発達障がいのある人でも、社会に参加し自立して生活することは可能です。しかし仕事の向き・不向きがはっきりしているため、バイト先は特性に配慮して決めるとスムーズです。
今回は発達障がいの人の特性、向いているバイト、仕事中に起こりやすいトラブルの例などを紹介します。
発達障がいの人がバイトで起こりがちな困りごとは?
どの発達障がいを発現しているかにもよりますが、発達障がいの人の多くは以下いずれかの特性を持っています。
- 発達障がいの症状として現れやすい、代表的な特性
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- 注意力散漫で集中力が続かず、頻繁に遅刻や忘れものをする
- マルチタスクが苦手だったり、計画的にこなすことが苦手で、つい先送りにしてしまう
- 指示があいまいだったり、指示が理解できなかったり、覚えていられなかったりする
- 多動性や衝動性があり、じっとしていることがとても苦手
- 自分の思いをうまく言葉にできない、思い通りに体を動かせない
- こだわりが強いため、自分のペースを乱されると怒ったり、突発的な発言をしてしまう
このため、本人の特性に配慮せずにバイト先を決めてしまうと、高い確率で以下のような困りごとに直面してしまいます。
- 上司からの指示や客からの注文を覚えていられず、動けなくなってしまう
- 計画的に複数の仕事を進めるのが苦手なので、どれも中途半端なまま先送りする
- 暗黙の了解を理解できないため、TPOに合わない言動で周囲を困らせてしまう
- 待機が必要な仕事なのに、我慢できずに他の場所へ移動してしまう
- 周囲とのコミュニケーションがうまくいかず、うつ状態に陥り退職をする
- きちんと教えてもらったことでも、急かされると混乱してできなくなる
- 何度やっても同じミスをするので、やる気のないやつと勘違いされる
- 表情が乏しかったり、声が小さくなるために、悪印象を与えてしまう
発達障がいの人に向いているバイトと向いていないバイトって?
マルチタスクが要求されたり、接客の要素が強い以下のようなバイトは、発達障がいの人にはあまり向いていません。
発達障がいの人におすすめできないバイト
- マルチタスク能力が必要な仕事
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- 飲食店の厨房
- コンビニ
- 事務職
- 接客能力が必要な仕事
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- 飲食店のホール
- 受付
- カラオケ店などアミューズメント施設
- ガソリンスタンド
- 各種販売店
- CDやDVDなどのレンタルショップ
向いていないバイトといっても、本人の特性や工夫、周囲のサポート、SST(ソーシャルスキル・トレーニング)への取組、就労訓練などによって、仕事のスキルアップを目指すことはできます。
一方で発達障がいの人は、以下のように接客と作業の種類が少ない仕事が向いています。自分の好きなことや性格と合わせ、バイト先選びの参考にしてくださいね。
- 発達障がいの人におすすめのバイト
- 工場での仕分け作業、ピッキング、シール貼り
- 工場でのライン作業
- 倉庫での検品、梱包
- 年賀状や郵便物の仕分け、配達
- ビルや商業施設での清掃
- 飲食店の洗い場
- スーパーのレジ打ち、または裏方作業
- 本屋
おわりに:発達障がいでも無理なく続けられる、自分の性格と特性に合ったバイト先を探そう
仕事には、向き不向きがあります。発達障がいの人は、そうでない人に比べ物事への向き不向きが顕著です。このため、発達障がいの特性上不向きな接客・マルチタスクを求められる仕事をしても、なかなか続きません。一方で接客する時間がほとんどなく、パターン化されたいくつかの作業を黙々と繰り返すような仕事には向いています。向いている仕事を選ぶのが、バイトを楽しく長く続ける秘訣です。覚えておいてくださいね。
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