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アスペルガーの子どもにありがちな困りごとって?

人間関係改善のヒント

アスペルガー症候群は、生まれつきの脳機能の違いから発症する発達障がいの一種です。
このためその症状は、子どもの頃から現れてきます。
今回はアスペルガー症候群の子どもにありがちな困りごとについて、我が子に発達障がいの疑いを感じた時の適切な対処法とあわせて、解説していきます。

アスペルガーの子どもは年代別で症状や困りごとが違ってくる?

アスペルガー症候群が原因の症状や困りごとは、子どもの成長段階によって変化します。
以下からは子どもの年代別に、アスペルガー症候群によって生じる代表的な症状・困りごとを、まとめてご紹介していきます。

0~1歳の乳児期

言語や認知、学習能力が未発達な乳児期には、以下のような特徴的な行動が見られます。

  • 大人の大声やくしゃみ、電車や街の騒音など、音に敏感に反応して泣き続ける
  • 興味を持った物事に対し強く集中・熱中し、同じおもちゃや方法で1日中遊んでいる
  • 親や周囲の大人が目を合わせようとしても視線が合わない、合わせようとしない
  • こちらが笑いかけても反応せず、親の表情や行動をあまり真似しようとしない

1~5歳くらいまでの幼児期

言語能力などがある程度育ってくる幼児期には、乳児期に比べ、アスペルガー症候群による特徴的な症状もわかりやすく現れます。

  • 母親や大人の表情から感情・雰囲気を読むことができず、怒られるような言動を繰り返す
  • 言葉でその都度、何度も説明をしないと物事を理解できず、言われないとやめられない
  • 同年代の他者に興味を持たず、一人遊びに熱中して一緒に遊ぼうとしない

6~12歳までの小学生

小学校に入学すると、集団行動が増え子どもだけの社会が構築されるようになります。アスペルガーの子どもにとっては、過ごしにくい場面が増えてくる時期です。

  • 読み書きや授業を聞くこと、計算など特定の科目の学習にだけついていけない
  • 得意な科目と不得意な科目、その差が極端に大きい
  • 時間割など、特定の法則性があることに従うのが得意だが、急な変更にはついていけない
  • 人の気持ちを理解するのが苦手なため、学校という集団の中でうまく人間関係を築けない
  • こだわりが強く、マイルールを重視するため、協調して行動することが苦手
  • 同年代のクラスの友人と遊ばず、一人遊びにばかり没頭している

12~18歳の中高生

心身の変化に揺れる思春期とも重なるこの年代では、アスペルガー症候群ゆえの自分の感覚が周囲に理解してもらえず、苦しむ子どもが増えてきます。

  • 場の空気を読むことが苦手なため、なかなか友達ができず孤立してしまう
  • 学校での孤立やいじめが原因で、学習の遅れや登校できない日が出てくる
  • 小学生の頃よりも、さらに苦手科目・得意科目の成績差が顕著になる

18歳以上、高校卒業後

進学のために転居したり、就職することもある18歳以上の年齢になると、過去の経験から来る二次障害や、職場での困難に直面することがあります。

  • 周囲に理解を得られなかった過去の経験から、うつや不安障害など二次障害が生じる
  • 職場という集団生活の場において、周囲の状況に配慮した仕事の進め方や対人関係を築くことができず、悩んでしまう

子どもがアスペルガーかも…と思ったとき、何をしたらいい?

自身の子どもにアスペルガー症候群など発達障がいの疑いを抱いたら、まずはなぜそう思うのか、気になること・相談したいことのリストを作成してみてください。

リストは健康状態、ことば、コミュニケーション能力、知能、情緒、運動能力、手先の器用さ、生活リズム、行儀などの項目に分けるとまとめやすくなります。

そして、書き出した気になることのリストを持って、以下のような専門機関に相談してみましょう。

  • 地域の子育て支援、家庭支援も業務の一環とする幼稚園や保育園
  • 子どもの定期健診を行っている、保健所や地域の保健センター
  • 児童精神科、神経科の医師や、言語聴覚士、発達臨床心理士など子どもの発達の専門家
  • 各自治体にある発達障がい支援センターの窓口

おわりに:アスペルガーの子どもは、成長過程の人間関係で困難を生じやすい

アスペルガー症候群など発達障がいによる困りごとは、その人が子どもの頃から現れてきます。言語や認知の能力が未発達な乳児期にはわかりにくいですが、小学校に上がり本格的に集団生活を送るようになると、その特性から人間関係・学習などの面でさまざまな困難を生じるようになります。親の力だけで発達障がいの子どもを育てるのは、難しいものです。子ども本人の将来ためにも、発達障がいの疑いを感じたら早めに専門家に相談しましょう。

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