発達障がいは、それぞれの障害に多様な特徴があります。障がいの特徴がもとになって起こる困難さが、さらに心身の不調を招くことを二次障がいといいます。
ここでは、二次障がいを防ぐための注意点について解説していきますので、しっかり覚えておいてくださいね。
二次障がいってどういう意味?
発達障がいの人は集団行動やコミュニケーションで失敗経験が多くなったり、周囲に理解が得られないことで孤立化したりといったことが起こることがあります。
つらい経験が繰り返されると、障がいそのものの困難さとは別に心身や行動の問題が起こってしまうことがあるのです。
睡眠障がいや食欲の低下、全身のだるさといった身体症状があらわれたり、自己肯定感が低くなり、人への恐怖や何に対しても無気力になるといった精神面の症状が出たりすることもあります。
また、自分を傷つける自傷行為や、引きこもり、暴力的な行動につながることもあるのです。
二次障がいを防ぐために、子どものどんな変化に注意すればいい?
発達障がいは脳の機能障がいが原因で起こっています。発達障がいの疑いがあるお子さんは、集団生活や日常生活で集団生活の苦手さや、うまくコミュニケーションがとれない場面がみられやすくなります。
誤解をされて怒られたり、できないことを頑張らなければならない状況が続いたりすれば、ありのままの自分が受け入れられず、自分に対して否定的になってしまうこともあるでしょう。
発達障がいの子どもに対しては、周囲の人がしっかりと理解して、本人が安心できる環境でコミュニケーションや学習を丁寧につみ重ねていきたいものです。
さまざまな特徴があるため、発達障がいであるかどうかはすぐにわかるものではありません。しかし、日常生活で次のような場面が見られることがあります。
- 人にあまり興味がない あるいは 極端に人見知りしない
- 人混みや雑音が多い場所で耳をふさいだり、その場を離れたがる
- 周りを見ながら行動することができない(静かにする場面や座っている場面でも、マイペース)
- 常に立ち歩いたり、そわそわと動いたりしている
- 同年齢に比べて、ことばがない、少ない
- 繰り返し注意されても、高いところに登ったり、気になったものに触ったりする
- 思い通りにいかないと誰かを叩いたり、床や壁に頭をぶつけたりする。
- 同年齢に比べて文字に興味がない など
もし、大人の関わり方や本人の過ごしやすい環境を整えるなどの必要性があるときには、少しでも早く気づいて対応していくことで二次障がいを避けられるかもしれません。
二次障がいを防ぐため、子どもをどのように育てればいい?
二次障がいを防ぐためには、まずは、その子の特徴を理解することがスタートになるでしょう。たとえ同じ障がいがあったり同じ年齢であったりしても、興味を持つものや、ものごとを理解するスピード、表現の方法は同じではありません。
たとえば、何かを理解するときには、絵を見せたり、物語にして伝えるほうがわかりやすい子もいます。人から離れていることが好きな子もいれば、むしろ人に近づきすぎてしまう子もいます。
苦手なことをただ何度も繰り返させたり叱ったりするだけでは、なかなかできるようにはなりません。むしろ、「努力をしたのにできない」「怒られた」という経験だけが積み重なり、自信がなくなってしまうでしょう。自分を認められなったり、失敗を誰かのせいにしてしまったりすることもあります。
特に幼いあいだは本人が興味を持っていることを認めてあげましょう。
遊びでも学習でも、少しの努力で達成できそうなことや、人に認められた経験、だれかの役にたったという経験をコツコツと積み重ねて、子どもがたくさんの達成感を感じられるようにしてあげてくださいね。
おわりに:二次障がいを防ぐためには、その子が過ごしやすい環境を整えてあげて
発達障がいの人は誤解をされたり、怒られたりすることが多くなってしまう傾向があります。障がいとして苦手であることにもかかわらず、がんばり続けなければならない環境では、失敗をすることが多くなり、二次的に心身に影響があらわれてもおかしくはありません。
とくに子どもの頃は、成功体験をたくさん積み重ねて、自己肯定感を育てていきたいものです。発達障がいだからとひとくくりにせずにひとりひとりをしっかり理解して、過ごしやすい環境を整えていくことが大切です。
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