発達障がい者支援法ってどんな法律なの?

わが国には、発達障がいの人が自立・社会参加しながら暮らしていくための支援を提供することを目的に、発達障がい者支援法が制定されています。

今回は発達障がい者支援法がどのような法律なのか、法律制定の経緯やその後の変化、具体的な内容についてもご紹介します。

発達障がい者支援法が作られた背景は?

発達障がい者支援法は、知的障がいを伴わない発達障がいの人々が必要な支援を受けられる社会をめざし、2004年に施行されました。
支援法の施行以前、発達障がいの人達は社会生活・日常生活に困難を抱えているにもかかわらず、学校や職場で支援を受けられずに困難を抱えていたと言います。

そこで発達障がい者支援法は、以下のように発達障がいを定義づけし、発達障がいという言葉とカテゴリーを世間に定着させたと言われています。

発達障がい者支援法により、発達障がいに含まれたもの
自閉症、アスペルガー症候群、注意欠陥多動性障がい、学習障がい、トゥレット症候群、吃音 など

これに伴い、障がい者基本法や障がい者総合支援法の支援対象にも、発達障がいの人が含まれることも明確化され、国や自治体には教育機関や企業を通し、個々の発達障がい者の特性に合わせた支援を提供する義務が生まれたのです。

さらに2016年には、より現実に即した支援を届けられるようにするため、発達障がい者支援法が以下のように改正されています。

2016年の改正で、発達障がい者支援法に新たに盛り込まれたこと

教育面において…
  • 障がいのある子どもが、他の子どもと一緒に教育を受けられるよう計画し取り組む
  • いじめ防止対策や、福祉機関との連携をより進める
就労面において…
  • 国や自治体が、発達障がいの人の働く機会の確保、職場への定着を支援するよう規定
  • 事業主には、働く本人の能力を適切に評価したうえで、特性に応じた雇用管理を求める
その他
  • 刑事事件などに伴う取り調べ時、裁判で不利にならないよう意思疎通の手段を確保する
  • 都道府県、政令指定都市には、関係機関による協議会設置を盛り込むこと

発達障がい者支援法の内容って?

ここからは、発達障がい者支援法の内容について、もう少し詳しく見ていきましょう。2016年以降、発達障がい者支援法では、発達障がいは個人の問題ではなく社会の問題であるとする「社会モデル」の考えが示されています。

社会モデルとは、障がいによって発生する不利益は、社会構造や環境の不備が原因である、という考え方です。

そこで発達障がい者支援法では、人口50万人以上の都市には発達障がいのある人への総合的な支援を行う「発達障がい者支援センター」設置を義務付けています。

発達障がい者支援センターとは

医療、保健、福祉、教育、労働などの各関係機関と連携し、巻きこみながら、発達障がい者を支援する機関。発達障がいの疑いがあるときの、相談先にもなります。

国や自治体、関係機関、国民一人ひとりの社会全体で支援の責務を分け合って連携し、発達障がい者の一生に切れ目なく、必要な支援を提供しようとしているのです。
具体的には、以下3つのねらいの実現をめざした内容となっています。

  • 発達障がい者に対する障がいの定義づけと、発達障がいへの理解の促進
  • 発達障がい者の自立、社会参加のための生活全般にわたる支援の促進
  • 発達障がい者支援を担当する部局相互の緊密な連携の確保、関係機関との協力体制の整備

おわりに:発達障がい者支援法は、発達障がい者への切れ目ない支援を実現するため制定された

知的障がいを伴わない発達障がいの人は、かつて、社会生活・日常生活に困難を抱えながらも、支援の手を差し伸べられずにいました。そんな発達障がいの人達が制度の谷間に取り残されることなく、支援を受けられるようにと2004年に制定されたのが、発達障がい者支援法です。2016年には改正され、乳幼児期はもちろん、大人になっても切れ目なく必要な支援を受け続けられるようにするための内容が盛り込まれています。

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