発達障がいの子どもには、生まれつきの脳の特性によりさまざまな症状が現れます。
その代表的なものが、感覚過敏の一種である触覚過敏です。
今回は、発達障がいによる感覚過敏の子どもに現れやすい行動や困りごとを、その解決・軽減のための対策とあわせてご紹介します。
触覚過敏の子どもがとる行動の特徴とは?
触覚過敏を持つ子どもは、特定のものと肌が触れるときの感触に、痛みや強い不快を感じると言われています。
このため触覚過敏を持つ子どもの多くに、以下のような特徴的な言動が見られます。
- 爪切りや耳かきや苦手で、過剰にくすぐったがる
- 初めての人や場所を嫌がり、人が近づくと視線を逸らし逃げる
- 帽子や眼鏡、靴下、マスク、ハイネックなどを見に着けることを嫌がる
- 人がたくさんいる場所を嫌がり、学校での整列や集会時にトラブルを起こしやすい
- 砂や水に触れる遊びを極端に好むか、または嫌がる
- 自分からは他人に触れることはできるが、他人から触れられるのは嫌がる
- 爪を噛んだり、指を舐めたりするクセがある
人によって不快に感じる感触は異なりますが、これの不快感は感覚的なものではなく生理的なものなので、慣れや我慢で解決できるようなものではありません。
例えば、多くの人にとって心地よいシャワーが肌に当たる感触を「痛い」と感じることがあるほど、感覚過敏は子ども本人にとって苦しい症状なのです。
このため特定のものや、いつ他人に触れられるかわからない体育館や集会場から必死で逃げようとして、周囲の友人や大人とトラブルを起こしてしまうことがあります。
触覚過敏の困りごとはどうやって解決すればいい?
触覚過敏による子どもの困りごとは、それぞれ以下のように対策すると良いでしょう。
- 日常的に触れるものに不快感があるなら…
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- まず、子どもが不快を感じる感触の種類や傾向を知る
- 縫い目、タグの有無や質感を含め、洋服の生地の種類と感触を確かめ試着してから買う
- 服の圧迫感に不快を感じるようなら、基本的にワンサイズ大きめのものを選ぶ
- 着用が避けられない下着や靴下類は特に、子ども本人が不快を感じにくいものを探す
- 苦手な感触で着用を避けられる特定の素材のもの(セーターなど)は無理に着ない
- 肌に合う服を見つけたら、複数枚まとめ買いしてストックするようにする
- タグを外す、ゴムを変える、紐を付け替えるなど触れられるよう改造するのも良い
- 服装はデザインよりも、本人が試着して気に入ったものを最優先にする
- 他人から触れられることに不快感があるなら…
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- 学校の先生や親しい友人、家族に触れられるのが苦手をあらかじめ伝えておく
- 水や砂など、特定の苦手な感触に触れられなくて済むよう周囲に協力を求める
触覚過敏は周囲から見てわかりにくく、不快を感じる原因によっては、理解してもらうのが難しいケースもあります。
子ども本人には原因となる不快な感触の種類と傾向を自覚させ、親からは周囲に協力を求めるかたちで、トラブルを避けられるよう一緒に対策していきましょう。
おわりに:触覚過敏の子どもには、特定の感触や集団を嫌うなどの特徴がある
感覚過敏の一種である触覚過敏の子どもは、特定のものに触れることや、他人から触れられることに強い不快を感じます。このため、はた目から見て必要以上にくすぐったがったり、特定の遊びを嫌がったり、人がたくさんいる集会場や体育館でトラブルを起こすなど特徴的な言動が見られます。子どもが触覚過敏に苦しんでいるときは、まず不快の原因となる感触を探ってください。そのうえで原因を避けられるよう、服装や生活を工夫しましょう。
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