仕事のミスの多さや散らかったデスクなど、仕事をしていると周りの人と自分の違いに気づくことがありますよね。その特徴はもしかすると発達障がいの特性によるものかもしれません。大人の発達障がいが引き起こすトラブルや悩みは、SST(ソーシャルスキル・トレーニング)で改善可能といいますが、大人のSSTのポイントはどんなものがあるのでしょう。
SSTが必要なのはどんな人?仕事の困ったあるあるチェック
学生時代は大きな問題や悩みに直面していなかったけれど、就職して社会に出たころから「自分は発達障がいかもしれない…」と不安になる人は少なくありません。
子どものときに発達障がいと診断されず、大人になって特性によるトラブルが発生する人の特徴としては下記のようなものがあります。
- 忘れ物が多い
- 遅刻が多い
- うっかりミスや単純ミスを繰り返す
- デスクの片付けが苦手
- 仕事の優先順位がつけられない
- スケジュールが立てられない
- 急な予定変更でとても焦る、パニックになる
- すぐカッとなって冷静さを欠く
- 同僚や顧客の気持ちを察するのが苦手
発達障がいの人が大人に成長すると、上記のような特徴が仕事において影響を及ぼすことが多くみられます。
忘れ物や遅刻は上司や同僚からの評価に関わりますし、仕事の成果が思うように伸びない状況に陥ることもあるでしょう。発達障がいであることがわからないままで、対策やサポートのないまま過ごしているうちに、周囲からの誤解や叱責を招く人もいます。
そのため大人の発達障がいでは、社会生活を送るなかでストレスを抱えやすく、うつ病など精神障がいを発症(二次障がい)する可能性が高いという特徴があります。心当たりのある人は早めにSST(ソーシャルスキル・トレーニング)に取り組み、トラブルを予防・回避する術を身につけることをおすすめします。
仕事のミスやトラブルをなくしたい!STTを受けられるのはどこ?
ソーシャルスキル・トレーニングとは、社会生活を営む上で必要なコミュニケーション能力や対人スキル、日常生活スキルの習得の訓練です。
ここからは、大人のSSTを受けられる病院や施設を紹介します。気になる人は最寄りの施設のHPをチェックしたり問い合わせしてみましょう。
- 精神科
- 就労・生活支援センター
- 就労移行支援事業所、就労継続支援A型・B型事業所
- 自立訓練事業所
- 地域活動支援センター
- 若者サポートステーション など
なかには、就労支援事業所による就職支援に特化したコミュニケーション能力向上、生活能力の安定をサポートする取組もあります。
就職のサポートをする支援機関の例として、ディーキャリアを紹介します。
ディーキャリアの就労支援
- 「働く」に必要なスキルの習得(コミュニケーション力、障がい特性による苦手への対処力、ストレス対処力、ビジネスマナー、感情と付き合う力)
- 「働く」のスタンダードを身に付ける(勤怠(生活リズム)の安定、障害の自己受容、就労意欲・仕事への熱意)
ご自身の特性への自己理解を深めつつ、どんなスキルの習得が必要か考えてみましょう。
大人の発達障がい向け参考にしたい本
大人の発達障がいではSSTに早期に取り組むことで、二次障がいの予防やトラブル回避につながると説明してきました。しかし、社会人になると自由に使える時間が少なかったり、SSTの実施時間とスケジュールが合わないこともでてきますよね。
そんなときは、発達障がいの課題と改善方法のヒントが書かれた本を読むことをおすすめします。大人の発達障がいに関するおすすめ書籍を紹介しますので、空いている時間に読んで参考にしてみてはいかがでしょう。
『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に働くための本』
仕事・職場のシーンに特化した、発達障がいの人のお悩み解決をサポートする本。PC関連の仕事術や付箋の効果的な使い方、コミュニケーションのための練習法など、仕事で実践したいビジネススキルを紹介。
『発達障害の人のための上手に「人付き合い」ができるようになる本』
親子、学校、職場、夫婦、恋愛などの具体的な例を挙げながら、人間関係を円滑に構築するためのポイントをやさしく解説。発達障がいカウンセラーによる生きづらさを軽くするアドバイスを読める本。
『大人の自閉症スペクトラムのためのコミュニケーション・トレーニング・ワークブック』
自閉症スペクトラム(ASD)の自己理解やコミュニケーション能力向上を目指す人に向けてつくられたプログラム参加者向けワークブック。
おわりに:もしかしたら発達障がいかも?と思ったら早めにSSTに取り組みましょう
大人の発達障がいは、うつ病などの二次障がいを発症しやすいこと、仕事に影響を及ぼしてしまうことなどの課題が発生します。このような課題は、SSTを早期実践することで予防につなげることができますので、発達障がいかもしれない特徴がある場合は、早めに相談機関に問い合わせてみましょう。
コメント