近年、子どもだけでなく大人も診断されることが多くなっている発達障がい。病院で医師に発達障がいと診断してもらうと、どのようなメリットを得られるのでしょうか。
今回は発達障がいの人の特徴や診断を受けることのメリット、診断に至らないグレーゾーンについて解説します。
発達障がいの種類とそれぞれの特性
発達障がいとは、生まれつき脳機能の一部がアンバランスに発達、または未発達であるために、周囲とのかかわりがうまくいかず、生きづらさを感じるようになるという特性です。
「病気」というよりは「特性」という表現が近く、脳の機能上の問題でコミュニケーションや仕事などでの感覚において、他者との間に少しずつズレを感じるようになる傾向があります。
具体的には、脳機能の障がいが原因で起こる以下のような症状が、子どもの頃から発現した場合に発達障がいと診断されることが多いです。
- 自閉症
- アスペルガー症候群
- 注意欠如・多動性障がい(ADHD)
- 学習障がい
- チック障がい
- 吃音症
発達障がいは生まれつきの特性であるため、その症状は子どもの頃から発現し、親や周囲が子育ての方法や接し方で悩むようになることも珍しくありません。
なお、発達障がいによって発現する特徴には個人差が大きいのが特徴で、同じ分類の障がいでもまったく違った症状が出てくる場合もあります。
発達障がいと診断してもらうメリットとは?療育って何?
まず子どもの場合、早期に発達障がいとの診断をされることで本人に合った療育を受けることができ、成人するまでに社会適応力を伸ばしていけるというメリットがあります。
また、障がい者手帳の交付対象となりますので治療のサポートを受けられます。大人になってからは、障がい者枠での雇用を選択できます。
通常、発達障がいは幼い子どもの頃から発現し、成長して学校や職場などで人とかかわる機会が増えるにつれて「うまく適応できない」と感じるシーンが増えてきます。
早期から適切な療育やサポートを受けることで、社会に適応できないストレスや絶望感から、将来的にうつや不安症などの発症するリスクを下げられるのです。
また大人になってからでも、発達障がいの診断をもらい改善のための治療を受けることで、症状はある程度軽減することができるといわれています。
子どもの頃、なかなか表面化せず診断に至らなかった発達障がいでも、診断を受けることで治療と症状改善の糸口となります。
診断をもらえない発達障がいグレーゾーンが問題になっている!?
発達障がいには、確定診断の基準となる数値のようなものはありません。
このため、発達障がいの特性が確認でき日常生活に多少の困難が見られるにもかかわらず、発達障がいの診断には至らない「グレーゾーン」と呼ばれる人たちも存在しています。
発達障がいの診断が下りないグレーゾーンの人たちは、診断を受けた人達のように障がい者手帳や療育・治療、障がい者枠での雇用などのメリットを受けられません。
診断がないため勤務先や学校に「発達障がいです」と伝えられず、特性に理解を得ることができないまま仕事や学校生活がうまくいかなくなり、孤立してしまうことも多いと言います。
上記のように、発達障がいの診断を求めて病院に行っても確定診断を得られず、結局は辛い状況が続いてしまうというケースも珍しくありません。
症状改善のための療育・治療を受けられるという一方、特性が発現しているのに診断が得られず、救われない人たちが多くいることも事実なのです。
おわりに:病院での発達障がいの診断は療育・症状改善の糸口となる
生まれつき脳機能に特徴があり、周囲とのコミュニケーションや学校生活、仕事に困難が出てくる状態を発達障がいと言います。多くは幼少期から発現するとされ、病院で発達障がいの診断をもらうことで、症状を改善して社会適応力を伸ばすための療育・治療や、障がい者枠での雇用などのメリットを受けられます。
しかし一方で、特性は発現しているものの発達障がいを得られないグレーゾーンと呼ばれる人たちも増えていて、問題になってきています。
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