子どもは、特有の甲高い声で突然「キャー!」と特有の奇声をあげることがありますよね。
今回は、発達障がいや自閉症の子どもが奇声をあげてしまったときの対処法について、奇声と発達障がいの関係とあわせて解説していきます。
奇声が多いから「発達障がい」というわけではない!?
そもそも、子どもたちが奇声をあげる理由は何なのでしょうか。まずは以下に、年齢・発達段階ごとの子どもが奇声をあげる原因を、まとめてご紹介していきます。
- 0~1歳の乳児期に、子どもが奇声をあげる原因
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- 言葉や行動でうまく伝えられない、自分の要求や不満を伝えるための手段
- 知らない人や場所に対しての、戸惑いや不安を少しでも解消して精神を安定させるため
- 夕方など、1日の疲れが眠気として現れたときの不快感・不安感の表現
- 聴覚の発達により、大きな声を出して自分の声を聞くのが楽しくなる
- ほめてほしい、注目してほしい気持ちの現れ
- 自分が奇声をあげることへの、周囲からの反応を楽しんでいる
- 2~3歳の乳幼児期に、子どもが奇声をあげる理由
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- 発語できるようになったばかりで、伝えたいことを上手に言葉にできずもどかしい
- いま感じている感情を、どう表現すれば良いかわからなくて奇声を出してしまう
- 思ったように体を動かすことのできないストレスから、叫んでしまうことがある
このように、自我が芽生え体や発語能力が発達してくる0~3歳の頃には、どの子どももある程度の奇声を発します。
小さな子どもの寄生は、体と心が成長する課程で必要なことであり、必ずしも発達障がいの影響から起こる現象ではありません。
ただし、5歳を超えても奇声の頻度が減らなかったり、一向に改善しないようなら発達障がいの影響も考えられますので、専門の医療機関に相談することをおすすめします。
自閉症の子どもの奇声の対応方法とは?
自閉症の子どもの奇声にも、0~3歳くらいの小さな子どもたちと同じように、何かしらの意味や意図があります。
奇声を発しているときの状況を分析し、その声の意図・意味を考えて、以下のように対応してあげましょう。
何を伝えたいのか考え、代弁してあげる
思っていること、伝えたいことをうまく言語化できないストレスから奇声をあげているようなら、「嫌だったね」「暑いね」など状況に適した言葉を探し、教えてあげましょう。
何か熱中できるものを用意して、ストレスを緩和してあげる
気持ちを代弁する以外に、パズルやゲームなど、本人が熱中できる何かを差し出し心身の負担を軽減してあげるのも効果的です。
奇声が出る傾向を見極め、本人の状態に合わせてあげる
移動中や室内にいるときなど、自閉症の子どもが奇声をあげる条件には、ある程度の法則性があります。これを見極め、外出などは本人のペースに合わせてしてあげてください。
おわりに:自閉症の子どもの奇声には、原因を考え負担を軽減する対応を
0~3歳くらいまでは、発達障がいの有無にかかわらずほとんどの子どもが奇声を発します。ただ5歳を超えても奇声が減らないようなら、自閉症など発達障がいが一因かもしれません。
自閉症の子どもが発する奇声には、何かしらの法則性と意図・意味があります。その法則性を見極め、意図・意味を理解した対応をしてあげることができれば、本人のストレスが軽減されて奇声も治まります。本人の様子をよく観察し、対処法を考えてみましょう。
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