SST(ソーシャルスキル・トレーニング)を施設や家で行うとき、教材があると子どもの理解を促進できることもあります。通販でも買えるSST教材や最新のVR型教材の情報を紹介しますので、SSTの参考にしてみてくださいね。
SST(ソーシャルスキル・トレーニング)と教材の役割
社会の中で生きていく上で必要なコミュニケーション能力や日常生活を送るための生活スキルを「ソーシャルスキル」と呼びます。ソーシャルスキルには個人差があり、特に発達障がいの場合はソーシャルスキルが十分に習得されないまま成長し、学校や職場で対人トラブルやストレス蓄積の問題を抱える傾向が多くみられます。
ソーシャルスキルは訓練によって習得できますので、ソーシャルスキル・トレーニングの実践が大切です。
日常でできるSSTとしては
・あいさつ
・人と目を合わせて会話する
・相槌を打って会話を円滑にする
・他者の気持ちを考える
などが基本です。そのほかのSSTでは、ゲーム、ディスカッション・ディベート、ロールプレイ、共同行動、ワークシート・絵カードも実践されています。
SSTの実践のポイントとして、教材を適切に使うことも効果的です。発達障がいの場合、言語のコミュニケーションよりも視覚的なコミュニケーションの方が伝わりやすいことがあるため、補助的に教材を使うと子どもの理解を促せるでしょう。
そのため、ソーシャルスキル・トレーニングではイラストや写真を使用したカードやボードゲーム、ワークシートなどの教材を使いながらスキル習得を目指すプログラムも組まれています。
通販でも購入可能!市販されているSSTの教材
SSTの教材として市販されているものの一部を紹介します。
『ワークシートで進める「特別支援のSST 初級」』
年齢に合わせて、習得したいソーシャルスキルを200の課題にまとめた教材。初級は、小学校 低学年・中学年向けです。学校や社会生活を送る上で習得したい基礎的なソーシャルスキルの学習をサポート。スキルが定着するまで反復練習し、習得を目指します。通常学級、通常指導教室、特別支援学級、個別指導での使用も可能です。ワークシートはコピーフリー。
『発達協会式 ソーシャルスキルがたのしく身につくカード(2) こんなときどうする?』
公益社団法人発達協会が監修しているソーシャルスキルカード教材。主に小学校の子どもを対象とし、「授業中、トイレにいきたくなったら」「運動会で自分のチームが負けたら」「先生の間違いを見つけたら」「妹がお父さんからしかられていたら」などの具体的なシーンを想定したかわいいイラストカードです。家や学校で実際に起こる状況を10種類用意。イラストを見ながら自分ならどうするかを考え、判断と行動を促します。
『SSTボードゲーム「フレンドシップアドベンチャー」』
ボードゲームタイプの教材で、ソーシャルスキルのテーマが設定された5つの島を冒険するストーリーでゲームを進めます。子どもは質問カードに答えながら島巡りをし、島を1周すると宝物がもらえます。宝物を集めることを目標としながら、自分の気持ちや意見を述べる方法の習得を目指します。グループをつくってゲームに参加することで、自分の意見と他者の意見を共有するソーシャルスキルトレーニングを進められます。
『あたまと心で考えよう SSTワークシート 思春期編』
小学校高学年から対応した内容で、「部活のルール」「パーソナルスペース」「気になる異性との接し方」「将来の自分」など思春期やこれから思春期を迎える子どものSSTに対応した内容。「自己認知スキル」「コミュニケーションスキル」「社会的行動」「プランニング・自立にむけて」の4つで構成されています。コピーして使えるワーク教材。
SSTでVR?リアルな体験ができるVR教材「emou」
VRソーシャルスキルトレーニング「emou」は、さまざまなシーンをバーチャル体験できます。学校の友達との人間関係、社会人の就職活動における面接対策など、幅広い年齢のSSTに対応可能。VRの特徴としては、「あたかもその現場にいるような仮想体験」なリアルさで、専用のヘッド機器を装着することで日常の場面再現が簡単にできます。
おわりに:SSTの効果と子どもの理解を上げるために教材を補助的に使うのがおすすめ
SSTは発達障がいのトラブル軽減のために、ぜひ実践したいトレーニングですよね。ただし本人の特性によっては言語による説明はスムーズに理解できない場合もありますので、イラストやゲームタイプの教材を使うのがおすすめ。最新のVR技術を取り入れたSSTの登場など、これからのSSTの充実も期待できますね。
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