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ADHDの治療に漢方薬が使える?

発達障がいの基礎
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ADHDは、根治することができない先天性障がいです。しかし薬で症状を緩和したり、特性を理解して対処法を覚えることで、治療することはできます。
今回はADHDの治療で漢方薬が使われるケースについて、よく使われる漢方薬の種類や、東洋医学的なADHDへの解釈とあわせてご紹介していきます。

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ADHDの治療で漢方薬が使われる理由とは?

西洋医学では、以下のような脳内の神経伝達に作用する向精神薬を用いて、ADHDの治療を進めていくのが一般的です。

一般的なADHD治療に使われる西洋医学の薬
  • 神経伝達物質の不足を解消する「メチルフェニデート」や「アトモキセチン」
  • 興奮を抑え、脳内の情報伝達をスムーズにする「グアンファシン」
  • その他、抗うつ薬や抗不安薬

これらの薬は脳内の神経伝達物質に直接作用しますが、選択できる治療薬の種類が少なく、薬によっては依存性が高いというリスクもあります。

一方で漢方薬は、脳や神経伝達物質に直接作用するのではなく、体全体に作用して自己治癒力を高めることで、間接的に脳を整えていく薬です。

ADHDの治療では、長期的に投薬を続けていくことが見込まれます。
そこで薬物依存のリスクを低くしたり、将来的に薬の服用量を減らし緩やかに体と脳を整えていくための薬として、漢方薬が注目されているのです。

ADHDの漢方的な見立てって?

東洋医学・漢方医学的には、ADHDは肝(かん)と腎(じん)の働きが乱れ、失調した状態であると考えられます。

漢方医学における「肝」の働き
  • 人間の気の流れや精神状態、眼、筋肉の働きを司る器官。
  • 失調すると情緒不安定、イライラ、ヒステリー、理由のない怒り、落ち着きの無さ、過剰または不安定な行動などを症状として発すると考えられている。
漢方医学における「腎」の働き
  • 人間の成長や発達、成長活動を司る器官。
  • 発達障がいなどの精神、または低身長・低体重など体の成長障がいの原因と考えられる。

この「肝」と「腎」の働きは密接にかかわり、肝の働きが失調すると腎の働きも弱くなり、双方の失調が加速していくという悪循環を引き起こします。

要約すると、ADHDは「腎の失調による発達障がいの特性が、肝の不調やストレスにより増幅されて症状として現れている状態」と表現できるでしょう。

このため、漢方薬でADHDを治療していくには、特に肝に効果的な漢方薬で体を労わり、同時に肝を弱らせる原因であるストレスの軽減をめざすことになります。

ADHDの漢方薬的な治療方法とは?

漢方薬をADHD治療薬として使用する場合、患者の状態・症状により、以下のような漢方薬を随時組み合わせて処方していきます。

肝に溜められた血(けつ)が消耗し、肝が衰えているとき
地黄(ジオウ)、当帰(トウキ)、芍薬(シャクヤク)、阿膠(アキョウ)、酸棗仁湯(サンソウニントウ)、竜眼肉(リュウガンニク)
精神的ストレスを緩和し、肝・血の消耗を押さえたいとき
柴胡(サイコ)、枳実(キジツ)、陳皮(チンピ)、半夏(ハンゲ)、厚朴(コウボク)、香附子(コウブシ)
イライラの高まりを興奮を抑えたいとき
オウゴンや黄連(オウレン)などの清熱薬、竜骨(リュウコツ)や牡蠣など気持ちを静めるもの
心身の成長が全体的にゆっくりで、腎の力が衰えていると感じられるとき
鹿茸(ロクジョウ)

どの漢方薬をどのくらいの割合で配合し処方するかは、本人のADHDの症状の現れ方や、本人の状態によって大きく変わってきます。
服用中にも配合内容は変わる可能性がありますので、わからないことや不安なことは医師や薬剤師に随時確認して、治療してください。

おわりに:ADHD治療薬の選択肢の1つとして、漢方薬も有効

ADHDの治療では、特性や症状が緩和されるよう、脳神経伝達物質や精神に作用する西洋医学の薬を使うのが一般的です。しかし西洋医学薬では選択できる薬の種類が少ないこと、また体への負担や依存のリスクがあることから、漢方薬での治療も注目されています。漢方医学的に見ると、ADHDは肝と腎が弱った状態です。治療はADHD患者本人の状態にあわせ、肝と腎の回復に良い生薬を配合・処方して進めていくかたちになります。

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