新型コロナウイルス感染症拡大で、育児にもさまざまな影響が出ています。コロナ過ならではの困りごとに悩んでいる家庭もあるでしょう。
子どもの発達障がいやグレーゾーンの悩みごとの解決をめざすWebサイト「パステル総研」は、育児における会話の困りごと解決をサポートする「おうち時間を楽しく過ごす親子のコミュニケーション3つのSスマイル編」限定動画を公開しました。
発達障がいは表情から相手の気持ちを理解するのが苦手?
発達障がいの人は、表情や仕草から相手の思っていることを察するのが苦手とされています。だからといって、他人の感情を読み取ることができないわけではありません。
日本国内の研究で、7〜11歳の自閉症児と定型発達児の表情の認知を比較した調査があります。実験では、怒りの表情と笑顔の表情、その中間の表情という3種類の表情の線画を呈示し、子ども達の反応を分析しました。結果、発達障がいでも定型発達でも、実験対象となった子どもたちは怒り顔を認知する速度が速かったのです。(参考:「自閉症児における怒り顔発見の優位性の発達的変化」)
この研究からわかるのは、発達障がいの子どもも表情の違いを識別しているということです。笑顔よりも怒り顔の認知速度が速いというのも興味深いですよね。つまり、普段の生活でも周囲の大人や友達の表情が怒り顔になったときは、発達障がいの子どもは変化を敏感に察知している可能性があります。一方で、笑顔の認知速度は比較的遅い可能性があり、ポジティブな感情やリアクションを表情で表しても、うまく伝わっていないかもしれません。
笑顔については、定型発達の大人でも悩むことがあります。自然な笑顔、好印象を与える表情を身につけることは、仕事やプライベートの人間関係の向上につながります。笑顔はコミュニケーションにおいてとても重要な表現のひとつなのです。
感染予防のマスクがコミュニケーションに及ぼす影響って?
明るい表情は安心感や親近感をもたらしますので、顔が見えているとほっとすることがありますよね。反対に、相手が暗い表情をしていれば、「今日は体調が悪いのかな」など気遣いのきっかけになることもあります。相手の表情によって、私達は対応を変えているというわけです。
ところが、新型コロナウイルス感染症拡大予防のためマスク着用が推奨され、表情の大部分が見えなくなりました。表情が見えないコミュニケーションについて、悩む人も多いのではないでしょうか。
2020年7月に、株式会社マンダムは「コロナ禍の対面コミュニケーションとおしゃれ・身だしなみに関する意識調査」を実施しました。同調査によると、マスク着用時のコミュニケーション課題として、下記の項目が多く挙げられました。
- 相手の声が聞きとりにくい(46.9%)
- 相手の表情が読み取りづらい(36.4%)
- こちらの感情が伝わりにくい(22.1%)
非言語コミュニケーションの課題が目立ち、表情や声といった非言語コミュニケーションの重要性を再認識する結果となりました。
育児に活用したい発達障がいの親子コミュニケーション支援動画
発達障がいやグレーゾーンの場合、相手の感情を察することや言語コミュニケーションが苦手な傾向がみられます。
マスクを着用していると、さらに表情が読み取りづらい上、声も聞き取りづらくなります。マスクを着用した状態のまま言葉で説明する場合、聞き手が内容を理解することがますます難しくなるでしょう。子育て中は、ママからお子さんに「5時までに片付けをしようね」など言葉がけで行動を促すことがありますが、マスク着用の影響でなかなか伝わらないという不安があります。
子どもの発達に関する情報を発信する「パステル総研」では、発達障がいやグレーゾーンの子どもとの会話のコツをまとめた限定動画「3つのSスマイル編」をWeb上に公開しました。
「おうち時間を楽しく過ごす親子のコミュニケーション3つのSスマイル編」はこちら
動画では、お子さんとの言語コミュニケーションをスムーズにするための方法について、笑顔の重要性にポイントを置きながら紹介しています。
3つのSのうち、残りの2つは別動画での公開となります。
パステル総研では今回の動画のほか、 「ゼロから学べる 発達障害&グレーゾーンの対応無料メール講座」の登録も受付中です。
おわりに:コロナ過も親子コミュニケーションを円滑にしていきましょう
2020年から始まった新型コロナウイルス感染症への対策はまだまだ終わりが見えません。マスクの着用、手洗いは必須の習慣です。マスクで表情が見えにくくなることは、親子や学校などのコミュニケーションに影響を及ぼします。発達障がいのお子さんとのコミュニケーションにも工夫をしてみてはいかがでしょう。
(画像:PRTIMES)
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