ぐっすり眠れると一日の疲れがとれて心も体もすっきりしますよね。睡眠不足だと疲労やストレスが溜まり、病気や不調を招くことも。しかし発達障がいの人の場合、感覚過敏の特性によって睡眠トラブルに悩まされていることもあるのです。
「チェーンブランケット」は眠れない悩みにアプローチする布団
カロリンスカ医科大学(スウェーデン 学長:オーレ・ペッター・オターセン)附属病院の感情障害外来クリニックでは、不眠に関する研究を行いました。
エークホルム・ボーディル作業療法士と臨床神経科学を専門とするマッツ・アドラー医師らの研究グループによって、「重り付きチェーンブランケット」という掛け布団を使用することで、重度のうつや双極性障害、全般性不安障害(GAD)、注意欠如・多動症(AD/HD)のある患者の不眠に対して、睡眠の質改善に効果がみられたことが報告されました。
この報告によると、チェーンブランケットは効果的かつ安全であり、また日中の症状や活動レベルも改善することがわかりました(本研究は2020年9月15日発行の”the Journal of Clinical Sleep Medicine”に掲載)。
チェーンブランケットは、「眠れない」「そわそわ落ち着かない」という睡眠に悩んでいる人向けの掛け布団です。特許を取得した機能性掛け布団であり、洗濯機でも洗える素材のため日常的に家庭でも使えます。
チェーンブランケットはこんな人におすすめ
- そわそわして落ち着かず、寝つきが悪い
- 一度寝ても、途中で目が覚めてしまう
- 起きる予定の時間より、かなり早く目が覚める
- いろいろな考えや感情が呼び起こされ眠れなくなる
- 心配や不安を感じることが多い
- 機嫌が悪く、リラックスすることが難しい
- ぎゅっとされたり、圧迫されると落ち着く
(ラーゴム・ジャパンHPより)
発達障がいと感覚過敏って?衣類が気になる触覚過敏とは?
発達障がいの特性として「感覚過敏」があります。特定の音や匂いに敏感になる聴覚過敏や嗅覚過敏、蛍光灯の明かりがまぶしくて辛く感じる視覚過敏などがあらわれます。
感覚過敏のうち触覚過敏とは、体に衣類などのものが触れることにとても敏感である特性です。苦手な衣類の感触のために、仕事や勉強に集中できない、眠れない、かゆみが気になるなどの症状がみられます。
発達障がいの人すべてに感覚過敏が発生するとは限りません。また感覚過敏だからといって発達障がいであるとはいえません。
チェーンブランケット開発に至る研究の道のり
研究背景として、多くの精神疾患で不眠症を伴うことが挙げられます。
不眠の症状がみられる推定割合
- 双極性障がいは、70%
- うつや不安を抱える成人は、60%
- AD/HDの患者は、6%~80%
- 全般性不安障がい患者では、60%~70%
不眠は、認知機能障がいや倦怠感、感情面の症状の原因にもなります。
不眠症の主な治療は認知行動療法と薬物治療ですが、これらの治療法が不眠の症状に効果的とはいえないことが課題でした。
そんな中、チェーンブランケットは不眠症に対する治療のひとつとして取り入れられました。一方で、チェーンブランケットの効果についての科学的根拠はほとんどありませんでしたので、科学的な効果を証明する研究が始まったというわけです。
研究の対象者
重度のうつや双極性障害、全般性不安障害(GAD)、注意欠如・多動症(AD/HD)の診断(複数の診断を含む)を受けていて不眠症状がある18歳から77歳までの男女120人。
研究結果
金属製チェーンが入ったブランケットを使用したグループ(64人)は、第1週目に統計的に有意なISIの改善を示し(4週間でISIの中央値は21.7点→9.2点)、比較研究後の1年間を通じて改善を示しました。コントロールグループ(56人)は最初の2週間は、わずかにISIの改善がみられたが、3週から4週の間にISIの点数低下を認めました。(4週間でISIの中央値は21.2点→18.8点)。4週間後、比較研究が終了し、コントロールグループも重いチェーンブランケットに切り替えてからはISIの改善がみられました。12ヶ月間の非比較段階では、ほとんど全ての被験者で有意にISIの改善を認め、最終的な被験者(112人)の78%でISIの点数が睡眠障害として分類されない段階(8点未満)まで低下を認めました。
(ラーゴム・ジャパンHPより)
研究概要は以下となります。
『A randomized controlled study of weighted chain blankets for insomnia in psychiatric disorders(精神障害における不眠に対する加重チェーンブランケットのランダム化比較研究)』
チェーンブランケットは日本でも買えるの?
なかなか寝付けない、眠りが浅いなどの悩みを抱えている人は、チェーンブランケットを試してみるのもひとつの方法です。
全国の精神科病院や療育センター、放課後等デイ、学校の特別支援教育、歯科治療などでもチェーンブランケットは導入が進んでいるそうで、一度試してみたくなりますよね。
スウェーデン発の機能性掛け布団であるチェーンブランケットですが、2016年から日本国内でも購入可能となっています。
チェーンブランケット取り扱いについて
ラーゴム・ジャパン株式会社が、2016年より正式に輸入販売を開始しています。
- 4kg・6kg・8kg・10kg・12kg・14kgから重さを選択可能
- 自宅で洗濯可能
購入までの流れ
まずは宅配レンタルにて2週間お試し。実際に使用してみてから、新品を購入するか検討できます。
インターネット販売はこちら
おわりに:眠れない夜の改善に!スウェーデン発の機能性掛け布団で良質な睡眠を
発達障がいで触覚過敏の特性を持っている人は、睡眠トラブルを抱えていることもあります。布団の素材が気になる場合は、自分に合う素材を探してみましょう。今回紹介したチェーンブランケットは研究によって効果が実証されていますので。今まで自分に合う素材を見つけられなかった人もまずは2週間お試しするのもおすすめです。
会社情報
社名:ラーゴム・ジャパン株式会社
設立: 2016年11月
代表:藤井 理夫
スウェーデン担当役員:ペレ・スィルィエダール
所在地: 〒461-0025 名古屋市東区徳川2-24-3徳川第一ビル
事業内容 : スウェーデンの福祉機器の輸入販売
ABILIA社チェーンブランケットの日本総代理店
URL: https://lagom-japan.co.jp/
(画像:PRTIMES)
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