医師から発達障がいの診断を受けた人の場合、身体障がいがなくても障がい者手帳を取得することができます。ただし障がい者手帳には種類がありますので、各手帳の対象が変わります。
今回は発達障がいの人が受け取れる障がい者手帳の種類や、受け取ることのメリット・デメリット、受け取りにあたって必要な手続きまで、まとめてご紹介していきます。
発達障がいの人がもらえる障がい手帳の種類は?
障がい者手帳には「身体障碍者手帳」、知的障がい者用手帳とも呼ばれる「療育手帳」、そして「精神障がい者保健福祉手帳」の3種類があります。
このうち、発達障がい者の人が取得できる障がい者手帳は「療育手帳」と「精神障がい者保健福祉手帳」の2種類です。
「療育手帳」と「精神障がい者保健福祉手帳」、それぞれの特徴や違いは以下の通りです。
療育手帳
主に知的障がいがあることを証明する、障がい者手帳です。
このため、取得には各地方自治体によるIQ制限が設けられており、おおむねIQ70が取得できるかどうかのボーダーになると言われています。
取得すれば、障がい者手帳のなかでも手厚いサポートを受けられるようになります。
精神障がい者保健福祉手帳とは
精神に疾患、または障害があることを証明する障がい者手帳です。
精神の疾患・障がいによる初診日から3か月以上経過していて、かつ、精神の疾患・障がいで長期にわたり日常や社会生活への支援が必要と認められた場合、取得できます。
なお発達障がいの人の場合、上記のうちどちらか一方のみを取得することもあれば、両方を取得できる場合もあります。
発達障がいの人が障がい者手帳をもらうメリットとデメリットは?
発達障がいの人が、何らかの障がい者手帳を取得するメリット・デメリットとしては、それぞれ以下が挙げられます。
- メリット
- デメリット
-
- 人によっては「自分は障がい者なんだ」という心理的不安を抱えるきっかけとなる
- 取得をオープンにすることで、周囲からの無理解や差別を受ける可能性も否定できない
ただし、上記のうちどのくらいのメリットを享受できるか、免除や年金の金額等も、お住まいの自治体によって変わってきます。
詳しくは、お住まいの自治体の担当部署への確認が必要ですので、ご注意ください。
障がい者手帳をもらうには、どんな手続きや準備が必要?
療育手帳と精神障がい者保健福祉手帳、発達障がいの人が障害者手帳を受け取る場合に必要な申請・ステップは、それぞれ以下の通りです。
療育手帳の場合
本人または保護者が、以下の書類をそろえ自治体の福祉事務所、または障害福祉担当窓口へ申請を行う。
- 申請書
- 本人の写真
- 印鑑
知的障がい者更生相談所、本人が18歳未満の場合は児童相談所で医師・心理判定員による知能指数等についての判定を受けた後、障がいの等級に応じて手帳が交付される。
精神障がい者保健福祉手帳の場合
精神の疾患・障がいについて初診した日から6か月以上経過後、主治医からは診断書、自治体の福祉事務所・障碍者福祉担当窓口で必要書類を受け取る。
以下の必要書類をすべて揃えたら、本人または保護者が手帳の交付を申請。
- 申請書
- 医師による診断書、または精神障がいによる年金証書の写し
- 本人の写真
- 印鑑
手帳の交付が適切かどうか、また等級を判定するための審査を受けた後、手帳が交付される。
なお、精神障がい者保健福祉手帳の場合は原則2年ごとの更新が必要です。
療育手帳も原則2年ごとの更新が必要ですが、実際の更新頻度は自治体によって大きく異なりますので、初回の申請時に窓口で確認することをおすすめします。
おわりに:発達障がいの人も、障がい者手帳をもらえる可能性がある
2019年現在、日本には3種類の障がい者手帳が存在します。このうち発達障がいの人がもらえる可能性があるのは、療育手帳と精神障がい者保健福祉手帳の2種類です。いずれも取得にはお住まいの自治体へ申請し、手帳を交付してもらう必要がありますが、受け取りができればさまざまなメリットを享受できます。興味があるなら、お住まいの自治体の福祉事務所、または障碍者福祉担当窓口に問い合わせてみると良いでしょう。
コメント