発達障害を抱える子どもが思春期を迎えると、その特性から日常生活でさまざまなトラブルが起きることがあります。今回は発達障害をもつ中学生が抱えやすいトラブルやサポートの方法などをご紹介します。
中学時代が発達障害に重要な理由とは?
一般的に思春期に入ると心身両面が発達し、周りの人と自分の違いを理解して自分への理解が高まります。
また他の人との距離感や関わり方の変化が現れ、周りから求められるものを自然と感じながら、現在の自分と照らし合わせてそれに合わせて成長していくといわれています。
でも、発達障害の子どもはこのような発達の仕方とは違った育ち方をする場合があります。
たとえば、自分自身への理解度が低かったり、マイペースすぎて他の人との距離感がつかめないなど、その子特定の悩み持つこともあるでしょう。
このような子どもには、将来その子自身が抱えるかもしれない悩みに向き合えるような力を育てる接し方をしてあげた方がいいと思います。
また一方で、周りの人たちと自分とのズレを感じて悩んでいるタイプの子もいます。
このような子どもには、ありのままの自分を受け入れようとする自尊心を傷つけないように接することをおすすめします。
そして中学生は思春期真っ只中。精神的に不安定な時期です。
その子自身が劣等感などをもたないような接し方をしてあげましょう。
あと、発達障がいの子どもは、ルールや決まり事をきちんと守ろうとし、暗黙の了解などがわからない場合があるので、その時の状況に応じて、ルールよりも優先した方が良いものがあるということを伝え、上手くその子が肩の力を抜けるように教えてあげてくださいね。
発達障害の中学生が直面しやすいトラブルとは?
発達障害の中学生が抱えやすいトラブルは、主に以下のようなものです。
- ひとり行動が好きな反面、他人とコミュニケーションを取ることが苦手
- 学校行事など、周りと一緒に動いていく活動に苦痛を覚える
- 制服のシャツが出ている、汗を拭かないなど、身だしなみがきちんとしていない
- 定期テストの範囲や行事の日程など、先生からの指示や説明の聞き漏らしがある
- ゲームなどに無断で課金する、熱中しすぎてゲームにのめり込む
- 計算問題では「マイナス」の理解が難しいため、正負の数でつまづきやすい
- 数学の文章問題を特に苦手とし、計算の手順がわからないことがある
- テストでは名前を書き忘れる、回答欄がずれているなどのケアレスミスが多い
子どもを支えてあげるときのポイントとは?
発達障害の子どもの特性は、見方を変えれば長所として伸ばしてあげることができます。たとえば、以下のような考え方ができるでしょう。
空気が読めない→周囲のネガティブに引っ張られない
小学生の頃は授業や行事などに活発だったのに、思春期に入ると急に消極的になってしまう子どももいますが、発達障害の子どもはひとりで過ごすのが得意で「良い意味で」空気を読むのが苦手です。
周囲の状況にあまりとらわれず、今までと同じように活動できるでしょう。
他人への関心が薄い→マイペースに進められる
周りの人への関心が薄いという特徴は、マイペースに物事を進められるというメリットもあります。
中学生くらいの年ごろは、周りを気にして思い切った行動ができなかったりしますが、発達障害の子どもは人に流されずに自分の意志で行動することができるでしょう。
まずは褒める!自信をなくさないように支えてあげて
マイペースな発達障がいの子どもでも、関係ない発言などで周りを困らせてしまううことが続くと、自信をなくしてしまうことがあります。
そのようなときは、まずはその子のいいところを見つけ、褒めてあげましょう。
注意しなければいけないときも、上手くやっている行動などを褒めたうえで「もっとこうすると上手くいくよ」など、さらに良くするためのポイントを肯定的に伝えてあげてください。
また、課題を細かくわけて目標を達成しやすくすることも大切です。
たとえば、座っていることが難しい子どもが課題が終わるまでは立たないようにすることは難しいです。こういったときには目標を「三問終わるまでは立たない」など、その子自身ができそうなところから設定しましょう。
そして達成できたらたくさん褒めてあげてください。
きっと自信がつき、次はもっと頑張ろうとやる気につながりやすくなるでしょう。
小さなことをひとつずつクリアできるようにサポートし、できたことに対して大いに褒め、少しずつできることを増やしてあげることが大切なんです。
おわりに:長所を褒めながら上手にサポートしよう
発達障がいをもつ中学生は、小学生の頃と同じようにマイペースに過ごしていけることもあれば、生活面や勉強面などでトラブルを抱えてしまうこともあります。
もしトラブルを抱えたときは、その子の長所を見つけてあげて、できたことはめいっぱい褒め、少しずつ目標が達成できるように上手くサポートしてあげましょう。
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