そのことがさらに本人の精神状態に悪影響を及ぼす、という悪循環に陥ってしまうことがあります。そこで、こうした悪循環に陥るのを防ぐため「ペアレントトレーニング」というプログラムを受けることがおすすめです。

ペアレントトレーニングでは、両親をはじめとした保護者が子どもとどう関わり、どのように特性を活かしながら子育てをしていくかの方法について学びます。一定のガイドラインを学ぶことで、子どもが過ごしやすい環境や人間関係を作れるようになり、二次障害を予防したり、症状を軽減したりすることができるようになるとされています。

学校ではどう対処する?

学校では、担任の教員だけではすべての活動をサポートすることはできませんので、ほかのクラスや学年の教員や保健の教諭、いればスクールカウンセラーなどとも連携し、学校全体として対策と支援を行う体制づくりが必要です。具体的には、以下の4つのポイントに注意して支援を行いましょう。

本人の問題行動以外の部分に注目する
  • 問題行動を叱責ばかりしていては、自尊心や自己肯定感が育たない
  • できることやうまくいったことを褒め、信頼関係を築く
  • とくに、やってほしいことができた場合はよく褒めて望ましい行動を増やすのが理想
本人以外の学級全体への配慮を忘れない
  • 「ひいき」とならないように注意する
  • 発達障がいの本人にだけ注意していると、ほかの子の不満が溜まりやすい
  • ほかの子にも目を向け、きちんと関わっていることが伝わるような関係づくりを
取り組みは学校全体で行う
  • 発達障がいへの対応は担任の教師だけでなく、学校全体で共有する
  • 一部の人が全く異なる対応(叱責ばかりなど)をしてしまうと、本人の状態や関係性を悪くしてしまう
対応方針を決めたら、ころころ変更しない
  • 支援の方針を決めたら、少なくとも2〜3週間は変更しない
  • 対応方法がころころ変わると、本人にとって大きなストレスになり、一時的に問題行動が増えることも
  • 子どもの状態を見ながら継続し、必要に応じて専門家に相談することも必要

とくに注意が必要なのは、本人に関する情報を学校全体で共有するという部分です。ごく一部の教諭であっても、本人に対して強い叱責ばかり行うといったことが起こると、本人が混乱し、状態が悪くなったり、学校との関係性が悪くなったりしてしまうことがあります。こうした事態を避けるためにも、少なくとも教員全員で状態を共有しておくことが大切です。

また、発達障がいに対して一般的な知識を持っている教員がいない場合は、専門家に相談して支援方針を決定することも必要です。良い方向でも悪い方向でも、子どもの状態が変わったというときには、ぜひ一度専門家の意見を求めるのが良いでしょう。

おわりに:発達障がいの人への対応のコツは「肯定から入る」こと

発達障がいの人は、どうしても幼い頃から失敗経験が多く、自己肯定感が低かったり、自尊心が十分に育っていないことが多いです。その状態で叱責を繰り返すと、さらに状態を悪化させてしまいます。まず「できることを褒める」という肯定からスタートするのが原則です。

家庭や学校では、ペアレントトレーニングや学校全体での取り組みを行うことが大切です。ときには専門家にも意見を求めながら、過ごしやすい環境を作りましょう。

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