発達障がいの子どもが音楽療法を受けるとどんなメリットがある?

発達障がいは、生まれつきの脳のつくりの違いによって起こる先天性の障害です。
症状を緩和したり、特性に応じた対処法を身に着けることで治療を試みますが、その方法の1つとして「音楽療法」が挙げられます。
今回は音楽療法の種類や、発達障がいの子どもが受けた場合の影響などを解説します。

日本での音楽療法の現状とは?

音楽を利用することでストレスや不安、これによる心身の困りごとを解決・軽減し、より良い生活を送れるようアプローチする治療法を音楽療法と言います。音楽療法は、音楽の演奏や習得ではなく、音楽を通して対象者がソーシャルスキルや心身を発達させることを目的として実施される治療方法の一種です。

日本においては、民間資格を持った音楽療法士と呼ばれる専門家によって、高齢者施設や児童施設、病院など福祉・教育・医療施設を中心に導入が進んでいます。

ただ、音楽療法が発祥したアメリカに比べると、日本の音楽療法は発展途上です。
このため利用にあたっての保険適用は不可で、その他の法整備もまだまだ進んでいません。

音楽療法は発達障がいの子どもにどう影響する?

発達障がいの子どもが音楽療法を受けることで、以下のような効果を期待できます。

ソーシャルスキルの芽生えと、育成を助ける

社会的なルールを守ったり、会話中に相手の気持ちを考えるなど、私たちが円滑に社会生活を行うために必要な技術を「ソーシャルスキル」と言います。
発達障がいの子どもは、他の子どもに比べソーシャルスキルの獲得が難しかったり、芽生えるまでに時間がかかることも多いです。

音楽療法は、療法士とのやり取りや一緒に治療を受ける子どもたちとの交流を通じて、ソーシャルスキルの獲得や成長を助ける作用が期待できます。

身体・運動機能を伸ばす

発達障がいの子どもには、同時に多数の部位を動かせない、発声・発語ができないなど、他の同年代の子どもに比べて身体の運動機能の発達がゆっくりなことがあります。

音楽療法では、楽器を演奏したり局に合わせて歌ったりダンスするプログラムもあります。発声・発語が苦手な子どもに音楽を聞かせ、楽器に触れさせることが良い刺激となり、発声や発語、歌う能力を得る良いきっかけとなります。

また、リズムに乗って体を動かすことで苦手な動きを知って振り返り、楽しみながら苦手を克服できるよう指導することで、身体の運動機能を伸ばしていくことができます。

表現力や想像力を伸ばす

音楽療法では、曲にあわせた動きや歌、楽器の演奏など表現力が問われるシーンが多く出てきます。
このため音楽療法では、自分から音や声を出して表現していくことへの苦手意識の軽減や、表現するための想像力の育成効果も期待できるでしょう。

成功体験を積むことで、自己肯定感を高める

発達障がいの子どものなかには、他の子ども達と自分を比べできないことが多いことに傷つき、実際よりも自己評価が低くなる子も少なくありません。
音楽療法で「できた」という成功体験を積むことが、発達障がいの子どもの自己評価、自己肯定感を高めることにも役立ちます。

音楽療法にはどんな種類がある?

音楽療法は、内容別に「受動的音楽療法」と「能動的音楽療法」、そして対象人数別の「集団音楽療法」と「個人音楽療法」、「リトミック式」の5つに分けられます。

どの種類の両方を受けさせるべきかの判断は、子ども特性・状態によって変わってきますので、以下を参考にして考えてみてください。

受動的音楽療法
主に子供に音楽を聞かせることで、子供の感情表出やリラックスを促す作用を期待する音楽療法です。
能動的音楽療法
歌を歌う、楽器を演奏する、ダンスや作詞・作曲をするなど、子ども自身が能動的に音楽に参加し取り組む音楽療法です。
集団音楽療法
5人以上の集団で、他の子ども達と一緒に音楽活動をさせる音楽療法です。特に音楽を通して、ソーシャルスキルの獲得をめざしたい場合に選択されます。
個人音楽療法
子どもと療法士が1対1となり、子どもの音楽への意識や日ごろの困りごと、好きなことなどに配慮して、きめ細かい内容で行われます。
リトミック式音楽療法
音楽を使った教育方法の一種である「リトミック」を取り入れた音楽療法です。
主にリズム運動を取り入れ、子どもに音楽を受動的に体感させることで感受性や想像力、表現力を伸ばす効果が期待できます。

おわりに:発達障がいの子どもへの音楽療法は、心身の成長にメリットあり

教育ではなく、心身の機能や感受性、想像力、表現力を発達させ、ストレスを緩和する目的で行われる音楽を使った治療法を「音楽療法」と言います。
日本において保険適用は不可であるものの、専門の民間資格を持つ音楽療法士によって、一部の医療・福祉関係施設で提供されています。

発達障がいの子どもが音楽療法を受ける場合、運動機能やソーシャルスキルの芽生えと成長に、大きな効果を得られると期待されているのです。

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