これまでの日常生活、または社会生活上で感じてきた困難か、自らにADHDの疑いを抱く大人は少なくありません。
今回は大人のADHDのセルフチェックに役立つ質問リストを、セルフチェックを受けることの目的・有用性とあわせて、解説していきます。
ADHDのセルフチェックを受ける目的は?
書籍やネット上で公開されているADHDのセルフチェックは、ADHDの疑いを抱いている本人が、主観的に状態を把握するためのものです。
このため、過去を振り返り自分の状態を確認するのには役立ちますが、当てはまる項目が多いからと言って、必ずしもADHDの可能性が高いと断定するものではありません。
人間は、多かれ少なかれ何らかの特性を持っています。
自覚している個性がADHDの特性に当てはまったからと言って、それがADHDによるものであるとは限らないのです。
しかし中には、ADHDであることを誰にも気づかれずに大人になり、二次障がいとして発症したうつや不安障がいだけを治療し、苦しみ続けている人もいます。
そのような人にとっては、ADHDのセルフチェックリストに触れることが、辛い症状の根本原因を知るきっかけになるかもしれません。
大人がADHDのセルフチェックを受けることの意義は、自分の状態をリストに沿って冷静に確認し、専門の医療機関を受診するきっかけとなり得る点にあると理解しましょう。
大人のADHDセルフチェックリスト
以下に、大人のADHDセルフチェックができる質問リストをご紹介します。
いくつぐらい当てはまる項目があるか、またいつごろから特徴的な症状が現れていたか、確認してみましょう。
大人のADHDセルフチェックリスト
- 学校や職場での活動において、注意力散漫でミスを犯すことがある
- 課題ややらなければならない活動に対し、最後まで集中し続けることが難しい
- 直接話しかけられているときに、相手から「話を聞いていない」と思われる
- やる気や遂行の意思はあるのに、学校や職場での指示をやり遂げることができない
- 課題や仕事を計画的に進めることが苦手で、なかなかうまくいかない
- 継続的な精神的努力が必要な課題や仕事を避ける、またはいやいや行う
- 教科書や文房具など、活動や仕事に必要なものを紛失しやすい
- 何かをしている途中でも、他のことに注意を奪われてしまうことがある
- 毎日行うべき習慣や日課を、忘れてしまいがち
- じっとしているのが苦手で、座っていても常に手足をそわそわ動かしてしまう
- 教室など、座っていなければならない状態でも我慢できず、席を離れる
- 不適切な状況であっても、衝動的に走り回ったり動いたりしてしまう
- 静かに遊んだり、ゆっくり休んだりすることが苦手で、動いていないと落ち着かない
- 相手の状況にかかわらず、自分の言いたいことを話し続けてしまうクセがある
- 会話中に相手の質問や、相手の話がひと段落つくまで発言を我慢できない
- 順番を待つことが苦手で、行列に並んだりすることもできない
- 他者の会話やゲームなどに、自分の好奇心が赴くまま介入してしまう
あてはまる項目が多く、かつ子どもの頃から上記のような症状や生活上の困難に苦しんできたなら、一度専門の医療機関で診てもらってくださいね。
おわりに:大人のADHDセルフチェックで、自分のことを振り返ってみよう
ADHDのうち、特性がわかりにくい人は周囲の大人に気づかれないまま大人になり、さまざまな困難に直面することも多いとされます。こうして社会生活上の困難を感じながら、辛い想いをしている大人が自身の状態に気付くきっかけになるのが、ADHDのセルフチェックリストなのです。医師による診断を受けるきっかけになるので、自らのADHDを疑うような症状があるなら、一度利用してみると良いでしょう。
コメント