発達障がいによる特性は、その子が生まれつき持っている個性です。このため特性は症状として、生後3歳ごろから顕著に現れるようになると言われています。
今回は発達障がいが3歳児健診で発見されやすいとされる理由を、専門機関への相談を検討すべき子供の特徴、療育の必要性とあわせて解説します。
発達障がいが3歳児健診で見つかることが多いのはなぜ?
発達障がいによる特性は先天性のものですが、生まれてすぐから現れるのではなく、成長の過程でだんだんと見えるようになってきます。
そのため、生後すぐから3歳ごろまで定期的に乳幼児健診を受けていても、運動機能・言語機能・社会性がある程度育つ年齢にならないと、発見が難しいと言われています。
とくに知的発達の遅れを伴わず、特性の発現が薄い子どもの場合、幼稚園・保育園に入園して集団生活を始める3歳になってから、発達障がいが発見されることが多いです。
これは、ほかの児童と一緒に過ごす時間が長くなると、親しい大人・家族のなかでは問題にならなかった特性が、集団生活のなかで初めて顕在化してくることが関係していると思われます。
さらに3歳児健診では、それまでの乳幼児健診に比べ「他者と目を合わせられるか」「言葉が送れていないか」「周囲に関心があるか」など社会性を重視した検診を行います。
このように、成長により特性が現れやすくなること、そして将来の集団生活のため社会性を重視した検診が行われることが、3歳児検視で発達障がいが発見されることが多いと考えられるでしょう。
3歳児の子どもに、どんな特徴があるときに相談すればいい?
ここでは、一般的な3歳児と発達障がいの可能性のある子供の特徴を比較し、専門機関への相談をすべきシーンを考えて行きましょう。
- 一般的な3歳児の特徴
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- 自己主張が強くなり、大人や他の子供と言葉でのやり取りができるようになる
- 読み聞かせてもらう絵本のストーリーを理解できるようになる
- 自分の姓名、性別、年齢などを言えるようになる
- 運動機能が高まり、はさみを使った工作やバランス遊び、体を使った遊びが可能になる
- 他者と積極的にかかわるようになり、ごっこ遊びなど友達お遊ぶことも増えてくる
- 発達障がいの可能性のある3歳児の特徴
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- 周囲に興味がないようで、視線を合わせられず会話が成立しない
- 人から問いかけられても、自分の名前をうまく言えない
- 他の子に比べ転びやすく、片足立ちやジャンプ、段差の飛び降りができない
- 基本的にいつも一人で遊んでいて、友達との遊びやごっこ遊びに興味がない
- こだわりが強く、いつも気に入った特定の遊びしかしない
- ふいにその場からいなくなったり、平気で無謀なことをしたりする
上記のうち「発達障がいの可能性のある3歳児の特徴」に複数当てはまる場合は、療育も視野に入れ、発達障がいの専門機関に相談することをおすすめします。
療育は受けたほうがいいの?
発達障がいの子供とその親にとって、療育を受けることのメリットとしては以下が挙げられるでしょう。
- 子供本人、その親が発達特性について早期に正しく理解するきっかけとなる
- 特性を一生付き合っていく個性として受けとめ、コントロールするコツを学べる
- 周囲の無理解やいじめの被害、引きこもりなど二次障がいを防げる可能性が高くなる
- 発達障がいの親同士でつながり、共感し、支え合うことができるようになる
- 自分の子供に合った発達支援や、接し方のコツを専門家から教えてもらえる など
発達障がいの可能性を感じながら1人で子育てを続けることを「ツラい」と感じることは珍しいことではありません。
我が子に発達障がいを疑うような特徴が見られるなら、早めに専門機関に相談し、自身と子どもがより心地よく生活できるよう、療育を受けることも考えてくださいね。
おわりに:心身がある程度成長する3歳児健診で、発達障がいが発見されることが多い
発達障がいは先天性のものですが、その特性は生まれてすぐには現れません。子供の心身がある程度成長することで初めて、特性が顕在化し発見されるのです。このため、言語・運動の能力と社会性が発達し、集団生活も行うようになる3歳児になってからの乳幼児定期健診で、発見されることが多いとされます。
もし、我が子に発達障がいを疑うような特徴があるなら、早めに専門機関に相談し療育を受けることを検討してください。
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