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癇癪やイライラへの対処法「アンガーマネジメント」は発達障がいにも役立つ?

人間関係改善のヒント

発達障がいを抱える人のなかには、衝動的な言動や感情の起伏が激しいゆえに、怒りやイライラ、癇癪をうまくコントロールできない人が少なくありません。

今回は、感情コントロール法の一種である「アンガーマネジメント」が発達障がいの人に及ぼす影響について、イライラへの具体的な対処法と一緒に解説します。

発達障がいと感情コントロール

発達障がいの人のなかには、自分の感情をうまくコントロールできずに怒りやイライラ、癇癪としてあらわす人がいます。
なぜ、発達障がいの人に感情のコントロールが難しい人が多いのか ― 考えられる理由は、以下の通りです。

発達障がいの人が感情のコントロールが難しい理由
  • 自分のなかにある気持ちを、どう外側にあらわせばいいのかわからなくなるから
  • 自分の考えていることを、言葉や態度で他の人にうまく伝えることができないから
  • 昂っている感情の正体が何か、またどう処理したらいいかわからないから
  • 感覚過敏のため、本人も気づかないうちに周囲の音や光のストレスを蓄積させ、怒りや癇癪として爆発させてしまうから

また、発達障がいの特性ゆえに怒りの感情を溜め込み、爆発させてしまうこともあります。

例えば、特性として衝動的な言動・行動が生じる注意欠陥多動性障がい・ADHDの人の場合、瞬間的に怒りが沸きあがり、癇癪という行動を起こしている可能性が高いです。
一方で、周囲との意思疎通やコミュニケーションに困難が生じやすい自閉症スペクトラムの場合は、人間関係がうまくいかないために怒りを抱えることもあります。

ひとくちに発達障がいが引き起こす怒り・癇癪と言っても、個人が抱える発達障がいの特性や事情により、その種類は変わってくるのです。

また、発達障がいの人が抱える怒りが癇癪として爆発したとき、その感情が他害や自傷、物品破壊に向いてしまうことも珍しくありません。
このため、発達障がいを抱える本人とその周囲の人を守るためにも、癇癪による問題行動とその根源である怒りの感情は、適切にコントロールする必要があります。

アンガーマネジメントとは?

怒りに振り回されるのではなく、状況や必要に応じて怒りを適切にコントロールし、うまく付き合っていけるようにするための心理教育・トレーニング法のことをアンガーマネジメントといいます。

1970年代のアメリカで生まれ、当初は犯罪者の矯正プログラムとして利用されていましたが、近年では幅広い用途で用いられるようになってきました。

アメリカでの具体例としては、以下分野の教育・研修の一環として実施されています。

アンガーマネジメントの活用例
  • 管理職向けのコミュニケーションやパワハラ対策研修
  • 新入社員向けのコミュニケーション研修、メンタルヘルス研修
  • 医療福祉、青少年教育
  • アスリートのメンタルトレーニングの一環
  • 人間関係に悩む人へのカウンセリング
  • 関係に悩むカップル、夫婦のカウンセリング
  • 小学校や、サマーキャンプに参加する子どもたちへの教育の一環

怒ることは悪いことではない?アンガーマネジメントが目指すのは?

アンガーマネジメントが目指すのは、怒りを感じなくすることではありません。

怒りも、喜びや悲しみなどと同じ人間に必要な感情のひとつです。他の感情と同じように、わたしたち人間の内側に「存在して良い感情」です。私たちが自分を守るため、また今後の円滑な人間関係のために怒るべきシーンもありますから、怒りもまた人間に必要な感情と言えます。

ただ、怒りという感情が厄介なのは、そのまま表に出すと周囲を不快にし、人間関係や信頼を損なう可能性がある点です。
アンガーマネジメントは、怒りという感情に早めに気付き、分析し、不利益を被らないよう整理し減らしてから外に出すためのトレーニング、と言い換えられるでしょう。

以上の目的を達するため、アンガーマネジメントの基本的な考え方は以下の3点です。

アンガーマネジメントに必要な3つのポイント
  1. 自分の怒りのタイプを診断し、怒りの発生や向き方の傾向を知る
  2. 怒りを感情として出す代わりに、自分が感じている怒りの正体を整理し説明する
  3. 怒りを感じても、外に出さず適切に処理する方法を理解する

イライラが止まらない!そんなときの対処法

発達障がいの人が叫んだり、暴れだしたくなるような怒りやイライラを感じたときにできる具体的な対処法としては、以下が挙げられます。

  • 一旦その場を離れ、静かで落ち着く場所に移動する
  • ひとりになり、深呼吸や瞑想をしてみて気持ちが落ち着くのを待つ
  • イヤーマフをしたり、サングラスするなどして体に感じる刺激を減らす
  • 好きな音楽や音、香りを嗅ぐなどして気持ちをリセットする
  • 怒りの理由や詳細を紙や日記に書いて吐き出し、整理する
  • 怒りやストレスの原因が見えてきたら、できるだけ原因となる状況や人物を避ける
  • 適度に運動をし、しっかり休息と睡眠をとるようにして、心身に疲労が蓄積するのを防ぐ
  • 家族や友人など、信頼できる人に自分の感情を伝え、配慮してもらうようにする

怒りを感じなくしたり、怒りを感じる頻度を減らすことはなかなか難しいです。原因がはっきりしている場合でも、その状況・人物を極力避けることしかできないこともあります。

無理に感情の発生を抑えようとするのではなく、怒りが沸いてきたときに落ち着ける、冷静になるための対策や逃げ道を用意しておくとよいでしょう。

周囲が発達障害の人の怒りに直面したときの対処法

発達障がいの人の怒りに直面したときに周囲の人ができることは「まずは、本人に落ち着いてもらうこと」です。
本人に声をかけてイライラしている、怒りが表に出ていることを自覚してもらい、ひとりになってもらうなどして一旦冷静になってもらいましょう。

本人がクールダウンしている間に、こちらも話し合いたいこと、言いたいことを整理しておけばよいのです。
どのような特性を持っているかにもよりますが、話し合いはできれば口頭だけでなく、紙に箇条書きするなどして可視化しておくとコミュニケーションがスムーズになります。

相手が怒っているからと言って、こちらまで感情的になってはさらに相手を興奮させ、人間関係が破綻してしまいます。
発達障がいの人が怒りをあらわしているときは、周囲の人は冷静に落ち着いて怒りに対処し、相手の様子を見ながら話し合いのタイミングを待ちましょう

おわりに:アンガーマネジメントは、発達障がいの感情・行動コントロールにも役立つ!

怒りは私たちに必要な感情ですが、そのままストレートに表に出すとトラブルや、他者との信頼関係が揺らぐ一因となってしまいます。そこで怒りを表に出す前に整理・分析し、減らして適切な表し方・管理方法を身に付けようという教えが、アンガーマネジメントです。

アンガーマネジメントの訓練は、特性ゆえに怒りやイライラを抱えやすく、他害・自傷を起こしやすい発達障がいの人にも役立ちます。本記事を参考に、ぜひ取り入れてみてください。

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