先天的な脳の機能異常で発症すると考えられている自閉症の特性は、子どもが小さい頃から発現すると言われています。
今回は「目があわない赤ちゃんは自閉症である」という説について、一般的にそう言われている理由や真偽、子どもが自閉症と診断される時期や特徴とともに解説します。
目があわないからといって自閉症と決まったわけではない?
赤ちゃんと目があわない、またはあいづらいからといって、必ずしも自閉症や目の病気が原因だとは限りません。
自閉症以外にも、赤ちゃんが大人と目があいづらい原因としては、以下のような理由が考えられます。
- 子ども本人が、大人の目よりも口や表情など別のところに興味をひかれている
- 自閉症の可能性を心配するあまり表情が固くなり、大人側が子どもに不安を与えている
赤ちゃんの興味の対象や成長のスピードには、当然ながら個人差があります。
目があいづらいという理由だけで赤ちゃんに自閉症、または他の病気の疑いをかけるのは、時期尚早でしょう。
いつごろ、どのような特徴があると自閉症と診断されるの?
赤ちゃんに自閉症の診断がつくのは、自閉症による特性が目立ち始める3~5歳の年齢になってからだと言われています。
本当に赤ちゃんが自閉症であった場合には、目があわない、あいづらいという以外にも、以下のような特性が現れてきます。
- 他の子どもなど他者への興味があまりなく、名前を読んでも振り返ってくれない
- 親や周囲の他者に対し、指差しなどで自分の興味を伝えようとする行動が見られない
- ごっこ遊びなど、集団で行う遊びにあまり興味がなく、参加したがらない
- 質問に対しうまく答えられなかったり、言いたいことだけを一方的に話してしまう
- 相手の言ったことをオウム返しするなど、言葉の発達の遅れが見られる
- 興味のある事柄については情熱的で、同じ質問を何度もして知りたがる
- 物事の手順にこだわりがあり、普段と違う手順を求められると混乱してしまう
- 視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚に対して非常に敏感、または鈍感である
子どもが自閉症かどうかの診断は、生まれてすぐの赤ちゃんに下すことはできません。
赤ちゃんが自閉症かどうかは、ある程度成長した段階で上記のような特性が複数現れているかを観察し、医学的な診断基準に照らしたうえで、総合的に判断されるのです。
不安なときには、誰に相談すればいい?
まだまだ診断のつく年齢ではないとわかっていても、赤ちゃんと目があわないことで、自閉症や他の病気の可能性を感じて不安になることはあるでしょう。
そんなとき、お母さん・お父さんの各個人や、夫婦だけでその不安を抱え込んでいると、より不安が増していってしまうかもしれません。
赤ちゃんと目があわなくて不安になったときは、以下のうち相談しやすい人・機関に相談をして、不安の緩和や情報共有をすると良いでしょう。
- 子育ての先輩である、自分や配偶者の両親や祖父母、親戚
- 地域の子育て支援センターに来る、子育て中のお父さん・お母さん
- 地域の子育て支援センター、保健センターの他、かかりつけの小児科の医師など、子育てや医療の専門家のいる機関
おわりに:赤ちゃんと目があいづらくても、自閉症とは限らない
自閉症の診断がつくのは、子どもが3~5歳になり、自閉症の特性が複数現れてきてからです。このため生まれて数か月の赤ちゃんと目があわない、またはあいづらくても、必ず市も自閉症だとは限りません。赤ちゃんの興味が他のことに向いているだけ、という可能性も十分に考えられますから、不安になる必要はないでしょう。どうしても不安なときは、家族や地域の子育て支援センターに相談して、アドバイスをもらってくださいね。
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