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発達障がいの小学生に現れやすい特徴とは?

人間関係改善のヒント
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発達障がいとは、注意欠陥・多動性障害、自閉症スペクトラム障害、学習障害などを中心とした脳機能障害のことです。このため、一般的な人(定型発達)と比べてできることとできないことの差が激しく、その特性は「凸凹している」と表現されることもあります。

では、発達障がいの小学生には、どのような特徴があるのでしょうか。目立ちやすいトラブルや困りごとを中心にご紹介します。

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発達障がいの小学生が抱えやすいトラブルとは?

発達障がいの小学生は、以下のようなトラブルを抱えやすいとされています。

友人関係でのトラブル
  • 同世代の子供とうまく遊べない
  • 気持ちをコントロールできず、喧嘩になりやすい
  • 空気が読めないなど、その場に合った行動をできず、いじめられてしまう
学習面でのつまずき
  • 本人は精一杯頑張っているのに、授業についていけなくなる
  • 授業態度が悪いと注意されやすい
  • 忘れものが多く、学習に支障をきたす
暴力衝動、破壊衝動
  • 嫌なことがあると、かんしゃくを起こして暴れる
  • 衝動的に友人や親に手を出したり、物を壊したりする
不登校
  • 集団生活に馴染めず、学校生活が苦痛になる
  • 授業についていけず、学校に行きたがらなくなる
  • 生活リズムが崩れ、登校できなくなる

小学校は、幼稚園や保育園での小規模で比較的ゆるやかな集団生活とは異なり、より大きな単位での本格的な集団生活が始まります。同時に、算数や国語などの具体的な学習も始まり、授業をずっと座って聞いていることや、集中して問題を解いたりすることが難しい発達障がいの子供にとっては、トラブルが目立ちやすくなってくる時期です。

では、具体的に学年ごとに起こりやすいトラブルや失敗、困りごとについて見ていきましょう。

低学年(1〜2年生)に起こりやすい困りごととは?

小学校低学年の時期は、定型発達の子供たちもまだ幼児性が強く残っていることから、発達障がいによる特性と、練習やしつけが足りていないだけ、本人がなまけているだけの状態がわかりづらく、教師など周囲の大人から強い指導や叱責を受けてしまうこともあります。

この時期に後味の悪い失敗体験が続いてしまうと、自尊心の発育が損なわれてしまう可能性がありますので、成功体験を増やすことはもちろん、「失敗したけれど、後で挽回できた」「失敗したけれど、一生懸命頑張ったからいい経験になった」というように、できるだけ失敗体験もポジティブに捉えられると良いでしょう。

また、生活面や学習面では、とくに以下のような困りごとが現れやすいとされています。

生活面での困りごと
  • 授業中ずっと座っていられず、席を立ってしまう
  • 気持ちをコントロールできず、嫌なことがあると物に当たったり、自傷・他害行為が出たりと癇癪を起こしてしまう
  • ルール意識が強く、それを守らない人のことを受け容れられない
  • 座る場所や道順などのルーティーンにこだわり、例外に対応できない
  • 他人との距離感が過剰に近すぎたり遠すぎたりと、極端になる
  • 感覚が過敏または鈍麻である(人が気にしないような音や味が気になるなど)
学習面での困りごと
  • 拗音・撥音・長音など、イレギュラーな読み方の規則を習得しにくい
  • 「わ」と「れ」など、似たような字の書き分けが苦手である
  • 二文字以上の単語をまとめて認識できず、一文字ずつ追って読む
  • 計算の繰り上がり・繰り下がりが理解できない

中学年(3〜4年生)に起こりやすい困りごととは?

中学年では、「9歳の壁」と呼ばれる発達段階の大きなハードルに直面します。この時期は、定型発達の子供ですら学習面でも生活面でも、交友関係においてもさまざまな「壁」に直面する時期なのです。例えば、小学校低学年では目に見えやすい具体的な数や身近な漢字などを扱っていたのに対し、算数では小数や分数など、理科や社会では電気や地図などといった概念的な分野を取り扱うようになります。

また、集団の中でのルールを理解し、遊びにおいては自分たちでルールを取り決め、そしてそれを守る、というように、集団との関わり方も活発になるのがこの時期です。すると、やはりどうしても発達障がいの子供では、失敗体験が目立つことも多く見られます。「自分は何をやってもどうせダメなんだ」というように、自尊心の発育に支障をきたさないよう、よく注意して見守っていかなくてはなりません

この時期の生活面や学習面では、以下のような困りごとが現れやすいとされています。

生活面
  • サッカーや野球などのチームスポーツで、一番になるまで勝負を続けようとしたり、自分に有利なようにルールを変更したりするなど、勝敗に非常にこだわる
  • 親や先生よりも友人を大切にするようになる「ギャングエイジ」と呼ばれる世代でもあるが、友人関係における「暗黙のルール」が複雑化してくることから、友人関係がうまく築けなくなってしまう
  • 学校で使うプリントをうまく管理できない、翌日の準備が一人で行なえない、などの問題が出てくる
学習面
  • 小数・分数など、抽象的な概念を理解することができない
  • 手先が不器用なため三角定規やコンパスなどの道具をうまく扱えず、図形を綺麗に描けない
  • 事実を文章に書くことはできても、他者の視線を想像する力に欠けるため、自分の意見や感想を文章にすることができない

高学年(5〜6年生)に起こりやすい困りごととは?

高学年は身体が大きく成長し、定型発達の子供では自分のことを客観視する力が大きく育ち始める時期です。身体がまだ小さい子も、既に中学生のように大きくなる子もいて、そうした発達の個人差などをまざまざと目の当たりにすることで、多くの子供は子供らしい「全能感」が弱まり、自己肯定感が下がり始める時期とも言えます。

発達障がいの子供は他者の目線を想像する力に欠ける特徴があるものの、この頃になると周囲の目を気にし始める子も出てきます。しかも、その特性上、本人がどんなに努力していても克服できない問題がどうしても出てきてしまいます。そのときに自分の特性や、特性に対する適切な対処方法がわからないと、「みんなはできるのにどうして自分はできないのだろう」と劣等感ばかりが高まってしまうことも考えられます。

逆に、外から見てうまくいっているように見えても、本人にとっては無理をし続けていて、心身のバランスを崩してしまうこともあります。周囲の目を気にしすぎず、子供自身が自分の特性について良いところと、どうしても皆と同じにできないところを自覚し、困難な状況についてはどう対処していくかを考えながら、自分自身を大切にできるよう、大人がサポートしてあげられると良いでしょう。

この時期には、生活面や学習面で以下のような困りごとが現れやすいとされています。

じっとしていられないことは減ってくるものの、不注意が目立つようになってくる
  • 集中力が続かなかったり、授業中にぼーっとしていて話を聞いていないように見えたりする
  • 第二次性徴期を迎え、身体が変化していくことに意識が追いつかない
  • 同性との性に関する会話についていけず、盛り上がれない
  • 帰属意識が弱く、特定の友人グループに所属して過ごすことが苦手
学習面
  • 周囲の子が小数と分数の四則計算ができるようになったりする中、通分や約分などが必要な手順が難しい計算を理解できない
  • 基礎的な問題であっても、計算時のケアレスミスがいつまでも目立つ
  • 宿題や板書を写すのに時間がかかりすぎてしまい、授業についていけなくなる
  • 学校で扱う文章の難易度が上がり、出てくる語句の意味や、長文の内容を理解できなくなる

もしかして発達障がいかも?チェックしてみよう

発達障がいによる特性には、個人差も大きいものの、ライフステージによって目立つ特徴が現れることもあります。そこで、小学生の頃に目立ちやすい特徴を以下にまとめました。もし、自分や周囲の子供が発達障がいかもしれないと思ったら、一度チェックしてみてください。

集団にうまく馴染めない
  • 年齢相応の友人関係がない
  • 周囲にあまり配慮せず、自分が好きなことを好きなように活動する
  • 人と関わるときは、何かしてほしいだけのときが多い
  • 基本的に一人遊びを好み、誰かと一緒に遊ぶことがあまりない
  • 人の気持ちや意図を汲み取ることが苦手である
臨機応変に対応できない
  • 決められたルールを好む、または異常にこだわる
  • 言われたことを場面に応じて対応させられず、杓子定規な対応になる
どのように、なぜ、といった説明が苦手
  • 言葉をうまく扱えず、単語は覚えても意味まで理解していない
  • 自分の気持ちや他人の気持ちを言葉にしたり想像したりするのが苦手で、うまく説明できない
忘れっぽい、注意力散漫である
  • 注意力が散漫で、興味の対象がころころと変わる
  • ものを忘れたり、失くしたりしてしまうことが多い
  • 他の人に話しかけられても、ぼーっとして上の空に見られる
じっとしていられない
  • 授業中など、じっとしていなくてはならないときにも座っていられず、歩き回ったりする
衝動的な行動が見られる
  • 突然話しかけ、他人の邪魔をしてしまう
  • 突発的な行動を起こすことがあり、自分の怒りの感情をコントロールできない
  • 友達と仲良くできず、トラブルを引き起こしてしまうことが多い

また、授業についていけないのは、発達障がいの中でもとくに「学習障害」と呼ばれるタイプのものかもしれません。以下のような特徴に多く当てはまるなら、学習障害を疑ってみましょう。

読字障害(ディスレクシア)
  • ひらがなや漢字が読めない
  • 辿り読みや推測読みをする
  • 行を飛ばして読んでしまい、そのことに気づかない
  • 文章を読むのを極端に嫌がる
書字障害(ディスグラフィア)
  • 線を抜かしたり、鏡文字を書いたりするなどうまく文字を書けない
  • 板書ができない、または時間がかかる
  • 行やマス目に合わせて書けず、大幅にはみ出してしまう
  • 文字を書くのを極端に嫌がる
算数障害(ディスカリキュア)
  • 数が数えられない、飛ばしてしまう
  • 時計が読めない、時間がわからない
  • 計算ができない
  • 筆算をするとき、数字がずれて間違えてしまう
  • 計算を嫌がる

小学生の子供が発達障がいかも…と思ったとき、どこに相談すればいい?

上記のチェックリストなどを確認して、自分の子供が発達障がいかもしれない、と思ったら、まずは以下のような場所に相談してみましょう。どこに相談していいかわからず迷ってしまう、という場合は、最寄りの役所の障害福祉課に問い合わせてみるのがおすすめです。また、幼稚園や保育園に通っている場合は、園の先生に相談することでも、適切な相談先を紹介してもらえるかもしれません。

市区町村保健センター
  • 市町村によって設置された施設で、母子保健や老人保健に関する相談や、幼児健診・予防接種・がん検診などを行う
  • 発達障がいに関しては、発達や言葉に対する相談のほか、医療機関の紹介もしてもらえる
  • 1歳半・2歳・3歳児健診などのときに、気になることがあれば相談してみると良い
児童相談所
  • 各都道府県や政令指定都市に設置された施設で、0〜17歳までの児童に関するさまざまな悩みごとを相談できる
  • 育成や保健の相談のほか、発達障がいの相談ができ、発達検査を受けられる
  • 医師・児童福祉士・保健士・児童心理士・言語聴覚士などの専門家から、療育についてのアドバイスを受けられる
子育て支援センター
  • 厚生労働省の子育て支援事業として設置されている施設で、自治体や民間委託で運営している
  • 孤立しがちな子育て家庭と地域をつなぎ、育児不安に関する相談や適切な機関の紹介を行っている
発達障害者支援センター
  • 発達障害者支援法に基づく施設で、発達障がいの子供を持つ親や関係機関からの相談を受け、発達障害の支援を専門に行う
  • 各機関の協力のもと、保健・教育・労働などに関わる支援が行われる
  • 家庭での療育について専門家からアドバイスを受けられ、必要なら福祉制度の利用や医療機関の紹介もしてもらえる
  • 電話相談も可能

発達障がいを持つ人は、「発達障害者支援法」によって上記のような療育相談のほか、専門的な支援などの行政の福祉サービスを受けられます。相談のタイミングは、子供の発達について気になることがあったとき、行きやすいところに相談するのが良いのですが、1歳半〜3歳児健診の際に一緒に相談してみるのも良いでしょう。

相談の流れとしては、以下のようになります。

  1. 相談窓口に行き、面談をする
  2. 面談の内容により、必要と判断された場合は医療機関などを紹介してもらう
  3. 医療機関で、発達障がいの検査や知能検査などを受ける

面談の内容によっては、医療機関の受診は必要ない、あるいは経過観察してみましょう、と言われることもあります。例えば、鏡文字などは定型発達の子供でもよく見られる症状なので、それが見られただけでは発達障がいとは断定できません。このように、経過観察となった場合は、しばらく様子を見てみましょう。

もちろん、他にも気になる症状が現れたり、ずっと同じ症状が続いてしまったりする場合は、再度相談して構いません。ただし、正確な診断は医師でなくてはできませんので、この記事にもあるチェックリストなどは、あくまでも目安の一つとして考え、保護者が決めつけないようにしましょう。また、医療機関で検査を受けた後は、診断内容によって各福祉サービスや支援・治療、療育を受けます。

こうした相談をするのは無料ですし、最初の1回だけが無料というわけではなく、継続して相談もできます。ただし、必要と判断されて医療機関を受診する場合には、紹介先の医療機関での受診料が発生します。発達障がいの検査は、保険が適用になるものとならないものがありますので、こうした点には注意が必要です。

相談の時点では検査や診断をするわけではないので、身構えず気軽に相談して構いません。ただし、その際に生育歴や日頃の様子を聞かれますので、気になることはメモしておき、持っていくと相談をスムーズに進められます。とくに、現状起こっている困りごとや、言葉・行動・コミュニケーション・生活リズムなどで気になることを整理しておくと良いでしょう。また、生まれてから現在までに何か目立った症状などがあった場合にも書き留めておき、母子手帳と一緒に持参しましょう。

相談のときは、その場で子供の様子を見るためにも、できるだけ一緒に連れて行きましょう。じっとしているのが苦手、走り回ってしまう、人と話すのが苦手、なども発達障がいの特性としてよく見られることですので、専門家はもちろん理解しています。安心して相談しに行きましょう。

発達障がい専門の病院やクリニックが近くにないという場合、子供なら小児科や児童精神科でも診療を受けられることがあります。こうした医療機関も保健センターや発達障がい支援センターで必要に応じて紹介してもらえますので、まずは相談してみましょう。

おわりに:発達障がいの小学生は、学年ごとに困りごとが異なって現れる

発達障がいの小学生は、大人の発達障がいでよく見られる人間関係のトラブルのほか、板書が遅れたり文章の意味を理解できなかったりして、授業についていけなくなる学習面でのトラブルも見られます。

もし、自分の子供が発達障がいかもしれない、と思ったら、まずは保健センターや子育て支援センターなどの窓口に相談してみましょう。そこから必要に応じて医療機関などの適切な相談先を紹介してもらえます。

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