ダイバーシティ教育で学校はどんな取組をしている?課題とこれからの目標

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子どもには豊かな心を持って成長してほしいものですよね。現代の教育のキーワードのひとつが「ダイバーシティ教育」。文化や人種などさまざまなバックグラウンドや個性を持つ人が、協力しながら互いを思いやって暮らしていくための教育です。

この記事ではダイバーシティ教育について、多様性の意味や日本の取組、文部科学省が発表した課題や目標を紹介していきます。

ダイバーシティ教育とは?多様性とはどんな意味?

ダイバーシティとは「多様性」と訳される言葉で、文化、人種、国籍、障がい、ジェンダー、政治的信条などは多様であること、その多様性を意味します。

その人の内面・外面ともに人とは違う面があるのは自然なことだとし、お互いに違いを認めたり受け入れたりするための配慮や態度、行動を促す教育を「ダイバーシティ教育」と呼びます。

日本に住んでいる外国籍の人や異文化のバックグラウンドも持つ人、人種の異なる人、ハンディキャップを持つ人などへの理解について、ダイバーシティ教育の議論が交わされることが多いでしょう。

幼稚園・保育園や学校など教育現場のほか、会社の働き方でもダイバーシティ教育は大切な考え方です。社員食堂でイスラム教徒の社員のためにハラル料理を提供するという事例があるように、日本国内でもさまざまな対応がとられています。

小中学校のダイバーシティ教育ではどんなことをするの?

世界的に見ると、日本のダイバーシティ教育は比較的まだ歴史が浅いと考えられています。国内のダイバーシティ教育では、下記のような取組が行われています。

  • 障がい者スポーツ体験によるハンディキャップ理解
  • 図画工作の時間のユニバーサルデザイン学習
  • LGBTに関するディスカッション授業
  • 学校主催の多様性をテーマとした講演会や研修の実施 など

ダイバーシティ教育で取り扱うべき多様性のテーマはとても幅広いものです。そのため今後ますますダイバーシティ教育が積極的に展開されていくことが望ましいでしょう。

文部科学省が提言する現代的な課題

それでは教育現場ではダイバーシティをどのように捉えているのでしょう。

文部科学省が発表している初等中等教育分科会の資料によると、国際化の発展などに伴い、多様化する社会における教育には次のような目標が掲げられています。

ダイバーシティ教育で目指す子どもの姿
他者に対して自分の考え等を根拠とともに明確に説明しながら、対話や議論を通じて多様な相手の考えを理解したり自分の考え方を広げたりし、多様な人々と協働していくことができる人間であること。

お互いの違いを認め合い、協力していける人に成長していくことが目標です。そのために、現代の子どもたちが身につけておきたい力については、次のように述べられました。

  • 問題を発見し、解決につなげていく
  • 問題解決のための情報を他者と共有しながら、対話や議論を通じて互いの多様な考え方の共通点や相違点を理解する
  • 相手の考えに共感したり多様な考えを統合したりして、協力しながら問題を解決していく
  • 多様性を尊重する態度と互いのよさを生かして協働する力
  • 持続可能な社会づくりに向けた態度、リーダーシップやチームワーク、感性、優しさや思いやりなどの人間性
  • 日本文化を理解して自国の文化を語り継承する
  • 自国文化への理解とともに、異文化を理解し多様な人々と協働していく

(参考:文部科学省「初等中等教育分科会 資料」)

多様性をテーマにしているため、違いを認め合いながら力を合わせることがポイントのようですね。環境などによってこういった能力が自然と身についていく場合もあれば、段階を踏んで知識や経験を吸収することが必要な場合もあるでしょう。

ダイバーシティとインクルーシブ教育の関連性

ダイバーシティ教育と関連するものに、「インクルーシブ教育」があります。

インクルーシブ教育とは
障がいの有無に関わらず、児童・生徒が共に学ぶ教育法。障がい児が特別支援学級や特別支援学校で教育を受ける分離教育とは、異なるメリットと課題を持つ。

ダイバーシティ教育では障がいを多様性のひとつと捉えますので、インクルーシブ教育と関連することもあります。

日本のこれからのダイバーシティ教育って?2030年に向けてどうする?

文部科学省は、2030年を目標に次のような教育の実践を目標としています。

なぜ2030年をひとつの区切りにするの?

2030年には少子高齢化がさらに進行することが予想されています。一方で、グローバル化や情報化はますます発展します。子どもたちの将来の職業についても、技術革新などの影響から大きく変化するでしょう。子どもたちの65%は、今は存在していない職業に就く(キャシー・デビッドソン氏(ニューヨーク市立大学大学院センター教授))とも考えられています。グローバル化、情報化、技術革新などの変化を考慮し、子どもたちの教育について検討が必要であると考えられました。
(参考:文部科学省「教育課程企画特別部会 論点整理」)

2030年に向けて!新しい学校の在り方

少子高齢化や社会の変化を見越し、文部科学省は学校教育の在り方について、下記の必要性を発表しています。

  • 予測できない未来に対応するためには、社会の変化に受け身で対処するのではなく、主体的に向き合って関わり合い、その過程を通して、一人一人が自らの可能性を最大限に発揮し、よりよい社会と幸福な人生を自ら創り出していくことが重要
  • 社会の加速度的な変化の中でも、社会的・職業的に自立した人間として、伝統や文化に立脚し、高い志と意欲を持って、蓄積された知識を礎としながら、膨大な情報から何が重要かを主体的に判断し、自ら問いを立ててその解決を目指し、他者と協働しながら新たな価値を生み出していくことが求められる
  • 子供たち一人一人の可能性を伸ばし、新しい時代に求められる資質・能力を確実に育成していくこと
  • 社会や世界と向き合う、開かれた教育課程

(引用:文部科学省「教育課程企画特別部会 論点整理」)

社会の変化に伴い学校教育も進化中!ダイバーシティ教育の今後を考えよう

子どもたちの将来のためには学校教育の充実は大切ですよね。多様性を認め合う社会実現を目指すダイバーシティ教育は、課題が見つかっているプロセスにあり、これからの取組が重要といえます。子どもだけではなく大人にとっても身近なダイバーシティについて、お子さんと一緒に考えてみてはいかがでしょう。

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