発達障がいのうち、アスペルガーの人には独り言の症状が出る場合があります。
今回は独り言のうち、アスペルガーが原因の可能性があるものの見分け方、またアスペルガーの人が独り言を減らすためにできることを解説していきます。
危ない独り言と心配ない独り言の違いって?
危ない独り言と心配ない独り言には、それぞれ以下のような特徴が見られます。
危ない独り言の特徴
- 幻覚や幻聴など、実在しないものへの反応として発するもの
- 誰かに話す様なトーン、突然笑う、叫ぶ、怒る など
- 自分自身をネガティブな感情、記憶に引っ張っていくようなもの
- 「やっぱり自分はだめだ」「あのときもこうだった、だから今回も無理だ」など
- 他者への印象を悪くし、その後ずっと悪印象を引きずり続けるようなもの
- 「あいつのこういうところが嫌だ」「だから○○は嫌いなんだ」 など
心配ない独り言の特徴
- テレビへのツッコミや予定確認など、ついつい誰でも発してしまうような内容
- 「あ、次はあれをやらなきゃ」「忘れてた」「(テレビに対し)えー」など
- 一時的な感情や、ストレス発散のために発したもの
- 「ちくしょう」「あー嫌だなあ」「眠いなあ」 など
- 自分への良い暗示、高いパフォーマンスをするために発するもの
- 「自分ならできる」など
上記のうち、危ない独り言の特徴に複数当てはまるようなら、専門の医療機関・医師に早めに相談すべきでしょう。
アスペルガーの独り言の特徴は?
アスペルガーの人は文章を黙読したり、考え事や空想を頭のなかだけで行う「内言語機能」が、他の人に比べて乏しいと言われています。
つまり、頭のなかだけで文章や言葉を読んだり、整理することが非常に苦手なのです。
このため、本人も無意識のうちに頭のなかに出てきた言葉を口に出したり、独り言を言いながら考え事をするのが習慣化しています。
具体的には、特に以下のようなシチュエーションでアスペルガーの人が独り言を発しやすいことがわかっています。
- ストレスや不安を感じたとき、自分の精神を落ち着けるために
- 不安なことがあり、周囲の人に助けを求める意味合いで、ぶつぶつ言う
- 大きなストレスを感じているとき、その発散のために大声を出してしまう
- 自分の想像や空想が、無意識のうちに独り言として出てしまう
アスペルガーの人は、どうしたら独り言を減らせる?
アスペルガーの人の多くは、自分が独り言を言っている自覚がありません。
このため、まずはICレコーダーや防犯カメラ、スマホの録音・録画機能を使って自分を長時間撮り続け、本人に独り言を自覚してもらう必要があります。
客観的に自分が独り言を言う姿を見ることだけでも、独り言を辞められる人もいます。
もし、自覚した後もアスペルガーの人が独り言を辞められないようなら、以下の方法を試してみてください。
- アスペルガーの人が、独り言を少なくするためにできる対策
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- 定期的に汗をかくくらいの運動をして、ストレスを発散する
- 夜の何時間、トイレだけなど、独り言を言って良い時間や場所を自分で限定する
- あえて独り言の言えない状況に長時間身を置き、言わない訓練をする
おわりに:アスペルガーの独り言は、自覚と努力で減らすことができる!
幻聴・幻覚への対応や、突然大声で感情を爆発させるような独り言は、アスペルガーの人に見られます。このように独り言が多くなるのは、アスペルガーの人が頭のなかの言葉を口に出さないまま、考え事や空想をするのが苦手なため。また本人には、独り言を言っている自覚がないことも多いです。しかしアスペルガーの人の独り言は、状態を自覚し、意識することで減らせます。本記事を参考に、まずは自覚するところから始めてみましょう。
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