本メディアではアフィリエイト広告を利用していますが、コンテンツ制作はでぃーこみゅ編集部が独自で行っています。メーカー等はコンテンツの内容や商品のランキング・評価等の決定に一切関与していません。

発達障がいの人がジョブコーチの支援を受けるには?

仕事のアドバイス

ジョブコーチとは、障がい者が社会生活を送っていけるように就職前後に支援してくれるサービスのことです。ジョブコーチの支援対象は、身体障がい者や知的障がい者に限りません。では、発達障がいの人でもジョブコーチの支援を受けられるのでしょうか。ジョブコーチ支援を受ける条件や期間、支援内容を紹介します。

ジョブコーチの対象者や支援を受ける条件は?

ジョブコーチとは、障がい者の人が職場に適応できるように支援を行ってくれるサービスのことで、正式名称は「職場適応援助者」と言います。

ジョブコーチによる支援対象となる人は、求職者または在職者で、職場での支援を必要とされている障がい者です。この場合の「障がい者」とは、知的障がい・精神障がい・身体障がい・発達障がい・高次脳機能障がいのすべての人が対象となり、障がい者手帳がなくても、本人と事業主の双方に同意が得られれば、支援を受けることができます

ただし、あまりに短い勤務時間の場合は支援の対象外となります。
具体的には、ジョブコーチの支援終了時点で週20時間以上の勤務を目標とすることが支援の条件です。ジョブコーチ支援を受けたい場合は、「求職登録しているハローワーク」または「障がい者職業センター」に相談しましょう。

本人だけじゃなく職場も支援?ジョブコーチの支援内容を紹介

ジョブコーチによる支援では、求職者・在職者に対する支援と、職場に対する支援の双方を行います。障がい者職業カウンセラーまたはジョブコーチが作成した支援計画に基づき、ジョブコーチが直接職場に出向いて本人と職場の双方に指導や助言・提案を行います。また、必要に応じて家族に対してもどのように関わり、支えていけば良いのか助言することがあります。

本人・職場のそれぞれについて詳しく見ていきましょう。

本人に対する支援

新たに就職先を探すところはもちろん、就職後に職場に適応できるまでの支援を行ってもらえます。例えば、会社のルールや社会人としてのマナー、通勤の仕方、昼休みの過ごし方など、日常的な部分で戸惑いやすいと思われるところから1つ1つ指導していきます
就業時には会社の規則や業務内容など、会社側から提示されたものに関して本人が理解できるように説明する役割が期待できます。

実際に就業を開始した後は、具体的に目標を設定しながら、仕事の能率を上げ、ミスを減らす・なくすように支援します。個々の企業や本人の能力によって、やってもらえる範囲が異なりますので、企業から「これをやってほしい」と伝えられたことを、ジョブコーチが本人にわかりやすいやり方にして伝えるという形です。そのため、仕事のオリエンテーションを行う際に、ジョブコーチにも一緒に参加してもらうのが良いでしょう。

必要に応じて、職場でのコミュニケーション能力を上げられるような支援も行います。

職場に対する支援

職場では、まず障がい者本人が働きやすくなるような環境づくりが求められます。といっても何かを大きく改革するわけではなく、「どんなふうに話しかけたらよいのか」「理解してもらいやすい指示の出し方は」など、最初のうちは雇用主と本人の間の橋渡しをしてもらいながら、接し方や対処方法を学ぶといった形です。

また、障がい者本人にはそれぞれ特性がありますので、特性に配慮して雇用管理を行う、配置や仕事内容を考慮する、などの助言や提案を行うこともあります。
職場の同僚や上司など、普段本人がもっとも関わり合う人たちに対して、障がいについての理解を深めてもらえるような働きかけを行うこともあります。必要があれば、職務の再設計や職場環境の改善を提案することもあります。

職場からジョブコーチに対しては、おまかせにするのではなく、「こうしたことを、この程度やってもらいたい」と具体的に障がい者本人にやってもらいたいことを告げましょう
ジョブコーチが仕事内容の全容を理解していないと、本人にも伝えられません。そこで、事前の情報提供はもちろん、支援期間中でも気がついたことはどんどん伝えるようにしてください。

ジョブコーチの支援期間はどのくらい?

支援期間は、標準的なもので2〜4ヶ月程度ですが、1〜7ヶ月の間で、障がい者の人それぞれの能力や特性に応じて、必要な期間を設定します。

支援はあくまでも一時的なものですから、支援が終わった後もきちんと業務を続けていけるよう、本人はもちろん、職場の上司や同僚にも指導方法や関わり方を理解してもらうことが大切です。

ジョブコーチの種類「訪問型」「配置型」「企業在籍型」の違いは?

ジョブコーチには、3つの種類があります。基本的には「訪問型ジョブコーチ」がもっとも多いですが、ほかのジョブコーチと連携して支援を行うこともあります。

訪問型ジョブコーチ
  • 障がい者の就労支援を行う社会福祉法人などに雇用されるジョブコーチ
  • 「高齢・障害・求職者雇用支援機構」が実施する「訪問型職場適応援助者養成研修」または、厚生労働大臣が定める「訪問型職場適応援助者養成研修」を修了した人が行う
  • 支援に必要な経験と能力を持っている人が担当するため、もっとも安心と言える
配置型ジョブコーチ
  • 地域障害者職業センターに配置されるジョブコーチ
  • 就職するところから非常に困難とされる障がい者を重点的に支援する
  • 訪問型ジョブコーチ・企業在籍型ジョブコーチと連携し、効果的・効率的な支援を行えるよう、必要な助言と援助を行う
企業在籍型ジョブコーチ
  • 障がい者を雇用する企業に雇用されているジョブコーチ
  • 「高齢・障害・求職者雇用支援機構」が実施する「企業在籍型職場適応援助者養成研修」または、厚生労働大臣が定める「企業在籍型職場適応援助者養成研修」を修了した人が行う
  • 大企業などで障がい者の雇用人数が多い場合など、ジョブコーチを毎回呼ぶよりも在籍していてもらった方が良いという場合におすすめ

配置型ジョブコーチ、企業在籍型ジョブコーチはそれぞれ特定の場所をメインとして支援を行いますので、実際に職場までついてきてもらい、詳細な支援を行ってもらう場合は「訪問型ジョブコーチ」が一般的です。ただし、雇用先の企業に企業在籍型ジョブコーチがいる場合などはこの限りではありません。

おわりに:発達障がいの人もジョブコーチの支援を受けられる

障がい者という言葉から、障がい者手帳がないと支援を受けられないのではと思ってしまう人もいますが、ジョブコーチの場合は本人と事業主の双方の同意があれば、障がい者手帳がなくても支援を受けられます。

とくに、発達障がいの場合は身体的・知能的には何ら問題がなくても、特性上、職場に馴染みにくいことも考えられます。ぜひ、こうした制度を積極的に活用し、特性を職場の上司や同僚にも理解してもらっておきましょう。

コメント