症状の現れ方が薄く、本人も周囲もアスペルガーの特性に気が付いていないグレーゾーンに位置する人のことを「隠れアスペルガー」とも呼びます。
今回は隠れアスペルガーとは何か、その特徴や定義、日本人に占める割合やセルフチェックの方法についても、まとめて紹介していきます。
隠れアスペルガーとは?
明確なものではありませんが、「隠れアスペルガー」の定義はおおよそ以下の通りです。
- 隠れアスペルガーと考えられる条件
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- アスペルガー特有の症状の現れ方が弱い、または偏り、自覚や周囲の気づきが乏しい
- 発達障がいのテストでは診断基準を満たさないが、普通よりは明らかに高い数値が出る
トニー・アトウッド著の「ガイドブック アスペルガー症候群」によると、このような隠れアスペルガーは、日本では40人に1人の割合で存在すると推測されています。
隠れアスペルガーの人はほとんどの場合、周囲から見てもアスペルガーを確信するほどの症状を現していません。
ただ「空気が読めない」「コミュ障」などと他者から評価されたり、逆に対人関係への過度な緊張から演技を覚え、絵にかいたような「良い子」と評されたりします。
このような周囲からの評価に苦しみ、自分と周囲との間の違和感を長く持ち続けているなら、隠れアスペルガーの可能性があります。
隠れアスペルガーの特徴って?
ここからは、隠れアスペルガーの人の特徴をより詳しく見ていきましょう。
隠れアスペルガーの人には、以下の特徴が複数当てはまる傾向があります。
- マルチタスクが非常に苦手で、同時に2つ以上のことを進められない
- どんな分野においても、臨機応変な対応がとても苦手
- 1つのことに没頭しやすく、スイッチが入ると集中が止められない
- 完璧主義なところがあるが、一方で劣等感が強い
- 人と接するときに異常に緊張したり、恐怖心を持ってしまう
- 人を信じやすく、人の言葉の裏を表情などから読むのが苦手
- 繊細で心が折れやすく、とても傷つきやすい
- 知識欲が旺盛だが、両極端な方向に走るところがある
- 興味がないことには、まったくやる気を出せずモチベーションを保てない
- 哲学やスピリチュアルな事柄に、傾倒しやすいと思う
- 代謝障害があって常に体調不良で、倦怠感た強く意欲的になれない
隠れアスペルガーかどうか、チェックしてみよう
隠れアスペルガーかどうかのセルフチェックは、50の質問に答える「アスペルガー指数テスト」というテストで実施できます。
このテストは、50の質問に以下4ついずれかの選択肢で答え、最後に点数を計算して判定するものです。
- そうである
- どちらかと言えばそうである
- どちらかと言えばそうではない
- そうではない、違う
※ただし、点数の加算方法は質問と答えの組み合わせによって変わります。
最終の特典が15点以上であれば隠れアスペルガーの可能性が高いとされ、36点以上であれば医学的診断の下る真正アスペルガーである可能性が高いそうです。
以下に、「アスペルガー指数テスト」の質問内容をいくつか、例としてご紹介しましょう。
- アスペルガー指数テストの質問例
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- 物事を行うとき、1人よりも他者と一緒に実行する方が好きだ
- 他のことに気が付かなくなるくらい、何かに没頭することがある
- 他の人が気にならない小さな情報、物音に気付きこだわることがある
- 自分では丁寧に話しているつもりなのに、周囲から「失礼だ」と指摘される
- 作り話にはすぐに気が付くことができる
- 自分が話しているときには、なかなか他の人に横から口をはさませない
- 他の人と、雑談のような社交的な会話を楽しむのが好き
- 会話をどのように進めたらいいのか、わからなくなってしまうことがよくある
- 相手の話の「言外の意味」を理解することは、容易だと思う など
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興味のある人は、検索・もしくは書籍を購入するなどしてテストに挑戦してみてください。
テストの結果、気になる数値が出た場合は、早めにアスペルガー・発達障がいの専門機関に相談しましょう。
おわりに:隠れアスペルガーかどうかは、「アスペルガー指数テスト」でチェッできる
医学的な診断に至るほどではないが、普通よりも明らかにアスペルガーの人に近い数値を出す人のことを「隠れアスペルガー」と言います。日本人の40人に1人は隠れアスペルガーに当てはまるとされ、コミュニケーションへの苦手意識や、異常な緊張を伴いやすいのが特徴です。
隠れアスペルガーかどうかはアスペルガー指数テストで確認できますので、自身に隠れアスペルガーの可能性を感じる人は、一度セルフチェックしてみましょう。
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