学校では、授業や遊び、食事に至るまであらゆるシーンで集団行動が求められます。
この環境は、ときに発達障がいの子どもにとって強いストレスを感じるものとなるため、不登校に陥ってしまう発達障がい児もいます。
今回は、発達障がいの子どもが不登校になってしまうケースについて、きっかけとなりやすいことや周囲の大人ができることを解説していきます。
発達障がいの子どもが不登校になるきっかけにはどんなものがある?
不登校になる原因は人によってさまざまですが、発達障がい児の場合は、以下いずれかの原因をきっかけとして不登校に陥るケースが多いとされています。
担任の先生との不和
学校において、子どもにとって最も身近な大人は担任の先生です。
発達障がいに対し十分な知識を持たない先生の場合、発達障がいの子を「不真面目」「わがまま」として、適切に対処してくれないケースもあります。
たくさんの児童を相手にしなければならないので、やむを得ないこととも言えますが、このような担任の先生との不和は発達障がい児の不登校の一因となります。
児童同士の不仲やトラブル、いじめ
クラスや学年になかなか協調できず、マイペースに行動する発達障がいの子どもは、他の生徒・児童にとって理解しがたい存在となるケースがあります。
このことは生徒・児童同士の人間関係においてトラブルが生じ、そこから友人同士の不仲やいじめに発展するケースも、残念ながら少なくないようです。
とくに思春期には、このような友人とのトラブルから不登校になる発達障がいの子どもは、多くなります。
学習困難の特性により、勉強についていけない
発達障がいのなかには、学習に必要な聞く・話す・読む・書く・計算や推論をする能力のうち一部に、極端な困難を持つ子どももいます。
このため、学校での勉強についていけず恥ずかしくなったり、苦痛を感じるようになって不登校になる子もいます。
また、学習困難で勉強ができないことを理由に、いじめに発展することもあります。
感覚や知覚の過敏により、学校生活を送れなくなる
発達障がいの特性の1つに、聴覚や視覚、触覚などが過敏になり、音・光・味・接触などの外部刺激に強い不安やストレスを感じるものが挙げられます。
これにより、教室で聞こえる音や声、視界に入ってくる色や光、空気や水、人と触れる感触などに耐えられなくなり、学校生活が送れなくなる子もいるのです。
不登校になった子どもにしてあげられることは?
発達障がいの子どもが不登校になったとき、無理に学校に行かせることには多大なストレスが伴います。これは二次障がいを引き起こす原因になることもあります。
子どもの気持ちを無視し、強引に学校に行かせることは絶対にしないでください。
まずは、本人になぜ学校に行きたくないのか具体的な理由を聞きだし、そのうえで一緒にできる対策を提案して話し合い、実行するのが良いでしょう。
例えば担任の先生の無理解のため、不和が起きている場合は、親から担任へ発達障がいの診断書などを提出し、理解を求めてください。
いじめや友人関係にトラブルがあるなら、まずは親から学校や教育委員会に相談し、生徒・児童への指導を求めましょう。親からクラスメイトへ、直接話す機会を持つ方法もあります。
勉強についていけなかったり、上記の対策を取っても担任や他の生徒・児童との関係が改善しないなら、転校や受験、フリースクール入所などで環境を変えることも検討してもいいでしょう。
つらいとき、親のサポートがあるだけで子どもは家を居場所だと認識し、安心できます。子どもの気持ちに寄り添い、親としてできることとできないことを考えて伝え、一緒にこれからのことを考えてあげてくださいね。
おわりに:発達障がいの子どもが不登校になる原因はさまざま。本人に確認したうえで対処しよう
常に集団行動が求められる学校において、発達障がいの子どもは人間関係や学習面、感覚過敏などによる困難に直面しやすいです。このため先生や他の生徒との不和、勉強についていけない、学校生活が不快などの理由で不登校になる子も少なくありません。
このようなとき、無理やり学校に行かせたり、親が先走った対応をするのは逆効果です。不登校の原因は人によってさまざまなので、本人に確認してから、一緒に対応策を考えてくださいね。
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