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小学校などで働く「特別支援教育支援員」の仕事内容や必要な資格って?

子育て・教育のヒント

幼稚園や小学校などには特別支援教育支援員が配置されることがあり、障がいを持つ子どもの学習支援や日常生活の介助を行っています。この記事では、特別支援教育支援員になるには資格が必要なのか、仕事を進める上でどんな知識が必要となるのかを説明していきます。

お子さんが障がいを持っている家庭や特別支援教育支援員の仕事に興味がある人は、是非チェックしてくださいね。

特別支援教育支援員ってどんな仕事?

「特別支援教育支援員」とは、公立の幼稚園、小学校、中学校、高等学校に配置され、発達障がいなど障がいを持つ子どもに対してサポートを行う職業です。支援内容は対象となる子どもへの学習支援(特に学習障がいの子ども)や健康・安全確保(特にADHDの子ども)、日常生活上の介助(食事、排泄、教室の移動補助など)のほか、周囲の子どもに対する障がいへの理解促進なども含まれます。

発達障がいの子どもへの支援内容の例

  • 教室を飛び出す子どもの安全確保、居場所の確認
  • ノートをとるのが難しい子どもの代筆
  • 先生の話を落ち着いて聞くことが難しい子どもに、指示や話の内容を繰り返し伝える
  • 持ち物の整理整頓や管理のサポート など

具体的にどんな支援をするかは、その子どもが在籍している学校の校長、教頭、特別支援教育コーディネーター、担任教師などと連携しながら決めていきます。
2019年には幼稚園で7,800人、小・中学校で56,600人、高等学校で600人、合計で65,000人の特別支援教育支援員が全国に配置されました(文部科学省資料より)。

特別支援教育が必要な子どもの数はどれくらい?

令和1年に文部科学省から発表された資料によると、特別支援教育の対象となる障がいの種類と子どもの人数は下記の通りとなりました。なお、重複障がいの場合はダブルカウントした数字です。

特別支援学校
視覚障害 (約5,300人)
聴覚障害 (約8,300人)
知的障害 (約128,900人)
肢体不自由 (約31,800人)
病弱・身体虚弱(約19,400人)
合計:約141,900人(平成19年度の約1.3倍)
特別支援学級
知的障害 (約113,000人)
肢体不自由 (約4,500人)
病弱・身体虚弱 (約3,500人)
弱視 (約500人)
難聴 (約1,700人)
言語障害 (約1,700人)
自閉症・情緒障害 (約110,500人)
合計:約235,500人(平成19年度の約2.1倍)
通級による指導
言語障害 (約37,600人)
自閉症 (約19,600人)
情緒障害 (約14,600人)
弱視 (約200人)
難聴 (約2,200人)
学習障害 (約16,500人)
注意欠陥多動性障害 (約18,100人)
肢体不自由 (約120人)
病弱・身体虚弱 (約30人)
合計:約109,000人 ※公立小・中(平成19年度の約2.4倍)

(引用:文部科学省「日本の特別支援教育の状況について 令和元年9月25日」)

特別支援教育支援員の数と比べると、支援を必要とする子どもの数はまだまだ多いのがわかります。支援員は各自治体で募集がされており、教育や障がいへの理解促進、共生社会に関心のある人が応募し、仕事に励んでいます。

資格は必要?特別支援教育支援員になるには

特別支援教育支援員は教員ではありません。担任などと打ち合わせをし、必要な支援を行っていくことが仕事です。学習指導を行いませんので、資格や経験がなくても特別支援教育支援員の仕事に就くことはできます

ただし、自治体によっては次のような資格を求める場合があります。

仕事を進めるに当たっては、各障がいの特性や必要な合理的配慮を理解する必要があります。理解促進のために研修実施やハンドブックを公開している自治体もあります。教育委員会や学校が業務内容や具体的な配慮事項などを文書で明文化したり、特別支援教育支援員の採用時に研修を行っています。

特別支援教育とインクルーシブ教育

障がいを持つ子どもが一般的な教育制度から排除されない教育システムを「インクルーシブ教育」と呼びます。共生社会の実現を目指し、健常者と障がい者が隔てなく同じ場所で同じ教育を受けることを基本としています。

インクルーシブ教育を実施するには、障がいの特性に対する合理的な配慮やサポートが必要です。ところが教員だけでは十分な配慮やサポートを行うことが難しいという課題が出ています。そのため、特別支援教育支援員がクラスに入って児童・生徒のサポートを行い、周囲の子どもに対して障がいへの理解促進をすることは、インクルーシブ教育の観点からも意義があるといえるでしょう。

おわりに:子どもの成長をサポートするやりがいのある仕事

特別支援教育支援員は全国の幼稚園や小学校、中学校、高校に配置されています。障がいを持つ子どものサポートや周囲の子どもに対する障がいへの理解促進を目的とし、必要な支援を行うのが仕事です。子どもの自立や成長を促す重要な役割であり、多忙な教員の助けともなりますので、これからも充実した支援実施に期待していきましょう。

インクルーシブ教育を通常学級で実践するってどういうこと? (インクルーシブ発想の教育シリーズ)

 

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