ADHDと診断された人のなかには「どんな風に生きていくのが自分には合うんだろう」と悩む人もいます。たとえば大人のADHDにとって適職を探すことはとても大切です。この記事ではADHDの特性が患者さんにとってポジティブになるのはどんなときか紹介します。
ADHDの「強み」って?
ADHDとは発達障害の一種で、注意欠如多動性障害と呼ばれています。主に以下の3種類の症状があらわれます。
- 不注意
- 忘れ物やミスが多い。確認作業が不得意。
- 多動性
- 集中力が低下して気が散りやすく落ち着きがない。貧乏ゆすりなど体を常に動かすなどの癖がみられる。
- 衝動性
- 思考より先に行動を起こす傾向がみられる。待つことが不得意。
- その他不得意なこと
- 複数のことを同時に進行して行うこと、スケジュール管理、人付き合い、持続性があまりない、短期記憶が強くないなど。
上記のような症状がみられるのがADHDで、特性と上手に付き合いながら過ごすことが大切です。さらにその特性を長所に活かすことができれば患者さんの強みとなることがあります。
ADHDの強み
- エネルギッシュに行動する
- 興味がある分野を追求する
- 感受性が豊か
- 独創性がある
- 新しいことへのチャレンジ精神旺盛
ADHDの特性を強みに変えるコツとは?
ADHDの特性を強みとするためには、まずは特性の持つ弱みも理解してみることです。自分の持つ特性をきちんと把握し、強みに転換する方法を考えましょう。
- 持続や継続が難しい場合、さまざまな事柄に挑戦する
- ひとつの仕事を極めることだけを目標とすると、挫折や落ち込みを感じるかもしれません。自分の興味の対象が変化する場合、さまざまなジャンルや仕事を経験するチャンスと捉えるのもひとつの方法です。そうして得た経験を活かすことができるように大きな目標を立てておくのもおすすめです。
- できないことを誠実に人に頼む
- 自分で上手に対処できないことは、人に協力を頼みましょう。その際は相手のスケジュールなどをしっかりと聞き、無理のない範囲で協力してもらえるようにしてください。
- マイペースが認められる仕事をする
- 納期を守ったり、人と同じペースで仕事をすることが難しいADHD患者さんもいます。一方、得意分野では集中力や知識などを発揮できることがありますので自分のペースで進められる仕事を発見したり、そういった仕事をするために準備をしましょう。
- 知識やアイデアを出すための目標設定を明確にする
- ADHDの人は刺激に敏感で、いろいろな情報が頭の中で行き交うことがあります。疲労や集中力低下を引き起こす原因にもなりますが、知識習得やアイデアの着想に役立つこともあります。明確な目的を掲げ、頭の中の情報を目標のために活かすように工夫しましょう。
ADHDの弱みを補う方法は?
ADHDの特性は弱みとして出てくることがありますが、問題化しないように対策をとって工夫しましょう。
- ケアレスミス防止
- 業務のチェックリストを作成してやりこぼしを防ぐことを習慣化したり、誰かにダブルチェックを依頼しましょう。ミスが多いプロセスを把握し、次への対策を練りやすくなります。
- メモを取る
- ADHDの特性として短期記憶が強くないことがあります。言葉による情報を頭に残すのは難しいので、メモを残すと安心です。
- 集中できる環境づくり
- 視覚情報や聴覚情報からの刺激が強いと集中力が低下します。音が気になる場合は耳栓、まぶしい照明が気になるときは光の調整やブラインド設置など集中できる工夫をしてください。
- スケジュール管理をサポートする
- ADHDの人は順序だてて仕事を実行することや納期を守ることが不得意です。スケジュール表を作成したり、制作進行をこまめに確認するなどの対応をとりましょう。予定とのずれがみられる場合は自己判断で修正するのではなく、同僚や上司にアドバイスできる環境を整えておくことも大切です。
- 周囲の人に相談し協力を依頼する
- ADHDは自分だけで悩んでいても問題が改善できないことが多いでしょう。可能であれば、職場の人に相談して対策に協力してもらうとスムーズです。
おわりに:ADHDは弱みと強みがあります。上手なコントロール方法を見つけましょう
大人のADHDは徐々に広く認知されており、本人の努力と職場の人の協力のもとコントロールしながら仕事を進めていくことは可能です。まずは自分のADHDの特性を把握し、強みに変えるための工夫や弱みを補う方法を実践してはいかがでしょう。
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