先天性の脳の仕組み・働き方の違いから、男女問わず発達障がいは発生します。
しかし発達障がいの女性には、男性にはない特徴や特有のトラブルを抱えやすいといわれているのです。
今回は女性の発達障がいについて、その独特の傾向やよくあるトラブルとその対処法について解説していきます。
女性の発達障がいにはどんな傾向がある?
発達障がいによって現れる症状は、その人が持つ発達障がいの種類や特性によって変わってきますが、性別による傾向の違いも確認されています。
女性の発達障がいについてわかっている特徴・傾向としては、以下が挙げられます。
男性、男児に比べて発達障がいの特性が現れにくい
ADHDや自閉症など、同じ種類の発達障がいを持っていても、女性の場合は症状の現れ方がわかりにくく、周囲に気づかれにくいとされています。
例えば、一般的に多動が多く現れることで知られるADHDの場合でも、女性に多動は現れにくく、不注意による小さなミスなどが頻発するかたちで現れる傾向があるといわれています。
このため、本人も周囲も「うっかりした子」程度の認識のまま、発達障がいの特性であると気づけずに年齢を重ねてしまいやすいと考えられているのです。
気づかれにくいゆえに、二次障がいを発症しやすい
発達障がいが原因のトラブルや失敗体験を積み重ねると、発達障がいの人は次第に精神的に追い詰められ、以下のような二次障がいを発症することがあります。
- 発達障がいが原因で起こり得る二次障がいの例
- うつ病や不安障がい、引きこもり、不登校、依存症、行為障がい、犯行挑戦性障がい など
特性がわかりにくく、発達障がいであることを周囲に気づかれにくい女性は、必要な支援を受けられないまま二次障がいを併発するリスクも高いのです。
大人になってから起こりやすいトラブルは?
発達障がいの女性が、大人になってから直面しやすいトラブルとしては、職場での人間関係が挙げられます。
職場の人間関係のトラブルは、男女問わず発達障がいの人が直面しやすい問題ですが、とくに同性同士の関係性に気遣いが必要な女性に顕著な傾向があります。
「女性同士の輪に入れない」「女性のなかでうまく立ち回れない」などの悩みを抱える発達障がいの女性は非常に多いといわれていますが、基本的に「仕事上の成果」を第一に求められる職場において、職場の同僚女性と友達になったり、他者と仕事以外の会話をする必要は必ずしもありません。
仕事を円滑に進めるために、どうしてもコミュニケーションが必要な場合は、聞き役に回ってうまく相槌を打ち、やり過ごすこともできます。
二次障がいにつながるような強いストレスを感じてまで無理に女性同士の輪に入る必要がないということを覚えておきましょう。
おわりに:女性の発達障がいは気づかれにくく、同性同士のトラブルに巻き込まれる原因になりやすい
男性に比べ女性の発達障がいは、特徴的な症状が現れにくいため、本人も周囲も気づきにくいとされています。
その結果、適切な支援を受けられないまま大人になった発達障がいの女性は、学校や職場での同性同士の関係に苦しみ二次障がいを発症する人が多くなるという特徴があります。
違和感や人間関係の悩みの原因が発達障がいかもしれないと思ったら、早めに精神科などの医療機関や専門機関に相談してみてください。
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