発達障がいのお子さんの中には、感覚統合に偏りがみられる子どももいます。感覚統合は遊びを通して成熟していきますが、どんな遊びでどのような効果が期待できるのでしょう。
家族のお出かけスポットでできる感覚統合遊びや自宅でできる室内遊びを紹介していきます。
感覚統合が未成熟だと転びやすい?
私たちの体は、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の五感、固有受容覚、前庭感覚の感覚を使ってさまざまな刺激を受けとっています。脳は刺激を整理・分類し、体をコントロールしているのです。
刺激を受けとって体をコントロールするこの働きを、感覚統合といいます。感覚統合は子ども時代から発達し、成熟していきます。
感覚統合が未発達の場合、下記のような特徴が現れます。
- 落ち着きがない
- 乱暴な動作が多い、多動がみられる
- ハサミを使うなど手指を使った細かい動作が苦手
- 転びやすい
- 力の加減をするのが苦手で強くたたいてしまう
- 人に触られることを嫌がる
- 言葉の発達がゆっくりである
こういった特徴は、発達障がいによる特性と似ていますよね。感覚統合の偏りや未成熟は、発達障がいと関わっている場合もあります。そのため、感覚統合を成熟させるサポートである感覚統合療法は、療育としても活用されています。
スポーツアスレチック施設などでできる感覚統合遊び
家族でアスレチック施設などに出かけることもありますよね。おうちにはない大きな遊具でうれしそうに遊ぶ子どもが多く見られますが、これらの遊具も感覚を刺激してくれるのです。
広いスペースでできる感覚統合遊び
- サーキット遊び
- マット運動
- すべり台
- ブランコ
- トランポリン
- 平均台
- ボールプール
- ウォールクライミング など
体育館やアスレチック施設などでできる遊びは、大きな運動ができることが特徴です。体を回転させたり、上下運動、ジャンプなどいろいろな動きを楽しめます。全身の筋肉、関節、バランス感覚を養う遊びとしておすすめです。
足や手で遊具に触れたり圧迫を感じることもできます。またボールプール遊びでは全身にボールが触れる感覚が刺激されるほか、平面の床を歩くときとは異なるバランス感覚が必要になるのも子どもには面白く感じられるでしょう。
ウォールクライミングは全身運動でもあり、手指の使い方、上まで登るために体の動きを組み立てる思考力を伸ばせます。
おうち時間におすすめの感覚統合遊び
次に、自宅で手軽にできる感覚統合遊びを紹介します。
- クッションキャッチ
- 新聞ちぎり
- ビニールのプチプチつぶし
- 片足バランス
- ねんど遊び
家にあるクッションをキャッチボールのように投げて受け取る遊びを通して、眼の動きや空間把握能力を養います。
新聞ちぎりやビニールのプチプチつぶしは手指を使った細かい作業が苦手な子どもにおすすめです。
片足バランスは、平衡感覚を養うことができる遊びです。家族で誰が一番長く片足立ちを保てるかゲーム形式で遊ぶのも楽しいですね。
ねんど遊びは触覚や創造力が刺激されるでしょう。ねんどで作ったものに色を塗ることも感覚の刺激につながります。
おわりに:感覚統合は子どもが喜ぶ室内遊びでも成熟を促せる
感覚統合は、発達障がいと関わっている場合もあります。お子さんの行動や情緒面が気になる場合は、遊びを通して感覚を刺激することがおすすめです。一緒にお出かけしたときや自宅で過ごす日も、感覚統合遊びをこまめに取り入れていきましょう。
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