障がいがあるけど働きたい、障がいを抱えたまま働くのが不安…そんな人のために用意されているのが就労支援事業所です。
今回は就労支援事業所で受けられる支援の内容や利用対象となる障害の種類、支援を受けるまでの手順、利用のメリット・デメリットまでまとめて解説していきます。
就労支援事業所ってどんなところ?
就労支援事業所とは、障がいのある人が一般企業に就職し、継続して働けるようサポートしてくれる福祉施設です。地方自治体からの指定を受けてサービスを提供しており、全国で3000か所以上あると言われています。
障がい者総合支援法に定められた障がい福祉サービスの一種で、利用者は最大2年間の期間内で、以下のようなサービスを受けられます。
- 就職するまで
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- 希望する職種で一般企業に就職するのに必要な知識、スキルを身に着けるための職業訓練
- 就職活動に必要な応募書類の添削、模擬面接など就活サポート
- 就職活動にあたり、適性に合った応募先を見つけるための相談・アドバイス
就職先が見つかった後は、以下の支援を受けられます。
- 実際に働く予定の企業に入り、職場実習というかたちで働く機会を得られる
- 長く定着して働けるよう仕事の相談にのってもらえる
- 場合によっては、就職先に対し職場の環境調整の依頼をかけてくれる
ただし、就労支援事業所を利用できるのは以下4つすべての条件を満たす人のみですので、注意してくださいね。
- 就労支援事業所を利用するための条件
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- 一般企業で働くことを希望している
- 身体障がい、知的障がい、精神障がい、発達障がい、難病などがある
- 18歳以上、かつ満65歳未満である
- 現在離職中で、仕事をしていない
就労支援事業所を利用するメリットとデメリットって?
利用者にとって、就労支援事業所を利用するメリット・デメリットは以下の通りです。
- 就労支援事業所を利用することのメリット
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- 長く働き続けるのに必要な健康管理能力と、障がいによる特性への対処法を身に着けられる
- 希望するキャリア、就職先に合わせたプランを、障がい者雇用の専門家に立ててもらえる
- 最大2年の間、通いながらスキルアップのための研修や訓練を受けられる
- 就職サポートだけでなく、就職先に定着するためのサポートも受けられる
- 就労支援事業所を利用することのデメリット
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- 支援を受けられるのは、基本的に一般企業の障がい者雇用枠への就職のみ
- 求人紹介を受ける場合は、基本的にハローワークや人材紹介会社の利用が必要
- 基本的に、通所期間中はアルバイトなど他の労働をすることができない
- 地域によっては事業所の利用に料金が発生することがある
就労支援事業所を利用するときの手順は?
就労支援事業所を利用するための手順は、「施設探し」「見学・体験通所」「契約」の3ステップです。
施設探し
まずは以下いずれかの方法で、通所する就労支援事業所の候補をピックアップしましょう。
- 地域の障がい福祉課の窓口に相談する
- 地域の障がい福祉課の窓口で、地域の就労支援事業所情報をまとめた冊子をもらう
- インターネット上で、所在地や特色から就労支援事業所の情報を検索する
- 普段お世話になっている主治医やケースワーカー、障がい者就業・生活支援センター、就労支援センター、相談支援事業所などに相談する
見学・体験通所
気になる就労支援事業所が見つかったら、電話やメール、Webサイト上のお問合せフォームからコンタクトを取り、見学の予約を取りましょう。
見学中には施設スタッフから説明を受けながら、実際の支援環境を見ることができます。
こちらからの質問への受け答えや施設の様子から、本当に自分に合った施設・スタッフであるか、見極めてください。
見学で施設が気に入ったら、体験に移ります。実際に施設で提供されているトレーニングや就労支援の内容を体験してみましょう。
体験で通所できる期間は施設によりまちまちですが、料金は基本的に無料です。実際に体験し、自分の就職に役立つと思えたなら、利用のための手続きに移ってください。
契約
お住まいの地域にて受給者証を申請して受け取り、就労支援事業所と直接契約します。契約が完了したら、就労支援事業所に通所し、あなたのキャリアプランに合わせた就労支援を受けられるようになります。
おわりに:就労支援事業所では、障がい者雇用枠への就職支援が受けられる
全国に3000以上あると言われる就労支援事業所は、地方自治体からの指定を受けて、障害福祉サービスを提供する事業所です。具体的には、障がいを抱えながらも一般企業への就職を希望する人に向け就職先探しや選考対策、就職後の定着支援に至るまで幅広い就労支援を提供しています。就労し得事業所の利用には、メリットもデメリットもあります。事業所についてよく理解したうえで、通所を希望するかどうかを決めてくださいね。
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